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【就活コラム】読売テレビ 内定

大学生の就活支援(就活コンサルタント)の仕事をしていると、記憶に残る学生が何人かいます。初めてMさんとキャリアセンターの個別面談でお会いしたのは、Mさんが4年生の6月でした。経済学部の女子学生であるMさんは新聞記者を志望していました。コミュニケーション能力があり、成績も優秀、ゼミの教授も太鼓判を押す程の逸材で、本人も自信を持って就活に臨みました。しかし新聞社の採用試験では、1次面接でことごとく敗退、Mさん自身もショックを隠し切れないようでした。

敗因は面接の自己PRで、ディベート大会で10連勝したエピソードを使い、強さをアピールしたことでした。ディベートのエピソードを使うなら、傾聴力、論理的思考力、分析力、課題解決力、説明力・説得力、チームワーク力などをアピールすべきでした。その後なんとか気持ちを立て直し、メーカーの総合職を目指し就活を再開して、キャリアセンターを訪れました。

これまでの経緯を聞き、私が最初にMさんに話したことは、「新聞記者を諦めることはありません。新聞社は秋採用もあるので、再チャレンジしてはどうですか。」と提案しました。新聞社で採用担当をしていた私の経験から、Mさんの人柄や能力が、新聞記者に向いていると考えました。その話を黙って聴いていたMさんは、新聞記者に対する気持ちに再び火がついたようでした。それからMさんは私の話を聴くために、何度もキャリアセンターを訪れるようになりました。

3ヶ月間大学のキャリアセンターの仕事から離れていた私が、再び大学に戻った10月の初旬、Mさんがわざわざ内定報告に来てくれました。「どこの新聞社から内定を得たの。」と聞くと、「読売テレビから内定を得ました。」と嬉しそうに話しました。本人は謙遜していましたが、難関を突破した彼女の実力と努力は評価に値します。

読売テレビでは報道志望のMさんでしたが、入社後は朝の情報番組のADとして番組制作の仕事をしており、時々Mさんの活躍をテレビで目にすることができました。その後本人の希望通り報道局に異動となり、現在は報道記者として活躍されています。

大学生は就活を通じて短期間に大きく成長します。多少の失敗にめげず、反省・分析・修正して再チャレンジすると必ず道が開けることを、Mさんが証明してくれました。


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