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大日本末期文学全集

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終末感が滲み出る文章がまとまったら、ここに投稿します。イラストと文を合わせて一つの作品になっていることもあるので、雑誌のような感覚でお楽しみください。
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2022年4月の記事一覧

『「ええ、そうなんです画面にはっきりと…」』

『「ええ、そうなんです画面にはっきりと…」』

「ええ、そうなんです画面にはっきりと…」

思い出すのも恐ろしいといった風で

"被害者"の女性は語る

「仕事に遅刻するわけにもいきませんし…」

その日も

いつも通りスマホのアラームで目覚めて

ストリーミングを観ながらメイクなどを済ませ

SNSをチェックしつつ朝食を詰め込み

いそいそと自宅を出ようとしたという

「靴を履いている途中にいきなり…」

突然の出来事に焦燥しつつも女性は

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『<修正点>』

念願だった手作りアクセサリのネットショップ開設まであと少し。

商品は、開店当初2週間は持つかなっていうくらいの在庫を作ることができた。

サイトは立ち上げ済。Twitterでの事前告知にも念を入れて。

きょうは発注していた商品紹介動画の仮編集がきたので早速チェックしようと、メールに貼られていたリンクをクリックしたらURLが無効。

その旨を先方に連絡したら、URLの後半が欠けていたみたいで、送

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『顔が好み過ぎて』

『顔が好み過ぎて』

高速道路上の多重事故で

たくさんの人が亡くなったという

不幸なニュースをラジオが伝える

助手席の彼は

まったく笑えない冗談を飛ばして

彼いわく

ブラックジョークも言えない

こんな世の中じゃって

憂いているけど

単にあなたのジョークとやらが

ものすごくつまらないんだよって

言い返したりはしない

顔が好み

彼の

顔が好み過ぎて

すべてがどうでもいい

彼は居丈高に振る舞う

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『請け負った入力作業は単調過ぎて』

昼下がりはどうしても睡魔が寄ってくるから

インスタントコーヒーに頼りっきりで

請け負った入力作業は単調過ぎて

納期には間に合いそうなものの

正直言って正確さに不安が残る

でもたしか

わたしの送ったファイルを

改めてチェックする係が

別にいるって聞いたと思う

それに間違っていたところで

報酬に影響もないだろうから

これでよしとしよう

社会から切り離されて

ちがう

自分から

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『「おじちゃん、おこづかいちょうだい」』

『「おじちゃん、おこづかいちょうだい」』

姉ちゃんから息子の話

つまり甥っ子の話をきいて

俺はびっくりした

今の子は学校で

プログラミングだとか

株や資産運用の勉強だとか

そんなことまでするんだってな

俺が母親に行かされたのは

書道にそろばん

あぁーあ

もうちょい遅く生まれたかったわ

っていうのは置いといて

ひさびさに姉ちゃん家に呼ばれて

御馳走になってたわけ

お義兄さんがすごく料理上手で

振る舞ってくれて

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『イケメンになりたくて』

『イケメンになりたくて』

完成した

俺はついに発明したよ

イケメンになりたくて

イケメンと入れ替われる薬を

使い方はとっても簡単

まずは薬を一錠のみます

お手元の女子高生の制服に着替えたら

食パンをくわえて家を出てください

そしてイケメンが

向こうの角からやってくるとき

タイミングを見計らって

猛ダッシュで

ぶつかってください

これで入れ替わりが

完了します

研究用ラットで

なんどもなんども

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『でっかい隕石が落ちたっていうから』

『でっかい隕石が落ちたっていうから』

爺ちゃんの家の庭に

でっかい隕石が落ちたっていうから

学校そっちのけで

見に行ったわけ

警察の人とか

俺みたいな野次馬もめっちゃいて

つか隕石

見事に庭のど真ん中に落ちてて

めちゃくちゃ運いいじゃんて思って

だってさ

家に当たったら大変なわけだし

自宅の外だったら

爺ちゃん英雄になってねえし

幸運の持ち主だね

さすが爺ちゃん

つかさっきから

隕石ベタベタ触ってるけど

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『「おかわり、できたよ」』

『「おかわり、できたよ」』

「ねぇ、おいしい?」

ワタシの問いかけに

無言でうなずく彼氏は

テレビのボクシング中継に釘付け

「その試合、そんなに凄いの?」

ワタシの問いかけに

無言でうなずく彼氏は

ロクに味わいもしない

ワタシの愛がこもったグラタンを

3分もかからずに

平らげてしまった

「ねぇ、美味しかった?」

その問いかけに

とつぜん振り向く彼氏

いま試合が休憩中なんだって

「グラタン、美味し

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『「決済日は明日で、よろしいですね?」』

『「決済日は明日で、よろしいですね?」』

「一日あたりの単価はこちら…」

提示された金額は

充分なものだった

「半年に直しますと…」

これだけあれば

妻にも娘にも

余裕のある生活を

遺してやれる

もちろん生命保険も下りるだろうし

これからかかる医療費も不要になる

面会時間を過ぎて

日勤の医者と看護師が居ない時刻に

ひっそりと来てもらった

余命を買い取ってくれる業者がいるなんて

誠にありがたい存在だ

「決済日は

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『快適に過ごしてもらわないと』

『快適に過ごしてもらわないと』

「この…なんだっけ…椅子?使いにくいよ」

それはそうだなと

T氏は納得した

そもそも彼にとって

腰かけるという動作は

その体型から鑑みても

苦痛と思われる

ではあちらに置いてある

ふんわりと座れるソファはどうだと

勧めてみるがこれもまた

彼の身体にとっては

非常に窮屈そうで

だれもが使いやすく

だれもが心地良く

多様性に配慮した

ユニバーサルデザイン

そんな生活環境

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『百も承知です』

『百も承知です』

ワタシは世界的に名の通った

ラグジュアルブランドで働いてる

都会のど真ん中のショップで

花形の販売員として

きょうもいらっしゃった

お得意様の

X山ご夫人

今回はご主人も引き連れて

いっそうお買い物に

お気持ちが入っていらっしゃる

ドアマンが重厚な扉を開けて

お迎えする

ご夫人はいつもそこで

決まってビンタ

ドアマンをビンタ

屈強な体躯から

微笑みを返す

我らがド

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『「♀子さん、マッチングは初めてですか?』

『「♀子さん、マッチングは初めてですか?』

「♀子さん、マッチングは初めてですか?

「えぇ初めてで、緊張しています

「そうですか、緊張しますよね

「♂男さんは、いかがです?

「恥ずかしながら私は何度か…

「手慣れたものですね

「慣れるものじゃないですよ(笑)

高級ホテルのラウンジで

アフタヌーンティを嗜みながら

"手慣れた"

♂男が会話をリードして

「♂男さんってお話上手なんですね

「そんなことありませんよ(笑)

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『あぁブクブク』

『あぁブクブク』

芋焼酎を浴びるほど飲んで

陽の高いうちから眠り込んで

気づけば月明かり

島に3台しかないタクシーの

ヨシさんが俺を見つけてくれて

メーターも上げずに

家まで引っ張ってくれるそうだ

気づけばコッチへ移住して

けっこうな時間が過ぎたな

おかげで

地域にはすっかり溶け込めたと

自覚している

島の風を感じて

毎日生きている

そもそも移住に反対していた妻は

ちょっと前に子供たち

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『「焼肉部だよ!」』

『「焼肉部だよ!」』

中学生になった息子に

どんな部活に入ったのか問うてみた

「焼肉部だよ!」

んじゃそりゃあー

と思わず声に出してしまったが

あまりに無邪気なので

そのまま続きをきくことに

「牛肉の美味しい部位や焼き方をね、研究したり…」

いまどきの部活って

こんなものなのか?

いや別に

何かを縛りつけたいわけでない

ただただ驚いている

「応援してね!」

正直もう少し

賢い子だと思ってい

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