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やさしい知的財産権の話(特許、デザインなど)

起業や事業開発、ビジネスを立ち上げたことのある方、クリエイター、デザイナーの方なら、
一度は考えたことのある“知的財産権”、これをビジネスの観点から解説していきたいと思います。


昨今、知財を企業の競争戦略に活かそうという動きが高まっています。
AppleやGoogleなどは、こうした知財戦略に成功している企業になります、

スイスの時計会社、スウォッチが持つ特許を、Appleが水面下で活用して、Apple Watchを開発、リリースしたというのはとても有名な話ですよね。スウォッチは、こうした、Appleによる特許の活用に違和感を抱いて、詳細を確認していれば、Appleよりも前に先手を打てたのではないでしょうか?


それでは、本題に移りたいと思います。

知的財産権とは
人間の幅広い知的創造活動の成果について、その創作者に一定期間の権利保護を与えるようにしたもの

こういった例があります

・特許 発明を保護/出願から20年〜25年
・実用新案権 物品の形状などの考案を保護/出願から10年
・意匠権 物品・建築物・画像のデザインなどを保護/出願から25年
・著作権 文芸・学術・美術・音楽・プログラム等の精神的作品を保護/
・営業秘密 ノウハウや顧客リストの盗用など不正競争行為を規制
・商標権 商品・サービスに関するマークを保護/登録から10年
・商品等表示 周知・著名な商標などの不正使用を規制


特に、新たにビジネスを始める方、デザイナーの方などは、気にされると思います

(私もアプリをリリースしたときは、商標権やデザインを侵害していないかは、とても敏感になりました。参考までに、知財ではありませんが、私は法学を勉強していました)


今までは、知財といった際には、以下のような目的で使われていたかとと思います。

・権利取得の可能性や出願の可能性の検討
・他社の権利を侵害していないかの検討

しかし、これからは、上記に加え、以下のような知財の活用が求められていきます。

①知財の観点から、市場や競合を分析する
②知財、法務面から見た業界における自社の優位性や保護領域を一体的に検討する
③知財をもとに、開発戦略や市場戦略を策定する
④自社の強みは特許やノウハウでしっかり守り、他社の参入を阻む一方、
 外部企業に知財の一部を提供することで、市場を広げていく
⑤デザインやブランドを含めた戦略を一体的に策定する
⑥営業情報などの秘密情報の管理を徹底する
⑦データ活用ビジネスの設計に生かす

企業がオープンイノベーションを推進していく際にも、知財は重要な戦略として捉えられています。(参考までに)


そして、知財(特許)における戦略策定にはIPランドスケープという考え方があります。

IPランドスケープとは? 他社と知財の活用度合いを比較する手法
●特許の平均的な質(CI)
[技術的価値(他社からの特許の引用)×市場的価値(どれだけの国で特許化されているか)] ※他社に引用されていれば、特許の価値が高いという考え
×
●特許件数 


こういった中で、
日本、海外の企業を比較してみたところ、


1つの特許を活用しているのが、Apple, Google, ロシュといった企業であり、
特許件数は多いが、特許の活用度が低いのが、トヨタ、キヤノンといった企業であることがいえるそうです。


今回、コロナの影響で、トヨタ、キヤノンが、特許を全世界に無償解放したことが話題になったかと思います。
新型コロナウイルスに対する解決策を求めるという側面もありますが、特許技術の市場への浸透度を高めていくといった狙いもあります。


また、特許の維持コストとしては、年間約100〜200万円かかるため、
その特許が本当に必要なのか?というのも、知財戦略として、見直す場面に来ています。

ホンダやリコー等では、自社内の特許の見直しをすでに始めているそうです。

以下のようなプラットフォームもあるので、起業、新規事業をお考えの方は、知財の観点から企画検討を始めてみてはいかがでしょうか?

特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/


(参考)
知的財産権について
https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/seidogaiyo/chizai02.html

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