私の母は、私の子どもの頃の写真を見ると涙を流す

私の母は、私の子どもの頃の写真を見ると涙を流す

今日、実家の勉強机の引き出しから数枚の写真を見つけた
私の子どもの頃の写真だ
お気に入りの写真たちだったので、他の写真とは別に保管していたようだ

母に「こんな写真あったよー」と言って見せにいくと、母は「見せて、見せて」と嬉しそうに赤い老眼鏡をかけた

母は「可愛いねえ、本当に可愛いねえ」と言って写真を一枚一枚じっくりと見る
何度も見ている写真のはずなのに、時間をかけて隅から隅まで見ている

この日はここに行ったんだよ、楽しかったなあ、とかこの服よく似合ってたんだよ、とか言いながら母は目を細めて笑う

可愛い、可愛い、本当に可愛い、と写真をめくる母の目には、涙がたまっている
なんで泣くのー、といつものように言う私に、母は可愛すぎて涙が出ちゃうの、と言って、ティッシュで涙を拭く

実物ここにいるじゃんー、と言う私に、今も可愛いよ、と母は笑いかける
母の顔はとっても幸せそうに見えた

私の写真を見て可愛い、可愛いと言って泣く母を見ると、私は死んじゃだめだ、と強く思う

母は、私が生まれた時から今まで、私が抱えきれないほどの愛と、そして母の全てを私にかけている

私は死んじゃだめだ

母は、今日も私の頭を優しく撫でる

何度も何度も滑り台に並んだんだって
本当に可愛かったよ、って母は泣いていた