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Spring転職エージェントからLHH転職エージェントへブランドチェンジして1年。 LHH Japanマーケティングチーム座談会~後編~

こんにちは。いらっしゃいませ!このページをご覧になっていらっしゃる方は、人材業界におけるグローバル・リーディング・カンパニーのマーケティング部門が日頃どんなことを考え、どのような取り組みをしているか興味をもっていらっしゃるのではないでしょうか。

本記事は2023年4月から展開したLHH転職エージェントブランドチェンジの裏側を語りつくす座談会(二部構成)の、後編となっております。

※メンバー紹介やブランドチェンジの経緯について語っている前編はこちら


いざブランドチェンジ

グローバルとの調整業務

木谷:古賀さんはブランドチェンジにあたって、Branding & Marketingチームのマネージャーとして、グローバルやLHH事業部、財務部などなど…ありとあらゆる関係者とのハブになっていましたね。
グローバルコールは時差の関係で夜遅くに開催と、大変だったのでは?

古賀:毎週グローバルチームとはトランスフォーメーションやブランドコミュニケーションをはじめ、様々なトピックやタスク管理を共有し進めました。ダイバーシティな環境で、時差は日本とヨーロッパ(CET)では8~9時間差、日本は夕方で向こうは朝なので調整しやすいのですが、US(EST)とは13~14時間差のため日本時間の夜に会議とになります。現地のマーケットが開く時間に会議をするのは、時にトレーダーのようでした。ある日のグローバル会議ではアメリカ西海岸のスタッフは現地時間早朝3時に参加していましたが、これもグローバル企業の醍醐味といえるかもしれません。当社はリモート&フルフレックスで、様々なデジタルツールやインフラも整っているので時間に追われながらも最後には何とかなるのですが、私は同時期に子供の受験が重なっていた反動かわかりませんが、受験も終わりLHHブランドが立ち上がる2週間前に緊急入院しました。

スタートラインから、走りながら考え、手探りでたどり着いたSpringからLHHへのブランドチェンジ・ジャーニーは、まだまだ続きます。
全員で力を合わせながら、成果を生むという姿勢、あきらめない&成し遂げる意識をチーム内に醸成できたことが、結果として2024年にLHH本部からの特別賞と、アデコ株式会社で全社表彰を受けたことにつながったのは一番の驚き、晴天の霹靂でした。

ピンチ!サイトトラフィックが激減!

木谷:2023年4月3日無事パーフェクトにLHH Japanのスタートを切れたわけですが、その直後、危機がやってきました。

池田:サイトのドメイン変更を行うということは、リダイレクト処理をかけていても、Googleの学習期間が必要になりその間は当然、サイトへの流入が落ちます。
また「Spring転職エージェント」と検索したらLHHのサイトが出てくることになりますから、当然ユーザーは戸惑い、クリックも減ります。
予想はしていましたが、サイト来訪数は40%くらい落ちこみ、回復まで半年ほどかかりました。

また、コ・ブランディングプロモーションを実施したとはいえ、LHHという名称はまだまだ世間的にほとんど認知されていない状況でしたので、Googleなどの検索エンジンにおいても検索ボリュームがほとんどない状態でのスタートになりました。

検索エンジンに評価を促す観点で、社内のLHH事業部全体にアナウンスして、皆さまには業務の合間にどんどんLHH関連ワードを検索してもらう取り組みをお願いしましたね。

木谷:私たちも1日に何度検索したことか。

池田:WEB広告運用についても、新サイト上でCV実績がないことで1からCVの学習が必要になり、広告クリエイティブもすべて差し替えたため、当然こちらも学習が0からのスタートになりました。また、Springを認知しているユーザーからのクリックも減少したため、新規登録数は前月比で40%減少するというインパクトがありました。

ほかにも、ブランドチェンジのタイミングが重なるかたちで、登録割合の大きかったIndeed広告にて掲載基準とポリシーが要因となり配信が突然停止するできごとがありました。予算の比重が大きかったことと、再開のためにフィードツールを導入して配信の仕組みに手を加える必要があり時間がかかることが目に見えていたので、急な予算アローケーションをすることに。

ブランドチェンジから1年ほど経ち、広告、SEO、サイトの内部導線など徐々に改善が進んでおりますが、登録率・登録件数はまだまだもとの水準に戻ったとは言えない状況です。

木谷:またこのタイミングでGoogle AnalyticsをUniversalからGA4に変えました。

清水:そうでしたね。ああいうツールって、触らないとなかなか使い方がわからないのですが、ブランドチェンジ付近はしばらくは他のことも忙しくてなかなか触れず。
今でこそ苦もなく使っていますが、UniversalとGA4では定義が異なり、取りたい数字が上手く取れないもどかしさがしばらく続きました…

起死回生の新R25、NewsPicks企画

木谷:4月のブランドチェンジ以降にパフォーマンスが低下した状況を目にして何ができるか検討を重ねた結果、「新R25 」「NewsPicks」に出稿し認知回復とサイトへの誘導を狙うことにしました。
新R25ではキングコングの西野さん、NewsPicksでは実業家のローランドさんと代表の板倉が対談するという、Spring時代には考えもよらなかった、攻めた施策でしたね。

古賀:ブランドが変わってQ2開始早々に、サイトのKPIのすべてが著しく低下したので、すぐさま対応をする必要がありました。ブランドだけでなく、サイトドメインが変わったことによりサイトパワーも下がったため、スピード勝負でした。そこでまず、ビジネスパーソンが情報収集に使うウェブメディアを調査し、新R25とNewsPicksでの出稿を決めました。そのうえで、LHHと親和性が高く、幅広い年代の男女に支持されているエッジの尖ったインフルエンサー有名人を比較検討の結果、キングコングの西野亮廣さんとローランドさんを提案しました。

池田:西野さん、ローランドさんともに、世間では広く知られた存在ですが、西野さんはLHH Japan Presidentの板倉さんが「この方と対談したい」とおっしゃったことで実現し、ローランドさんは古賀さんの発案から企画が進みましたよね!

木谷:結果的には二つの動画のYouTubeでの合計視聴回数が27万回を超え、サイトトラフィックもSpring時代と比べても高い水準まで回復しました。

清水:ブランドチェンジから4ヵ月くらいたって、やっと少しほっとできた時期でしたよね。

波に乗れ!武将診断、LINEスタンプ

木谷:ウェブ上のパフォーマンスが回復の兆しを見せ、ほっとしたのもつかの間、続けざまにリリースをしたのが、同時進行で並行して準備を進めてきた、適職を見つける「武将診断」と「LINEスタンプ」でした。

古賀:Q2の状況が悪夢過ぎて、逆にやる気に火が付きました(笑)。Q2で大きく落ち込んだKPIを年末までに絶対回復させて目標必達するために実施したのが、「診断系コンテンツ」の導入と、「LINEお友達スタンプ」の導入でした。
診断系コンテンツに関しては、LHHのブランドプライマリーカラーの紫を、社内で「雅な色」と言っていたところからもヒントを得て、和のテイストの武将の世界観を作りました。この企画開発をゼロから生み出したのが岩佐さんです。

岩佐:武将診断は、明確に転職を意識していない潜在層の方にも楽しんでもらい、自分の長所、短所および向いている仕事に興味を持ってもらいたいと思って、診断という形式を選びました。
また、結果をSNSでシェアできるので、そういった口コミ効果もあると思い作成したのですが、多くの方がXで結果をシェアしてくださって、嬉しかったです。

木谷:「届いている」実感はマーケのやりがいでもありますよね。社内で「チームMTGのアイスブレイクに使った」という声もあがりました。

清水:イラストを描いてくださった「おく」さんは大河ドラマのイラストを担当された方で、ラフが上がってきたときチームの温度がぶわっと上がったのを覚えています。

岩佐:現在の転職活動は、情報収集や自己分析、企業研究など、多くの時間と労力を必要とする複雑なプロセスです。

特に、キャリアビジョンが定まっていない方や、自分に合った職種が分からない方にとっては、第一歩を踏み出すこと自体が難しく感じられることも少なくありません。

「武将診断」は、こうした課題を解決し、一人ひとりのキャリア形成をサポートするために制作しました。ゲーム感覚で気軽に楽しめる診断を通して、潜在的な強みや適性をわかりやすく可視化することで、自己理解を深め、主体的にキャリアプランを描きやすくなることを目的としています。

単なる性格診断ツールではなく、歴史上の武将に例えるというユニークな形式を採用することで、診断結果をより親しみやすく、興味深いものに仕上げました。

織田信長、徳川家康、上杉謙信など、時代を代表する武将16種類の中から、ご自身のタイプに最も近い武将を見つけることで、歴史上の偉人との共通点や違いを発見することができます。歴史好きな方にとっては、武将に関する豆知識なども楽しむことができ、楽しみながら自己分析を進めることができます。

また、診断結果と合わせて、イラストレーターおく氏による武将のイラストが表示されます。躍動感あふれるイラストは、武将の特徴を捉えており、見ているだけでも楽しめます。

結果として、3ヵ月で21万回診断されただけでなく、SNSを中心に面白い、役に立つと評判です。実際に診断を受けた人からは、「自分のことがよくわかった」「新しい視点で仕事について考えることができた」などの声が寄せられています。

木谷:「LINEスタンプ」は、目にしたことがある方も多いであろう、“目ヂカラ☆にゃんこ”とコラボしました。

スタンプの配布は終了しています

池田:LINEはMAU9,500万人とも言われる国内利用者最大のSNSプラットフォーム。ここで無料スタンプを配信して多くの方に使っていただくことで、まだまだ認知されていないLHHとのタッチポイントを作りたいと考えました。 

木谷:どんなスタンプが使い勝手がいいか、チームで投票等もしながら詰めました。

清水:世代によって、「あ、そっち派!?」ていうのもあって、面白かったです。

池田:スタンプのデザインに関しては、宣伝色が強すぎるとユーザーさんは使ってくれないデメリットや、プラットフォーム側の決まりもあったため、締め切り直前までみんなで意見だしあいましたよね。

ほかにも友だち登録後の初期会話の設計、ファーストビューで何を見せるか、メニューにはどんなコンテンツを置くかといった準備にも時間をかけました。はじめてLHHに接触するユーザーがほとんどだと仮定していたため、LHHの紹介動画や武将診断、マンガコンテンツを目立つところに配置し、また同時期に公式Xでフォロー&リポストキャンペーンを実施していたため、Xへ導線も確保しました。Xのフォロワー数が10万人を超えたのもこの時期でしたね。

LINEアカウントを1つの重要なオウンドメディアとして位置づけ、LHHのことを知ってもらい、興味をもってもらうためにどうしたらよいか考えながら実装しました。

木谷:結果としては200万人以上の方にスタンプをダウンロードして使ってもらうことができました。

池田:スタンプをダウンロードするためには、LHH公式LINEアカウントへの友だち追加が必要なのですが、スタンプをダウンロードした方に向けてLINEアプリ内で継続的に転職潜在層向けのメッセージ配信を行うことによって、LHHに興味をもっていただいた方をサービス登録まで繋げることも目指しました。実際にスタンプによる引きあがりは当初の想像を超える登録につながりました。

木谷:スタンプのダウンロード期間中は公式Xでフォロー&リポストキャンペーンを同時に実施したので、ソーシャルメディア間で相乗効果がうまれたことも功を奏しましたね。

古賀:LINEスタンプの威力も目を見張るものでしたが、LHHのブランド認知施策だけにとどまらず、転職希望者の新規獲得CVにつながりました。ユーザー目線に立ち、どんな会話や体験があればブランドに興味や好意をもってくれるのか、登録してみたいと思ってくれるのか、メンバー全員が自分事として考えてくれたのが良かったと思います。LINEスタンプにトライすることは、日本全国多くの方に使っていただくチャンスでもありました。進めながら日々チームで想像を巡らし、試行錯誤しながらコミュニケーション設計を最適化していきました。それはまた、LINEユーザーの動きを日々数字で追いながら、当初描いていたユーザーペルソナの解像度を高めることを意味し、LINEスタンプへの取り組みを通じて新たな知見を得ることにもつながりました。

これからブランドチェンジ、リブランドをする方に伝えたいこと

木谷:このようにブランドチェンジを行った我々ですが、もし今後ブランドチェンジやリブランドする企業の方にお会いしたとしたら、どんなことを伝えたいですか?

古賀:マーケターとして有形無形商材を問わず、ゼロ→イチで立ち上げたり、アクセレレート、グロースしたりする経験は貴重だと思います。アドバイス・・・企業の規模やフェーズ、業界などによってケース・バイ・ケースですので、あまり一般化してお伝えするようなことということはないのですが。

木谷:そこを何とか!

古賀:(苦笑)
プロジェクトはつまるところ人だと思います。何をするかではなく、誰とするか。自分一人でできることは、たかが知れています。メンバーを頼ることは、相手を信じて任せることが前提になるだけでなく、頼られるメンバーもポテンシャルを発揮できる絶好の機会に思います。メンバーを信頼し自分の関与の仕方を調整していくこと、今できないこともどうやったら実現できるか突き詰めること、自分の中のパッションを周囲に伝播していくことで、燃え尽きずやり遂げることができたと思います。

木谷:岩佐さんはいかがですか?

岩佐:頼れる人を見つけることの大切さを実感しました。
サイトのブランドチェンジプロジェクトも、サイトの構造やCMSに詳しい方に頼っていなければ、リリースに間に合わなかったかもしれないです。

池田:私の学びとしては、もともとある、認知されているブランドを変更していくことのむずかしさです。
下手したら、0から新しいブランドを立ち上げるということよりもむずかしい部分があるかもしれません。どんなに想定や準備を行っていても、突発的な案件やトラブルも起こってくるため、優先順位を決めておくことが大切だと実感しました。

木谷:確かに!
「こんなことも発生するのか!」ということも起きる中、判断基準がチームで統一されているのは大切ですよね。

清水:それは私も同感です。あの時バタバタしていて大変だったけど、このチームに来て、新しいことができてワクワクもしていたし、チャレンジって楽しいんだ、と思えました。

LHH Branding & Marketingチームのこれから

木谷:ブランドチェンジでSpringがLHHになったことは、私たちにとって節目でもあり、スタートでもありました。

古賀:物語は始まったばかりです。

木谷:HH一周年を記念して、サッカー元日本代表選手の槙野智章さんをブランドアンバサダーにお迎えした、新しいブランドプロモーションも公開となりました。


古賀:様々な場面で益々ご活躍の場を拡げている槙野さんにLHHのブランドパートナーになっていただき、2年目を迎えるLHHは今年も積極的にチャレンジを続けて参ります。

岩佐:動画撮影に同席したのですが、自然と槙野さんが場を和ませてくださって、現役時代からムードメーカーとして活躍されているのは知っていましたが、さすが品川CCトップチームの監督、チーム作りの上手さはこんなところでも現れるのか!と感じました。

木谷:動画は6月にかけて第2弾、第3弾が公開されます。多くの方に届いて欲しいです!
また、LHHのコンサルタントが登場するYouTubeも始まりました。

清水:はい!毎週第1~第4水曜日と金曜日に、転職を考えている方に有用な情報をお届けします。

清水:撮影に立ち会う中でいつも思うのは「LHHのコンサルタントは本当にすごい」ということ。常にサービス利用者さんの視点で考えているし、業界知識も豊富。だからこそ、それを世に伝えていきたいと強く思います。

池田:まさに、ですね!LHHのコンサルタントがプロフェッショナルである分、われわれもプロフェッショナルであろう、と思えます。
私は広告を担当しているので、先ほど古賀さんがおっしゃっていたように、点ではなく面で、ユーザーの頭の中に「LHHってこんな転職エージェント」というイメージが醸成されるような運用を心掛けています。もちろんCPAの低廉化もですけどね。

木谷:準備中の企画もあります。

古賀:マーケティング部として新たなことを取り込み試行錯誤の連続ですが、一歩ずつ着実にデリバリーして成果を分かちあいたいですね。

池田・岩佐・清水・木谷:はい!!!!

~fin~
次回のマーケ座談会をお楽しみに

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