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掌編小説

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2000字程度で書いた掌編小説をあげていきます。 ここから短編・長編にしていくためのネタ作りの練習も兼ねてオリジナルの掌編小説書いていきます。
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#星

掌編小説④「星」「家主」「アルバム」

掌編小説④「星」「家主」「アルバム」

 街中のとある住宅街に、個性的な6人の住人たちが住むアパートがありました。
 そのうちの一室には、一人の小説作家が住んでいます。彼女は一人暮らしでしたが、実はもう1人、彼女と一緒に生活する秘密の同居人がいたのです。

「おはようございます、住人さん」
「おはようございます、家主さん」

 それは身長約8cmの一人の紳士でした。

「今日もいい天気ですね」
「ええ、そうですね」

 小さな紳士は、パ

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掌編小説③「北極星」「女の子」「地図・海図・星図」



「あの一番明るい星が見える?」

 星が見える丘の上で2人、無数に輝く星々を地に寝そりながら眺めていた。
 彼女は夜空に瞬く星の中でも、一際煌めきを放つ光に向かって指をさす。

「あれは北極星《ポラリス》っていうのよ」
「ポラリス」
「あの星の下に、ジュリアードがあるって言われているの」
「ジュリアードって?」
「遭難した船乗りのお話のアレだよ」

 それは街に伝わる船乗りの伝説のお話。おと

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