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哲学と歴史学の周辺

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「諸学問の源」と言われる古代ギリシアの哲学と歴史学との関係などについての雑感を綴りたいと思います。古代ギリシア哲学については大学の一般教養課程で学んだ程度の知識しかないのですが……
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#歴史学

理性と理念 〜学問のはじまり〜

理性と理念 〜学問のはじまり〜

九條です。

理性と理念…。

関係のないように思える2つの概念ですが…。

と同様に私は、

という風に思います。

【理性と理念】
「理性(ロゴス/λόγος/論理的に語られたもの[01])」と「理念(イデア /ἰδέα/見られたもの)」とは、古代ギリシア語においても区別されていました。

これらはいづれも真理[02]を追究する人の作用であり、結果としてロゴスの範疇にイデアは収斂されてしまうも

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幸せのヒントに 〜一神教と多神教〜

幸せのヒントに 〜一神教と多神教〜

九條です。

私は大学生のとき、一般教養課程では「諸学問の源」とされている哲学(古代ギリシア哲学)の概要を学ぶ「哲学概論」を受講し、また専門分野では歴史学(日本史学)を専攻しました。

以下は、その学びによって得られた現在抱いている私の一神教と多神教に対する印象です。あくまで個人の印象です。好き勝手書きます。お許しください(以下 本文約2,500文字)。

【善と悪について】
◎一神教的発想(二元

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不滅のことば 〜戦争と平和〜

不滅のことば 〜戦争と平和〜

九條です。

これは不滅の言葉だと思います。

この言葉は、古代ギリシアの歴史家(歴史学の父)ヘロドトス(生没年不詳/B.C.500年頃か?)によって著された『歴史(イストリア)』に記されています。

彼は、彼が生きた時代に起こったペルシア戦争について調査・取材をし、この書を著しました。

怒りと悲しみが込められたこの言葉には、いまも変わらぬ力があると思います。

この言葉を通じて、遥か2500年

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【東西文化の邂逅】
古代ギリシアは仏教と出会っています。

仏教に『弥蘭陀王問経』(みらんだおうもんぎょう)というお経があります。内容は仏教僧のナーガセーナ(那先比丘)とギリシアのメナンドロス1世王(弥蘭陀王)との対話。

B.C.150年頃。今から2200年ほど前の出来事です。

2500年前の少年法? 〜人々は悩み抜いた〜

2500年前の少年法? 〜人々は悩み抜いた〜

九條です。

いまから35年ほど前、まだ私が大学生だった時の事です。

何かの本か論文かで、これからお話しするような話を読みました。しかし、その本は現在私の手元になく、書名も失念してしまいました。

このお盆休みの約1週間、その話の出典を知りたいと思い、インターネット上で様々なキーワードで検索をしてみたり、図書館へ出かけて司書さんに相談してみたりもしたのですが、結局、話の詳細も出典も知ることができ

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【利点と欠点】
民主政は古代ギリシアで発明された、歴史上最も優れた統治制度。

しかし欠点もある。民主政は何をするにしても手続きが必要で時間がかかる。

独裁政は即断即決だが、善良で理性的な統治者に恵まれなければ結果は悲惨。

善良で理性的な独裁者の出現は歴史上の奇跡でしかない。