答案用紙に書き込む僕のドキドキ

机に座ると途端にドキドキしてくる

まだテストの問題用紙すら配られていないのに

我が心臓部はいやはや気が早いと言うか

小心者と言うか

とりあえず手のひらにかいた汗をズボンで

拭ってはどうにかドキドキを落ち着かせようと

すーはーすーはーと繰り返す深呼吸

テスト前に最終の足掻きとして

過去問に目を通しておいたが

やっぱり不安がちらつく頭の片隅

暗記した単語や年号を声にはださないが

呟いてみるのは安心する為

テストの問題用紙とマークシートが

僕の前に静かに配られた

じっと見つめるが煌めく未来が紙面上に

見えるはずもなくとりあえずマークシートに

自分の名前を記入する

ふむ、、やばいな、、

心臓が胸を突き破らんばかりに

ドキドキと脈を打っている

時計を見ればあと2分後に始まる運命の時

喉が急に乾いてきた

うぅっとうめく事も

後悔する事も出来ない僕はじっと目を瞑り

息を吸う事だけに集中する

すーはーすーはー

球体が目の前をぽんぽんと

一つ二つと跳ねていくところを

想像しながらどうにか緊張感を柔らかくして

高まる動悸を落ち着ける事に費やした

そうして始まるその瞬間

ドキドキして震える手でめくるテストの問題用紙

第一問

電圧の種別について述べよ

空欄内に入るべき数値、
または適切な語句を選びなさい

低圧は直流にあってはア⬜︎V以下
　　　交流にあってはイ⬜︎V以下のもの

高圧は直流にあってはア⬜︎Vを超えるもの
　　　交流にあってはイ⬜︎Vを超えて
　　　　　　　　　　ウ⬜︎以下のもの

エ⬜︎はウ⬜︎Vを超えるもの

①500 ②600 ③700 ④750
⑤6000 ⑥7000 ⑦50000
⑧特別高圧　⑨超高圧
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　答えは一番下

、、、いきなりこれか、、

頭の中のどこかに答えらしきものがあったはずだ

記憶を手がかりに脳みそのしわとしわの隙間を

丁寧に広げて探したらあったあった見つかった

確かテスト前に見た過去問に

同じやつがあったのだ

見といて良かった

これでとりあえず一問目からコケる心配は

無くなった

指先に握りしめたシャーペンのその先で

しっかりとマークシートを黒く塗りつぶしていく

難しいものはあとだ

解けるやつから解いていけば多少なりとも

心に余裕ができる

悩むのはとりあえず後回し

頭の中で問題文を読みながら

マークシートに答えを書き込んでいく

テストは自分との戦いだ

油断は禁物

分からない問題はやっぱり出てくるものだから

焦らずに問題文を読みながら

勉強して蓄えた知識と照らし合わせながら

どうにかこうにか解き進めていく

テストはまだ始まったばかり

自分を喜ばせるのも

悲しませるのも自分の頑張り次第

自分を信じて書き込んだ答えが

正解だった時の喜びは格別だ

だからこそ僕は僕の喜びを手に入れる為に

今この瞬間を必死に脳みそを働かせて

分からない問題だろうとも諦める事なく

解き進めていったんだ

答え　ア④  イ② ウ⑥  エ⑧