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かくかくしかじか。

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エッセイ的なお話たちです。
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#最近の学び

わからない

わからない

わからない、その思いが頭の中に膨らんでいる。
文字に書き出す。言葉にしてみる。

それでわかった。

何がわからないのかが、わからないと。

僕のホクロをスイッチみたいに押すなって。

僕のホクロをスイッチみたいに押すなって。

僕の首の後ろには、ホクロがある。
それに気づいた友人たちは、「やる気スイッチ」と言ってポチッと押していく。
僕は押されるたびにイライラし、諸々の「やる気」が削がれていく。

押したくなる気を起こさせるホクロ。
押される側の気力を奪うホクロ。

押されるまで知らなかった、そんな魅力をふりまくホクロのことを。
押されるまで知る由もなかった、このなんとも言えぬ不快感のことを。

でも今になって、
これこ

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固いニンジン【短編】

固いニンジン【短編】

【あらすじ】
 僕が中学1年生の時、4つ離れた兄がカレーを作ってくれた。だけど、そのカレーに入っていたニンジンは固かった。その時の体験から、僕はニンジンはしっかりと柔らかくなるまで煮込むべきだという「信念」を持つようになったという日常的なお話。あと、ちょっとした愛のお話でもある。

カレーを「おいしく」作るために、大事なことはなんだろう。
隠し味に、こっそりハチミツやヨーグルトを入れること?
また

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山に登りたい。

山に登りたい。

「山に登りたい」、と最近僕は思っている。
20数年を生きてきた僕の人生において、これは大きな事件だ。

*

僕は基本的に、「疲れる」ことが嫌いだ。
なんだかんだスポーツは好きで中学、高校の時は野球部だったし、
大学にいくとサッカーばかりやっていた。

それでも、「疲れる」ということが嫌いだった。
筋トレ、ランニングなどなど、自分のパフォーマンスを上げるものであるとは知りつつも、敬遠し続けた。なぜ

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岩盤浴ってさ

岩盤浴ってさ

岩盤浴、行きました。
温かな石の上に寝転んで、体の芯から温まってきました。

≪僕の辞書≫に「岩盤浴」という文字はもちろんありましたが、それを実際に体験したのはこれが初めてのことでした。
温泉といったら温かい水に入るものだし、温かい石に寝転ぶことに「浴」なんてよく付けたものだと、よく思っていました。
ちなみに、韻を踏んでみただけで、そんなに「よく」思っていたわけではありません。言うなれば、心の片隅

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営業の優しさ

営業の優しさ

営業スマイルとは、よくいったものだ。
時々その笑顔の裏に、お金の匂いがする。
基本的に自己中心的な人間が他人に親切になれるのは、そこに何かしらのインセンティブがある時ではなかろうか。
営業の教科書では、「相手の立場になって考えられたら、もっと儲かります」といっているし、結局はお金のためとはいえ、人のためになることを提案、提供してくれるのだから、接客を受ける側としてはありがたい。

それは、「お金の

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あたまボックス

あたまボックス

僕は、「あたまボックス」の中で生きている。
そこで映し出される世界が、僕の世界。

「猫はかわいい」
「キノコは不味い」
「僕は『あの子』が苦手」

様々な認識と実感が、僕の「あたまボックス」の中で繰り広げられている。

もちろん、
「あの子」は、本当はもっといい子かもしれないし、
おいしい「キノコ」もあるかもしれないし、
嫌悪すべき「猫」もいるかもしれない。

それでも、あたまの外にいる彼らとの

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素振りみたいな文章

素振りみたいな文章

僕は文章を書くのが苦手だ。
なぜか書けば書くほどに、言葉は思っていたものとは違った方向に進んでいってしまうからだ。

だけど、文章を書くのは面白い。
書いて直してを繰り返している内に、思っていたのとは違った発見が文章の中にあったりするからだ。

「あるようでなくて、ないようである」
そんなイメージなり思いなりに言葉を着せて、繋ぎ合わせる作業。
読み返す度に、崩壊した日本語の文法や誤字脱字に唖然とす

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