真夜中の牽制
むかしむかしに
出会っていたのかもしれないあんな人や
話した事すらも忘れてしまった
こんな人がふとした瞬間に枕元に現れる
名前を思い出そうにも
顔はよく見えず薄モヤがかかっていて
性別も不明
口は動いているけれど
声は聞こえない
きっとろくな事は言ってはいないんだろうと
言う事だけはぼんやりした頭でも
なんとなく分かる
記憶からじゃ誰だったかも思い出せない
気まずい感覚が妙に現実味を帯びていて
居心地が悪い
それでいて身体が動かないとあっちゃ
見つめ合うしかない
僕らは黙ったまま顔を見交わして
暗闇の中で何かしらを牽制し合っている
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