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養護教諭について

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#学校

Kindle本『保健室からの手紙』(電子/ペーパーバック)出版

Kindle本『保健室からの手紙』(電子/ペーパーバック)出版

養護教諭を退職した今だからこそ……34年間の養護教諭人生を終えたこの春、娘から勧められるままにnoteの世界へ。

「え?私、何を書けばいいのーっ?」
と戸惑う私に娘は言いました。

「お母さんが今までやってきたこと、感じてきたこと。お母さんにはそれしかないでしょ」

たしかに……。

緊張しながらそっと書き始めたのが5月末。
ひとつ、またひとつと大切なエピソードを投稿すると、思ってもみないことに

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コロナとみんなと保健室

コロナとみんなと保健室

退職後、子どもたちや先生方との思い出話を綴った「保健室からの手紙」をnoteで仕上げて、自分なりに一区切り。
と思っていましたが、数日経って今、またフッと込み上げてきたものがありました。

…コロナと共に過ごした、退職前の数年間を振り返り、どこかに残したい…誰かに伝えたい…と。

多くのみなさんがそれぞれのお立場で向き合ってこられたであろう、コロナ。

学校においても、発生からその都度その都度の流

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保健室からの手紙

保健室からの手紙

これからを生きる子どもたちの幸せを願うすべての方へ、このエッセイを贈らせてください。

揺るぎない思い2023年3月、私は辞職しました。

子どもたち、保護者さん、同僚、養護教諭仲間に見送られ、達成感に包まれた最後でした。

いただいた花に囲まれて1ヶ月が過ぎ、思い出を片付けて2ヶ月が過ぎた頃、私は辿り着いたのです。

34年間、自分の中にあった「揺るぎない思い」。

それは私が保健室の先生をして

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大変だったはずの学校で、彼らが私を育ててくれました。

大変だったはずの学校で、彼らが私を育ててくれました。

退職してから、平日の日中に車を走らせることが増えました。

車窓から見る景色はとても新鮮で、長年いかに色んなことを見過ごしたり気づかないまま暮らしたりしていたかを痛感します。

ただただ目の前のことに必死だった年月を悔いているわけではありません。

あの頃があるからこその今なのだから。

田舎だけど落ち着きのある美しい街並み、
近くに遠くに目に映る豊かな自然、
身近なのに疎遠でいた優しい人たち…

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保健室の先生の思い出話。

保健室の先生の思い出話。

まだ見ぬ世界で、そっと自分探しをしてみようと思って書き始めたnote。

noteを通してこれからの人生を思い描こうと考えていたところでしたが、「長いこと保健室の先生をしていた」という部分に対してコメントをいただき、なんだか嬉しくなってしまったので、今回は養護教諭時代の思い出を振り返ってみたいと思います。

私は幼い頃から看護師を目指しており、高校卒業後は看護専門学校へ進学しました。

高校時代は

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