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Hint(まどろみ文庫)

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#ドラマ

【随想】ドラマ『真犯人フラグ』高野水登

【随想】ドラマ『真犯人フラグ』高野水登

『真犯人フラグ』は、2021年に放送されたテレビドラマ。
考察系ドラマのはしり『あなたの番です』の制作チームが再集結したドラマということもあって、当時もそれなりに話題になっていたと思うが、自分は第一話だけを見て見るのを止めてしまっていた。
なぜ見るのを止めたのか、あまり記憶は定かでないが、でも一話の最後にショッキングなクリフハンガーが用意されていて、その過剰な演出にちょっと引いてしまったというのが

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【随想】ドラマ『ブラッシュアップライフ』バカリズム

【随想】ドラマ『ブラッシュアップライフ』バカリズム

ブラッシュアップライフを見ている。
リアタイはできなかったが、再放送されるというので。
バカリズムの才能が爆発している。
お笑いよりドラマの方が向いてるんじゃないか。
俳優たちの演技力もさることながら
ガールズトークのシーンの台詞回しがえげつない。
本当にバカリズムが台詞を一言一句書いてるのだろうか。
作り物感、言わされてる感、嘘くささがない。
日常をそのまま切り取ってきたような。
つまり、とても

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【随想】極私的ドラマランキング『最高の教師』『VIVANT』『こっち向いてよ向井くん』他

【随想】極私的ドラマランキング『最高の教師』『VIVANT』『こっち向いてよ向井くん』他

この夏の極私的ドラマランキング!

普段はそんなにドラマは見ないのだが、この夏は、なぜかたくさん見た!松本人志の言葉を借りれば、「見すぎ見すぎ見すぎだから」。ドラマは映画と比べてタイパが悪いなんて思ってるわけではないけれど、だいたい1作品8話〜12話とかあって、全部見るのに10時間以上かかることを考えると、迂闊に手が出せない。ところが、昨今の見逃し配信は倍速再生機能があり、TVerは2倍速はないも

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【随想】半沢直樹 第10話「YouTuber」

無駄はなく
余白もない
怒涛の展開
息つく暇もない
一瞬たりとも
飽きさせてはいけない
離脱させてはいけない
YouTuberに
ジャンプカットなしで立ち向かう
テレビ局の本気
会話シーンでも
カメラは止まってはいけない
構図は同じではいけない
役者は百面相
表情を変え続け
1カットは極力短く
5分に一回は笑いを入れて
話がわかる最低限の筋だけで
本筋と関係ない登場人物の日常などは
すべて省略

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【随想】半沢直樹 第9話「忠臣蔵」

半沢直樹 第9話を見て
今回は
ダンジョン的な
面白さがあった

これは新感覚

そして
後半は
シーズン1のセルフパロディで
これでもかと
笑わせにかかる

歌いあげる黒崎
馬乗りになる大和田

それはまるで
お笑いが茶の間の代弁者になり
パロディが力を持たなくなった時代に
歪で滑稽なのは
現実の方だと
訴えかけてくるようだ

土下座を
するしないが
カタルシスや
屈辱になるドラマが
令和1視聴

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【随想】半沢直樹 第8話「HUNTER×HUNTER」

なんちゅー面白さだ
今回はもう最後、HEROのエンディングでしたね
久利生と雨宮の別れのシーンのような
やっぱり段田さんの演技が期待通り
柄本さんもいいね
やはり過剰にすればいいってもんじゃない
人それぞれ
違った見せ方、味付けの仕方がある
段田さんにかいま見える
どことない弱さが非常に魅力的
柄本さんの
圧倒的な悪の演技は
ハンターハンターでいうところの
アルカ(別の何処かから来た闇)
くらいの

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【随想】半沢直樹 第7話「金八先生」

はて、見ていたらとても懐かしい気持ちが湧いてきて、
半沢が谷川と会話するシーンだったかどこだったか、なぜそんな気持ちになったのだろう、
思い巡らしてみると、どうやらそれは音楽によって引き起こされたものであるような気がする
どこかで聞いたことがある音楽なのか何かに似ているのか
いや何度もこのドラマで繰り返し聞いている旋律だからじゃないのか
いやでもとても不安な気持ちをかき立てる、この重苦しく耳に残る

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【随想】半沢直樹 第6話「人狼」

紀本と大和田
裏切り者は誰?
的な展開は、まさに人狼バトル
半沢直樹は、狼を見破って追放できるのか?

半沢は前回
占い師で
大和田が人狼と知りながら
一人戦った

役員会議室での討論が追放会議
銀行という村を守るために、
大和田と岸川が人狼であることを、半沢が暴露した

にもかかわらず、
半沢は、会議終了後、出向を命じられ、
銀行を追われる身となる

それはつまり、
半沢が実は残りの人狼を見つけ

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【随想】半沢直樹 第5話「逆転裁判」

よかった
ちょっと全体トーンダウンし見やすくなっていた
役者たちの人間の迫力が画面からビリビリと伝わってくる
ユーチューバー構図で画面の向こうの視聴者に直接訴えかける

構成は課題解決のプロセスと事件解決のプロセスが並行して進む法廷ドラマ方式
課題→ピンチ→挽回→倍返し
挽回中に苦戦すればするほど倍返しが効いてくる

ピンチからのタイトルイン、永田との舌戦からのCMイン
そしてラスト半沢の大見得か

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【随想】半沢直樹 第4話「雀蜂」

第二シーズン前半戦完
とにかくよく分からないまま終わってしまった
第三話でほぼ決着はついていたといってもいい
特に駆け引きもどんでん返しもなく、敷かれたレールの上をただ走っていってしまった印象
それだけじゃ面白くないから、顔芸と大声で見せ場を作るが、どうにもおさまりが悪い
それもそのはず、第一話からのロケットスタートで、すでに半沢の濃い味付けに慣れてきてしまっているのだ
このままだと、後半戦に物足

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【随想】半沢直樹 第3話「花道」

今回は宿敵黒崎の登場
証券取引検査官という第三の勢力
東京中央銀行側の人間ではないが、自身の職務に忠実で冷酷で頭の切れるもっともやっかいな男
プリズンブレイクでいうところのマホーンである
再び半沢の前に現れる
その現れ方が憎たらしい
そう簡単には黒崎を登場させない
まず、大量の部下たちが半沢の職場に押しかける
危険が迫ってることを暗に視聴者に知らせた後、
モブキャラ(部下)が半沢に「もう少しで到着

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【随想】半沢直樹 第1話「功利主義」

半沢直樹が始まりました
社会派、山崎豊子の系譜でしょうか
ミステリーに人間ドラマを取り込んだ、東野圭吾
人間ドラマにファンタジーを取り込んだ、伊坂幸太郎
の躍進の後に颯爽と現れたリアリズムの旗手、池井戸潤
重厚な人間ドラマはミステリーやファンタジーなどの
飛び道具を使わなくても戦えますといわんばかりに
拳一つで驚異の視聴率を叩き出す
忖度社会に住む日本人の共感の渦を巻き起こしてやまない 
世の会社

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