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ひきこもり の つぶやき

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ひきこもりの体験で感じたこと、考えたことの、書き散らしです。
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ひきこもり の つぶやき(抄)

ひきこもり の つぶやき(抄)

2017年末、発行されたRadio Kosatenの定期ジャーナル『YABAI TSUNAGARI(ヤバいつながり)』に寄せた、ひきこもり体験について書いた2つの短い作品をうちの一つです。

ひきこもりの状態には、実は復路と往路の2フェーズがあって、同じひきこもりの状態でも向かう方向や心境が異なります。こちらの「ひきこもりのつぶやき(抄)」は復路、もう一つの「持ち寄りパーティ」は往路に対応していま

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フレンド・リクエスト

フレンド・リクエスト

ひきこもっていたある日、SNSで全く面識のない方から突然「私もひきこもりです」と友達申請を受けた。そのときのやりとり履歴。

まえがきSNSにアカウントを登録するとき、大抵、職業などを入力します。
もう長らくひきこもっている僕には、適当なものがなかったので入力せずに放っておくと、SNSサービスは「職業を入力してプロフィールを完成させてみましょう!」なんていかにも親切そうに促してきます。ログインのた

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フレンド・リクエスト(2)

フレンド・リクエスト(2)

ひきこもっていたある日、SNSで全く面識のない方から突然、友達申請と同時に「私の従妹がひきこもりなんです」と相談メッセージを受けた。そのときの返信内容。

まえがき SNSにアカウントを登録するとき、大抵、職業などを入力します。もう長らくひきこもっている僕には、適当なものがなかったので入力せずに放っておくと、SNSサービスは「職業を入力してプロフィールを完成させてみましょう!」なんていかにも親切そ

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天体測定実習

天体測定実習

数か月、誰とも会わず、家に引きこもっていたどん底のある日、ふと思い出した、学生時代の必修科目にまつわる笑い話

実習の思い出北国、杜の都、街から離れた山の上。

真冬の、よく晴れた、月のない晩。
空気は澄み切って、風もなく、
星も凍りついたように夜空にじっとしている。

山の上には、大学の古いキャンパス。
その中でも一番高いところにある、8階建ての古びた建物。
その屋上に、丸いボール型の屋根のつい

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持ち寄りパーティ

持ち寄りパーティ

まえがき今年の年明け、ふれあそび の集いに行こうと思い立った。

だけど、それまで一年余りひきこもっていて、
いつのまにか、人前に出るのが恥ずかしくて、
すっかり臆病になっていた僕。

前の日も、当日の朝も、
家を出る前も、家を出てからも、
電車に乗ってからも、駅を降りてからも
「やっぱりダメだ、行くのはよそう」と
何度も何度も引き返そうと思った。

そんな風に今にも逃げ帰りそうな僕を
地平線の彼

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“恐怖” に感染しました

“恐怖” に感染しました

コロナ騒動が始まってから、ネットニュースやSNSに、怒り、憤り、その底にある、不満、そして恐怖が、どんどん増えてきたのは、僕だけでなく、皆さんも感じてらっしゃると思います。

ひきこもりの僕は、もともと世間から切り離されているので、自分の心を穏やかに保つことだけを考えれば、SNSを見なければいいことくらい、わかっているのですが、

今は、みんなが感じているものを感じていたいと思って、あえて、毎日、

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多様な意見で 世界を照らす

多様な意見で 世界を照らす

何が正しいのか、誰もわからない状況で、僕は、それぞれがそれぞれの現実に応じて考えることが、全体として大切だと感じている。

ネットニュースやSNSを見渡せば、自分と違う考えをしている人が大勢いることはわかるし、ときに、それが もどかしいと思うこともあるが、

それでも、その人がその人の現実に即して判断しているのなら、その人が、自分と違う意見、全く反対の意見の持ち主であっても、その人の立場を尊重した

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