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物理学と数学

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物理学と数学、哲学の話題です。
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記事一覧

ゲーデルの不完全性定理

ゲーデルの不完全性定理

ゲーデルの不完全性定理、または不完全性定理とは、数学基礎論とコンピュータ科学(計算機科学)の重要な基本定理。不完全性定理は厳密には「数学」そのものについての定理ではなく、「形式化された数学」についての定理である。クルト・ゲーデルが1931年の論文で証明した定理であり、「有限の立場(形式主義)では自然数論の無矛盾性の証明が成立しない」ことを示す。なお、少し拡張された有限の立場では、自然数論の無矛盾性

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宇宙論、素粒子論

宇宙論、素粒子論

文系ながら宇宙論、素粒子論に興味があり、今は大栗博司「超弦理論入門」を読んでいます。数式などあまり出てこないので、私にも読めるわけです。文章も平易に書かれています。
大栗先生は素粒子論の最前線で仕事をなさっており、カリフォルニア大学、カリフォルニア工科大学などで活躍されています。超弦理論は、量子論からも更に前進しており、それだけに未知の部分も多い、興味深い分野です。機会があったら、具体的にご紹介し

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学問的に自立している

学問的に自立している

「学問的に自立している」とはどういう状態だろうか。読んだこと、教わったことを鵜呑みにするのではなく、自分なりに判断できる、ということだと思う。また人に教える時、書くとき、自分の判断・考えで教え、書くこと。自分を持っているということ。読んだことを、自分なりに消化できること。自分の一部分とできること。どんな本、教説からも、学ぶべきことは学ぶが、それに呑まれないこと。といったことを考えた。
難しそう💦

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素粒子と場

素粒子と場

複合粒子、原子のことから。原子核の周りを電子が回っており、物質の元となる。原子核は陽子と中性子、中間子からなる。素粒子には物質を作るフェルミオンと、力を伝えるゲージボソンがあり、ヒッグス粒子等がある。フェルミオンには、クオーク(6種)とレプトン(電子、ニュートリノ等)がある。ゲージボソンには、光子(電磁相互作用)、グルーオン(強い相互作用)、ボソン(弱い相互作用)がある。ここで、各粒子の「相互作用

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「自然とヒトとの関係について」

「自然とヒトとの関係について」

菅原博文著。論文集になります。「私達は感覚によって対象について何を知りうるだろうか」から始まる「力の作用だけを前提した存在論」など、5編の論文、及びレポート集から成ります。Apple Books で、立ち読み、購入できます。Hirofumi Sugawara で検索していただければ、他の何冊かと共にヒットします。ぜひ、Apple Books に行ってみて下さい。

https://books.ap

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大栗博司「超弦理論入門」より 1

大栗博司「超弦理論入門」より 1

(少々、唐突な導入ですが)電子が、自分自身のつくった電磁場の影響を受けると、質量が無限大になるという問題があります。これは、電子が自ら発した光子を吸収する現象であると表現することができます。これによって電子の質量が無限大になってしまうのです。
(一番最初から順を追ってではなく、面白くなってきたところから始めたので、わかりにくいかもしれません🙇。しかし、回を追うごとに、分かりにくさは消えると思いま

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ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」より-4

ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」より-4

2.0122 ものが自立的といわれるのは、それがすべての可能な状況のうちに現れうるからでしかない。すなわち、この自立性の形式はものと事態との連関の形式であり、非自立性の形式なのである。(同じ言葉が、単独で用いられたり命題の中で用いられたりと、二様の異なる仕方で用いられることはありえない。)

2.0123 私が対象を捉えるとき、私はまたそれが事態のうちに現れる全可能性をも捉える。
(そう

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量子って? 1

量子って? 1

『量子レベルの物質』は実際に観測されたものだけが物質化しており、観測されない限り『そこにあるかもしれないし、ないのかもしれない』という『可能性の波』として存在している。

『量子』は物質ではなく、波動性を持った状態でエネルギーとして存在していて、外部からの観測のエネルギーを受けた瞬間に一点に収縮した『粒子』となって出現する。

この”エネルギー状態の量子が ”外部からの観測のエネルギーを受けた瞬

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量子力学って? 1

量子力学って? 1

量子は、様々な物理現象における物理量の最小単位。

素粒子(=物質)として認識されるより以前の量子は「波」(=エネルギー状態)として存在している。
『量子』は物質ではなく、波動性を持った状態でエネルギーとして存在していて、外部からの観測のエネルギーを受けた瞬間に一点に収縮した『粒子』となって出現する。
この”エネルギー状態の量子”が
”外部からの観測のエネルギーを受けた瞬間に一点に収縮した『粒子』

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量子力学における物理量 連続か整数倍か

量子力学における物理量 連続か整数倍か

主に巨視的な物理を取り扱う古典力学では、物理量は実数で表される連続量だが、量子力学では、量子を数え上げたものとして扱われる。たとえば電気量は、電気素量の整数倍の値となる。

Wikipedia より

とびとびのエネルギー準位といわれるのがこの整数倍を意味している。

ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」について

ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」について

論考にあっては、世界は生き物ではない。
しかし、これは一つの、対極、両極の一方なのだとおもう。論考の描く世界には、確実に意味があり、かつ魅力的である。
両方考えなければならないとすれば、不思議ではない。

ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」は、その可能性において捉えなければならない書物であると、私も考えている。しかし、「論考」の描く世界は、鑑賞用だと思う。写真ではない、絵画である、写真よりも精緻

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数の公理系における順序性の役割について 他

数の公理系における順序性の役割について 他

3) About generality and repeatability of sign
  記号の一般性と反復可能性
  菅原博文

はじめに
 記述は世界の絵である、と言われることがある。これは記号と事象との対応について語ろうとする暗喩であるが、私達はこの比喩に、ある種の正確さと共に、幾分かの居心地の悪さも感じる。ここでは、この表現の正確さは対象一般が存在する時の安定性と記号が存在する時の安

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力の相互作用だけを前提した存在論

力の相互作用だけを前提した存在論

1) Ontology that premises only “interaction of force”

力の相互作用だけを前提した存在論

2000年6月18日

菅原博文

私達は感覚によって対象について何を知りうるだろうか。林檎の果肉が白いということは、正確には林檎自体についての知識ではない。それはあくまで、対象が私達にどう見えるかについての知識である。

これは、私達の知覚は内的感覚

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目標

ここ二、三ヶ月のことですが、物理学の方、興が乗りました。元々素人ですが、私にせよ、他の誰かにせよ、目標を持つのと持たないのとでは、違います。それはそうですね。私はしまいに、勉強自体が好きな人になって来ました。物理学、また科学哲学でやっていこうと。
自分の生活に関係のない活動でも、気持ちの張りとか、気持ちの上で充実感がある。或いは何か先に実りが見つけられそうだという潜在的な期待があるのかも知れません

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