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見たり、聞いたり、読んだり。 主に#コンテンツ会議 の記事をまとめています。
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#コラム

自由研究を楽しもう

自由研究を楽しもう

先日Eテレで放送された「自由研究55 気になっていることを検証せよ!スペシャル」がすごくよかった。

「自由研究55(ゴーゴー)」は、夏休みになると特別に放送される番組。「0655」とか「2355」「ねこねこ55」シリーズのひとつ。短い放送時間のなかにおもしろさがぎゅっとつめこまれている。

「自由研究55」自体は2017年からスタートしているようだ。

2017年は「困ったらこうするべしスペシャ

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読みたいことを、書いてくれた。

読みたいことを、書いてくれた。

6月12日の夜に #マイファーストひろのぶ  というハッシュタグが、ツイッターのタイムラインにぱらぱらと現れた。

その日は田中泰延さんが初めて著者としてかかれた「読みたいことを、書けばいい。」(発行:ダイヤモンド社)の発売日だった。

わたしにとっての「マイファーストひろのぶ」は何だったかな? と思い巡らしてみると、ほぼ日から出版されている「小ネタの恩返し。アマデウスは登場しない 編」の解説だった

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「『罪と罰』を読まない」を読んで、「罪と罰」をいますぐ読みたい。

「『罪と罰』を読まない」を読んで、「罪と罰」をいますぐ読みたい。

罪と罰。

ロシアの文豪、ドストエフスキーによる古典長編作品の名前である。

正直に告白すると、わたしは「罪と罰」を読んだことがない。あらすじすら、知らなかった。

海外の翻訳小説をあまり手に取ることがないのだけれど、それにはいくつか理由がある。そのうちの大きな理由として「登場人物の名前が覚えられない」というものがある。「えーっとこの人誰だっけ?」と、ページの始めあたりにある「登場人物紹介」をなん

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三谷かぶき「月光露針路日本 風雲児たち」が最高だった

三谷かぶき「月光露針路日本 風雲児たち」が最高だった

六月一日に歌舞伎座にて初日を迎えた「三谷かぶき・月光露針路日本 風雲児たち」を見てきました。

歌舞伎見物はこれで三回目ですが、今回は公演初日に見に行くことに。以前、ほぼ日の学校で「歌舞伎は初日と千穐楽、または中日当たりのいつ見るのがおすすめですか?」といったお話があって、答えは「最初と最後の二回、見比べても面白い。中日には中日の安定感もある。答えとしては、いつでも、面白さがある」と、お話しされて

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なんでカッパはキュウリが好きなんだろう?

なんでカッパはキュウリが好きなんだろう?

最近、カッパについて考えて過ごす時間が多かった。比喩ではなくて、妖怪と属されているカッパについてだ。

最近考えいたことをツラツラと書いてみる。オチもなく、ためになる話でもない。

カッパに対して思いを巡らせていた理由は、いくつかある。

たらればさんが紹介していらした本「古生物学者、妖怪を掘る」荻野慎楷 著を読んだことが大きな原因だろう。

また、カメントツさんの「こぐまのケーキ屋さん」でちょ

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目の前に現れた扉は「どこでもドア」だった。

目の前に現れた扉は「どこでもドア」だった。

10月29日(月)に開催されたほぼ日の学校番外編「たらればさん、SNSと枕草子を語る。」に参加してきました。

お話された内容などは、今後「ほぼ日の学校オンラインクラス」で発表されると思うので、詳しくは記載しませんが、すこしだけ感想を書いておこうと思います。

お話の内容は第一部、第二部に分かれていました。一部はたらればさんによる古典の楽しみ方についてや、SNSでの発信について。また、「枕草子」が

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おかえりなさい、の村上RADIO

おかえりなさい、の村上RADIO

「村上の部屋に遊びに来ちゃったからなあ、という感じでお付き合いください」

10月21日に、村上春樹さんがDJをつとめる「村上RADIO」の第二弾。村上RADIOがTOKYO FMにて放送されました。

注)こちらのサイト、番組で紹介された音楽や、村上さんがお話された音楽にまつわるエピソードもかかれています。質問への回答などは書かれていませんでした。これから番組を聴く! というかたは後から読んだ方

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見てます、まんぷく。

見てます、まんぷく。

10月から放送が始まった、NHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」。

いまは三週目に突入したところだけれど、もう目が離せない。

朝ドラにはモデルとなっている人がいて、時代背景やエピソードなども参考にしている場合と、まったくのオリジナルで話が展開されているものがあります。もちろんモデルがいる場合でも、まったくの史実通りというわけではありません。ひとりの人生を一日15分、半年のドラマでは到底語り尽くせ

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南座の新開場が待ち遠しい

南座の新開場が待ち遠しい

「え? 移転?」

先週、実家に帰ったときのこと。

私の実家は大阪にある。けれど、新幹線では必ず京都で下車をする。

時間があるときは、京都の街を歩いてから帰ることにしている。

地下鉄の四条駅から、京阪の祇園四条まで大きなデパートが並ぶ四条通りを歩いて、鴨川の流れを見るのが大好きだ。

地下鉄四条駅から、京阪祇園四条駅までは、観光客も多く歩きにくいのだけれど、大した距離ではない。ただ、それだと

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すすめられても、読めずにいる本。

すすめられても、読めずにいる本。

会社のポストに、Amazonからの届け物が入っていた。社長宛の小包だったので手渡すと、その場でばりばりと封を開け始めた。

中に入っていたのは、一冊の本だった。

ジャン=ポール・サルトル著「嘔吐」。

「……なんか、ずいぶんと難しそうな本ですね」

思いがけないタイトルに、私はちょっとびっくりしてそういった。社長も「うーん」といってぺらぺらと中をめくってみるもののすぐに閉じてしまった。

「この

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友だちについて悩むことがあるのなら。

友だちについて悩むことがあるのなら。

中学生のときに、この本を読むことができたならもっと気楽だっただろうし、「そんなふうに考えていいんだ」とおどろいただろう。

吉本ばななさんが最近出された「吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる」を読んだ。

本のタイトルどおり、友達関係の悩みについて、10代から60代までの男女から寄せられた質問に対して「私であれば」という吉本ばななさんの視点で回答されている。

わたし自身は、今現在友達との関係

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おさかなって、どんなかたち?

おさかなって、どんなかたち?

「鯛の写真を見せて、この魚の名前は分かりますか? って聞いたら『金魚』っていうんです。高校生になっても、知らないものは知らない」

わたしが大学生の頃、ある女性教授の講義でこんな話がされた。都内にある女子校に講演をおこなった教授はすこし自嘲気味だった。

いまどきの子が魚を見れば「金魚」というのは、魚そのものの姿をしらないから。スーパーへ魚を買いに行けば切り身になって売られている。身近な魚といえば

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スタンプ40個たまったら。

スタンプ40個たまったら。

目的地さえなければ方向音痴にはならない。目的地がぜんぶ悪い。

本にまきつけられた帯の、うしろのに書かれたことば。

「迷子でいいのだ」ということばへの返答のようでもある。けれど、目的地を定めないでふらりふらりと歩き回るのは、本当はとても不安だろう。

浅生鴨さんのエッセイ「どこでもない場所」を読んだ。うっかり病院の待ち合い室で読みはじめてしまい、笑いをこらえるのに大変だった。

読み進めていくと

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落語で歌舞伎入門「ごくごく飲む忠臣蔵」

落語で歌舞伎入門「ごくごく飲む忠臣蔵」

2018年8月29日、草月ホールにて開催されました「ほぼ日の学校スペシャル・落語で歌舞伎入門 ごくごく飲む忠臣蔵」に行ってきました。

すっかり楽しんでしまって、イベントレポートとはいえない、主観ばかりですが特に印象に残ったところなどを書いてみます。

Hayano歌舞伎ゼミの主宰である早野龍五先生の解説と、上方落語・桂米朝一門の桂吉坊師匠の落語によって「忠臣蔵」を楽しく理解しようという本イベント

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