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mikitanishi3
幸せの二度寝
深海魚の様に
唸り声を響かせて
貨物列車が走っていく
がたごとがたごと
揺れるアパートの壁は
頼りないがそれでも
雨風を凌ぐには役に立つ
まだ日も明けてない
時間帯に
目が覚めてしまった
季節はすっかり冬のそれ
冷たく寒い風が
夜の闇に紛れて街を
冷やしにかかってくる
ああ布団の中の
温もりだけが唯一の幸せだ
幸せを逃さない様に
身体を抱きしめて
丸くなって目を閉じる
さっきまで浸っていた
夢の続きを見ようと
頭の後ろあたりに
意識を向ける
じわじわと眠気が
頭の後ろから全体に
広がっていく感覚を感じとる
徐々に身体から力が抜けて
深い海の底に沈んでいく所を想像する
深い海の底を漂い流れている海月の
触手にでも絡んでいけば
あっと言う間にさっきまで
見ていた夢の続き
真っ暗闇の中でも七色に輝く
美しい海月がみせてくれる夢の様な時間帯
幸せの時間帯は二度目の夢の中にこそある
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