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書いている小説

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書いている小説をまとめました。 こちらはホラー小説です。 https://note.com/maki0806/m/m6453eb5d2608
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#創作大賞2023

イノセントワールド 小説

イノセントワールド 小説

 直哉は机にあった鏡で自分を見た。

そこには、十七歳の少年が映っている。
自分はこんな顔だったのだろうかと驚いた。
大量の汗と、悲痛な表情。
これが自分だと理解出来なかった。
思考回路が急速に、ある終着点に向かっていくのがわかった。頭の中でそれを否定するが、どうしてもそこにたどり着こうとする自分がいた。
嫌だ。
嫌だ。
いやだ?
いやだ?
それをするのがいやだ?
いや、考えるのももう嫌だ。
いや

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君と見たい景色、君に見せたい景色

君と見たい景色、君に見せたい景色

君と見たい景色

 君と見たい景色がある。
 君に見せたい景色がある。

 駅のホームに緑色の電車が停車した。すぐに車両に乗り込み、端の空いていた座席に僕らは座った。それから僕は鞄から本を取り出し、母さんは手に持っていた電話の画面に視線を落とした。この電車に乗るのも、もう何度目だろうか?物心つく前からだから正確な回数は知らないけど、きっといっぱい、うんと沢山なはず。
 僕は本を開く前に、少し車内を

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あの日の僕(第1話)━電車

あの日の僕(第1話)━電車

あの日の僕(第1話)━電車
中央線で思い出したのはあの日々
子供の頃の自分が今の自分を見たら何を思うだろう?



この前、久しぶりに中央線に乗りました。その時、あまり思い出したくない記憶が勝手に蘇ったのです。実は、この電車で0歳から小学6年の誕生日まで通院していました。すぐにある絵本が脳裏に浮かぶ。

小さい頃、電車の中で絵本の「ウォーリーを探せ」を読んで、検診の事考えないようにしていた。だか

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あるインフルエンサー

あるインフルエンサー

フィクションの小説です。
加筆していきます。*10/19完結しました
小説ほかにも色々書いてます。

ある男が0からインフルエンサーになった物語です。

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 これは歴史に名を残すある男の物語だ。

 俺は気づいてしまった。その事に気づけた時、俺は神に選ばれた男だと確信した。
 君は人生を全うした後、自分のその物語を何と呼ぶ?「成功者の人生」だと言える?俺は言える。

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明日の月

明日の月

 ねえ、今でも目を閉じれば思い出せるよ。

 当時は長く感じていた時間も、こうして振り返ると、あっと言う間の様に思える。将来の事で色々悩んでいたし、お金もそんなにある訳でもなかったけど、心はすごく満たされていたよ。私はあの日みんなで一緒に見た月を忘れない。みんな、きっとそうだよね。

 ある大阪の私立大学。いつものこの時間であったらとっくに学生の姿は消え、ひっそりとしているはずの構内も、今日ばかり

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