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だだもれエッセイ

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泣きたくなるほど感情だだもれのエッセイを育児の隙間時間にちょっとずつ執筆。子どもたちや家族、かけがえのない友人たちが教えてくれること、ずっと考えてきた熟成思考、あれ?仕事ってなん…
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#エッセイ

宇宙のどこにいたって

宇宙のどこにいたって

「将来だれかと結婚する」

ということを意識したのはいつだっただろう。

記憶をたどると、私は小さな頃、誰とも結婚するつもりなんかなかった。

父母や祖父母と離れて暮らすとか、別の家の人間になるとか、そんなことは想像もしたくなかったから

「マイミは大きくなってもけっこんなんてしないでいえにいる」

と強く誓っていた覚えがある。これを口に出すと、家族はとてもうれしそうな顔をした。

私の母の実家は

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クリスマスはつれないけれど、一歩いっぽやってくる

クリスマスはつれないけれど、一歩いっぽやってくる

クリスマスっていいよね。

街がイルミネーションで彩られてキラキラしてるのもいいし、「クリスマス」とか「サンタさん」とか言うだけで子どもたちの目もキラキラしてくるのをみるのも、とってもいい。

この前の土曜日は、夫が午前中用事でいなかった。だから、家で過ごすことになっていて、

「そうだ!クリスマスツリーかざろう!」

って提案したら6歳の長男は大喜びしてた。

3歳の二男は、

「つりーって、お

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30%全力で青と白の間の空色をいく

30%全力で青と白の間の空色をいく

「残念なお知らせです」

会うなり佐藤先輩は、がさりともっていたビニール袋を持ち上げてみせた。袋には、私の好きなシュークリーム屋さんの箱と紙袋。

「え、うれしいお知らせではなくて?」

先輩と会うときはいつもこうだ。

先輩はそんなにシュークリーム好きじゃないのに、シュークリーム好きの私のためだけに、こうして食べきれないほどおみやげとして買ってくる。しかも、天邪鬼なことをいって手渡すのがお決まり

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マイナス思考の幸福論  【#幸せをテーマに書いてみよう】

マイナス思考の幸福論  【#幸せをテーマに書いてみよう】

その休日は、よく晴れていた。

明るい朝陽がリビングダイニングいっぱいに心地よく充満している。

夫と子どもたちはいつもよりゆっくり寝ていて、私はおだやかな気持ちでキッチンに立つ。手でちぎったキャベツと鶏肉のそぼろがはいった透明なスープにふうわりと卵を落としてスープをつくった。

みんなが起きた頃、ごりごりとお気に入りの珈琲豆を挽きはじめる。あつあつのお湯を注ぐと、香ばしい香りが部屋に立ち込めて、

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子どもの夢はとっぴょうしもない

子どもの夢はとっぴょうしもない

わが家のトイレは、洗面所の向かい側にある。

3歳の二男は、まだひとりでトイレができない。

大きい方がしたくなると、子ども用の便座をひっつかみ、

「じろちゃん、じゅんびするからね、かっか(母)はこないで!」

ときびしい顔でさけび、トイレに直行する。

しばらくがんばってから、

「ちょっときてぇ〜」

と私を呼ぶ。まだ全部できっていないけれど、長時間ひとりでトイレにこもるのはこわいらしい。

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母スパイになる〜トリックオアトリート大作戦〜

人生には刺激が必要だ!

(いい意味で。ある程度ね)

と思っているので、私はサプライズとかするのが好き。どうしたらおもしろくなるか考えるのが楽しいし、驚きと共に思い出がより印象強く残ってくれるかなぁと思うから。

それとは対照的に、夫はサプライズするのも、されるのも苦手。たぶんサプライズを考える思考回路がないのと、「びっくりするのもさせるのも、なんか嫌だから」だそうです。ふむ、なんとなく夫らしく

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書くおくすり  #手書きnoteを書こう

書くおくすり  #手書きnoteを書こう

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
今回、手書きnoteにチャレンジしています。
手書きした文章の写真の下に、同じ文章を起こしています。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

「書く」ということについて書く私は「書く」という行為自体が好きだ。パソコンやスマホで書くのもいいけれど、こうやってペンで紙に向き合って、じっくりと文字と、その文字の組み合わせでできる言葉と、その連なりでできる文章を作り上げるという作業自体を時々むしょー

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好きなおかしの形はありますか? #お菓子にまつわるエトセトラ

好きなおかしの形はありますか? #お菓子にまつわるエトセトラ

お菓子の形って、色んなのがありますよね。

私は基本的に、お菓子は甘いのもしょっぱいのも大好きなのですが、形が気になっちゃうことがあります。

みなさんは、お菓子で好きな形ってありますか?

私は、アメ玉やクッキーの丸いかたちも好きだし、さらにその真ん中に穴のあいたドーナツのユニークさにもそそられます。

はたまた、形なんて気にしない、素材の形そのまんまのポテトチップスなんてのもいいなぁと思うし、

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追いつかない日々と、おべんと狂想曲

追いつかない日々と、おべんと狂想曲

息子たちが通う保育園には、年に2回、春と秋にお弁当日がある。

いつもは保育園内でつくってもらう給食なのだけど、この日は大きなクラスの子たちは遠足にでかけ、小さなクラスではお天気がよければ園庭やテラスでお弁当を食べる。

息子たちをはじめ、子どもたちはこの日をとても楽しみにしている。

私はふだん、忙しさにかまけて「栄養は保育園の給食で…!」とべったり甘えているから、いつもあったかくて栄養ある食事

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こどもの世界はとっぴょうしもない

こどもの世界はとっぴょうしもない

じつは、わが家でとんでもないもんをおあずかりしていたらしい。

それはとある「木曜日」のことだった。

いつも保育園から帰ると、長男には「お風呂当番」、二男には「くつ並べ大臣」になってもらう。

といっても、子どもたちの気分によって、やってもらえたり、もらえなかったり、まぁやってもらえないことが大半なんだけど。とりあえず、声はかけるようにしている。

その日、玄関でくつを脱ぐなり、リュックを背負っ

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運動会の日の朝みたいだ

運動会の日の朝みたいだ

昨日は、長男にとって保育園最後の運動会だった。

親の私がいうのもなんだけれど、長男はわりと運動神経がいい方なんではないかと思っている(親ばかフィルター&色眼鏡全開バ―――ジョン)

クラスで1番くらいに逆上がりもできるようになったし、走るのだって速い方。

だけど、そんな長男にも苦手な運動があるらしい。

1カ月半ほど前だったと思う。

「運動会でなわとびをやるんだけどね、おれ、ぜんぜんとべない

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かわいいは大変を凌駕する

かわいいは大変を凌駕する

ここのところ、3歳の二男は語彙が爆発的に増え、とてもおしゃべりがじょうずになってきた。

でも、真剣になやんでることがあるらしい。

「あのね、さしすせそって言おうとすると、たちつてと…ってなっちゃうんだ…」

自分でなやみを打ち明けてくるほど、なやんでいるらしい。

うんうん、しってるよ。かっか、ずっとわかっていたよ…。

でもそんなになやんでるのは、しらなかった。

ちなみに、二男の舌足らずな

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誕生日じゃないけど誕生日

誕生日じゃないけど誕生日

夫は欲のない男である。

昨日は夫の誕生日で、夜ごはんは何か好きなものを作るよ!何がいい?と聞いたけどなかなか思いつかず、考えあぐねた果てに、

「マイさん、何か作りたいものない?」

ときた。

私は料理が好きだけど、息子たち3人抱えてのごはん作りは大変だから、なるべく簡単なのがいい。とはいえ、せっかくだからおいしいものが食べたい。

となると、うちの選択肢は「焼肉!」となる。

∞∞∞∞∞

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わたしはまるい

わたしはまるい

といっても、名字が丸井なわけでも、某デパート(OIOI)が大好きなわけでもない。

まるいのは、顔である。

小さなころから、家族、ことさらに母からは

「マイミは顔がまるいねぇ」

と言われて育った。

かくいう母も、そしてその母(祖母)も顔がまるく、骨格も似ているので明らかに遺伝だとわかる。

自分の子どもが生まれて、赤ちゃんや小さな子どもをみていてわかったけれど、子どものまるさというのは格別

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