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コンテンツてんこもり

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見たり、聞いたり、読んだり。 主に#コンテンツ会議 の記事をまとめています。
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#エッセイ

オリンピックが、ひたひたと

オリンピックが、ひたひたと

「ふーん、そんなことになってるんだ」と、ただうなずくしかなかった。

先日、大学時代の友人たちと会う機会があり、そこで東京オリンピックの話になった。

「もう締め切ったんだっけ? プリントもらってきた?」

東京に住まいを構える友人たちが、困った様子で話していた。なんでも「エスコートキッズ」を学校単位で募集している(らしい)。

(らしい)というのは、その話をしてくれた小学生の母親(私の友人)は子

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読み方すらわからなかった「貞観政要」に触れて

読み方すらわからなかった「貞観政要」に触れて

「ふーん、見てみようかな」はじめは、そのくらいの感覚だった。

1月にEテレで放送されていた「100分de名著」。アドバイザーとして出演されていたのが出口治明さん。ライフネット生命創業者。現在は立命館アジア太平洋大学学長を務められている。

「100分de名著」を見たことはなかった。2019年12月に紹介された名著が「カラマーゾフの兄弟」。古賀史健さんがnoteで紹介されていたこともあって、「10

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コタキ兄弟の行く末が楽しみでならない

すでにたくさんの人が「おもしろい!」といっているけれど、私も言いたい。

1月から始まったドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」がおもしろい。(毎週金曜 深夜0時12分放送※テレビ大阪のみ、翌週月曜 深夜0時12分放送)

兄・一路(いちろう)(古舘寛治)は、予備校の英語教師だったが、現在は無職。楽しみと言えば喫茶シャバダバに通うこと。可愛いアルバイト店員のさっちゃん(芳根京子)に話しかけようと試みるが、

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セーターを着たくって、冬のお出かけが待ちどおしい

セーターを着たくって、冬のお出かけが待ちどおしい

そのセーターに袖を通すとき、いつだって身体だけじゃなく気持ちまで暖かくなる。

特別で、お気に入りのそのセーターを編んでくれた人は「よしこさん」。本当に偶然だけれど、わたしの母の名前もよしこという。セーターに腕を通すとき、いつだって二人のよしこさんに想いを馳せる。

「気仙沼ニッティング」という編み物の会社について知ったのは、ほぼ日刊イトイ新聞の、ひとつのコンテンツでした。

「ほんとうにほしいと

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読んでいる本が交差する

読んでいる本が交差する

いくつかの本を同時に、生活リズムに合わせて読んでいる。

移動中に読む本は文庫サイズの本。眠るまえ、布団に潜り込んで読むのはハードカバーのずっしりした本。重くて持ち歩くにはやや厳しいかなと判断したものは、枕元において少しずつ読むことにしている。

この二種類が主だけれど、一気に読んでしまいたい本があると、移動中にも、就寝前にも読むことがある。十月の終わりから一気にハマった十二国記なんかはまさにそう

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ありがとう、いだてん

「ひろちゃん、いだてん見てるやろ?」

先日帰省した際、母と話していたときのことだ。

わたしは今年の大河ドラマ「いだてん」を初回から見ている。二月に執り行われた父の葬儀のときも、その会話をした。親戚のおじさん(母の弟)が、朝ドラと大河ドラマを見るのが習慣のようだったのに、「今年の大河ドラマは、よう分からんから見てへん」といったのがきっかけだった。

そのおじさんは少し耳が聞こえにくいところがって

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「夢中さ、きみに。」に わたしは夢中さ。

「夢中さ、きみに。」に わたしは夢中さ。

読みたい読みたい、と思っていてもなかなか本屋で見つけることができなかった。8月に発売されたマンガは、新刊コーナーにいつまでおいてくれるんだろう?

取り寄せなり、注文すればいいのだろう。なんなら、ネットでポチれば、あっという間に手元に届けられたに違いない。

けれど、本棚の中に置かれているその本を見つけて、手にとりたかった。

しかし、思うように見つけられなかった。おそらく重版がかかる端境期に、わ

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ダンレボ・ダイエット

「ひとりやとヒマやろうし、買ったらいいんちゃう?」

母のその一言で、ひとり暮らしを始めるときにPlay Stationを購入した。

そのとき、一緒に買い求めたゲームソフトが「ダンスダンスレボリューション」だった。ゲームで遊ぶためというより、どちらかと言えばダイエット目的としてそのゲームソフトと専用コントローラーのパッドを買い求めた。

1999年の春、大学進学のために神奈川でひとり暮らしを始め

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SF筋トレーニングとファンタジー筋の増強

ようやく一冊の本を読み終えた。

その本のタイトルは「三体」。

夏のはじめに発売されたこの本は、Twitterでもあちこちで「おもしろい」と称されていた。本屋さんにいくと目につく場所に平積みにされていて、何度か購入しようと手に取りながらも、荷物が多くてちょっと持って帰るのが大変そうだとか、いま読んでいる本があるからなど、いくつかの理由で「また今度、ね」と棚に戻していた。

しかし、8月にいつもよ

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世はまさに大コンサルタント探偵時代

世はまさに大コンサルタント探偵時代

いま、我が家ではちょっとした混乱が生じている。シャーロック・ホームズが3人もいるためだ。

まず、10月から始まったフジテレビの月9ドラマ。「シャーロック」

もともと見るつもりじゃなかったけれど、第一話が意外と面白かった。帰宅していて、だらっとみてしまう可能性が高い。

ディーン・フジオカさんがシャーロックホームズ。岩田剛典さんがワトソン。東京が舞台だし、ホームズというよりも男性二人のペアといえ

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本棚にお迎えしようか迷ってる

本棚にお迎えしようか迷ってる

あきらとさん主催で、「本棚をさらし合う」というハッシュタグ企画が開催されている。タイムラインにはいろんな本の紹介がされていて、見ているだけで楽しい。

ただ、そんななかで本棚をさらすのではなく、我が家の本棚にお迎えしていいか、お迎えする覚悟があるか、とここ最近ずうっと悩んでいる本がある。

それは小野不由美さんが書かれている「十二国記」シリーズだ。

お恥ずかしながら、いままで一度も手に取ったこと

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今日、どれほどカレーが作られたのだろう?

今日、どれほどカレーが作られたのだろう?

「カレーもたくさん作ったし、あとはまかせた」「鍋いっぱいにハヤシライスを仕込んできた」「留守中に食べてもらうカレーの準備を」

こんな風に書かれたnoteをたくさん目にした。

10月6日に開催された、note酒場に参加されるnoterさんたち。なかでもお子様がいらっしゃって、お家でお留守番してもらうという方々。

今日いらっしゃってる方の、おうちの夕食(または昼食)は準備してこられたカレーやハヤ

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東海道四谷怪談に魅せられて

東海道四谷怪談に魅せられて

「上演しはる時にな、お墓参りするんやで」

「お墓参り? だれの?」

「お岩さんや。お参りせんと舞台で演じたら、お岩さん怒りはるやろ」

子供のころにした、母との会話をいまだに覚えている。

母は、心霊番組とか、世界の不思議とか、占いとか。そうした「世の中の不思議」について興味を持っていた。(今はその興味は落ち着いている)母自身も少し勘が鋭かったし、背筋が凍るような体験も何度かしている。母の母(

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その女の、悲しみについて。

その女の、悲しみについて。

人はどこまで残酷になれるのか。

残酷に成れると、残酷に慣れるのふたつの意味において。

この夏の、ほぼ日の企画で紹介されたある一冊の本を読んで救いようのない気持ちが渦巻いている。

その本は「その女アレックス」。著者はピエール・ルメートル。橘明美(訳) 

ほぼ日の学校、学校長である河野通和さんが「こわい本」として五冊の本を紹介された。そのうちの一冊だ。

怖い、というジャンルにはいろいろと分類

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