「ファッションはいらない」という言説のメリット
こんにちは。
牧 菜々子です。
ファッションはもういらない。
そんな言説が多く聞かれるようになったのは、どうしてなのか?
その理由は、「ファッションはいらない」と言うことにメリットがあるからです。
どういうメリットかというと、「いらない」と言うことによって、万能感、全能感などの一種の興奮状態が得られるというメリットです。
私たちは、常に何かを「いらないと言いたい」という欲求を抑えられません。
「ファッションはもういい」
「ファッションはいらない」
そう言うことで、人は、興奮を伴った万能感を得られます。
そういうメリットがあるからこそ、「いらない」という言説が世の中に増えるのです。
ですが、「ファッションはいらない」と言うことにメリットがあるからといって、直ちにファッション自体がいらないことにはなりません。
私たちが「ファッションはいらない」という言説に違和感を持つのは、「いらないと言いたい」という欲求が先に出ていることに薄々気づいているからです。
逆に「ファッションは必要だ」という言説を聞いてもどこか冷めた気持ちが拭えない人がいるのは、「必要だ」と言うことには別に万能感はないからです。
「いらない」と言う時の興奮状態とは逆なのですから、どこか冷めた気持ちになる人がいるのも、ある意味当然です。
「ファッションはいらない」
そう言うことにメリットがあることを、私は何度でも認めます。
ですが、それは決してファッションがいらなくなったことを示すものではないのです。