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週刊・フランス滞在記

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【毎週金曜日に配信中】 2019年11月から2020年3月までフランス南東部のグルノーブルという地方都市に滞在。 ストライキあり、コロナありの賑やかな現地生活を満喫しつつ、スイス…
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2021年4月の記事一覧

Vol.36 思い出はどうしたって綺麗になりすぎる

Vol.36 思い出はどうしたって綺麗になりすぎる

2020年1月某日。
年始からドイツ・オランダへ出かけ、再びフランスへ帰ってきた私たち。

ちょうどその一月ほど前、ドイツ・アメリカの旅から帰ってきた時に得た、
「旅をして帰ってきてはじめて家が家と感じられる」という感覚が、
今回再び旅から帰ってきて、より一層強く感じられた。

しかし、一ヶ月前とは違うことがある。
それは、このフランスでの生活も慌ただしくも愛おしい日々も、いつか終わる時がくること

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Vol.37 書きたいことがないときは、書きたいことがないってことを書いたらいいじゃない。

Vol.37 書きたいことがないときは、書きたいことがないってことを書いたらいいじゃない。

途中バカンスを挟みつつ、毎週書き続けたフランス滞在記は今号で37回目。

わたしは頭の中がとっ散らかっていて、いつも何かしら言葉が漂っている人間なので、正直、書きたいことがないということがあまりない。いつも何かしら書くことがある。ただ、テーマを絞って連続物を書いてみるとわけが違う。
「書きたいことがない」という波が何度かやってくるのです。逃げ道がないから。

ちょうど今がその時で、「フランス滞在記

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Vol.38 日曜日は家族で美術館へ行く日だった

Vol.38 日曜日は家族で美術館へ行く日だった

まだ世界が未知のウィルスの混沌に包まれる前のこと。

日曜日は、家族で美術館へ行く日だった。



bonjour!🇫🇷 毎週金曜日更新のフランス滞在記をお届けします。
今日はフランスで感じた日曜日の過ごし方についてのお話。

フランス(ヨーロッパ)生活で、日本生活との違いにびっくりしたことは沢山あったけれど、まず一番初めにびっくりしたのは日曜日は商店やレストランなど、いわゆる商業施設がお休

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Vol.39 娘に女を感じる瞬間がある

Vol.39 娘に女を感じる瞬間がある

bonjour!🇫🇷 毎週金曜日更新のフランス滞在記をお届けします。

3歳を過ぎたあたりでしょうか。
娘のふとした仕草の中に時折「女」を感じることが出てきたのです。
普段は「子供」「娘」として彼女のことを見ているけれど、何気ないふとした仕草や目つきの中に時おり「女」を感じることがあって、はっとさせられる。

ママのまね。

ママとおんなじがいい。

ママになりたい。

私がピアスをつけている

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Vol.40 亡き彼をヘルシンキの風に感じる。

Vol.40 亡き彼をヘルシンキの風に感じる。

bonjour!🇫🇷 毎週金曜日更新のフランス滞在記をお届けします。

2020年1月某日。家族でフィンランド・ヘルシンキへ飛ぶ。ヘルシンキは私が生まれてはじめて一人で歩いた海外の街だ。この日はピアノのレッスンのために日本から訪れていたピアニストの友人の案内で、懐かしのヘルシンキの街を歩いた。



時はさかのぼり、2012年2月。一年でもっとも寒い季節、わたしはヘルシンキに飛ぶことにした。

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