見出し画像

Spring転職エージェントからLHH転職エージェントへブランドチェンジして1年。 LHH Japanマーケティングチーム座談会~前編~

こんにちは。いらっしゃいませ。このページをご覧になっていらっしゃる方は、人材業界におけるグローバル・リーディング・カンパニーのマーケティング部門が日頃どんなことを考え、どのような取り組みをしているか興味をもっていらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、日ごろブランディングやマーケティングに取り組んでいるLHHのBranding&Marketingチームが、2023年4月から展開したLHH転職エージェントブランドチェンジの裏側を語りつくす座談会の前編をお届けします。


LHHのマーケチーム担当者紹介

古賀のもと集結した、自称”少数精鋭”チーム。 チーム最大のミッションは、ブランディングとマーケティングでLHH部門に貢献すること

木谷:皆さん、本日はよろしくお願いいたします!
今だから、5名のチーム体制で、転職エージェント、就活エージェント、人財育成・再就職支援のブランディングおよびマーケティングを担っていますが、最初はこれほどの人数ではなかったんですよね。

古賀:そう言われると、非常にドラマティックでつかみとしては面白いのですが(笑)…
私が入社した2021年はコロナ禍ということもあり、企業側も人財側も暗中模索状態でした。その意味で、弊社マーケティング組織もトランジション=新陳代謝のタイミングだったのだと思います。

清水:同じタイミングで私は産休に入ったのですが、一週間前に入社したばかりの古賀さんに引継ぎしてお休みに入りました。引継ぎ書なども作成しましたが、たった1週間では時間が全然足りなかったです。

古賀:私はこれまで消費財企業でのマーケティングやブランディングに包括的に従事していたのですが、このタイミングで有形商材から無形商材のマーケターに転身しました。業界チェンジでしたので、すべての物事が新鮮でした。人生は限られた時間しかないですから、チャレンジすることは何であれ好きなのです。とはいえ、前任者はおろか引継ぎもほぼなく、初日のみ出社。毎日がリモート環境でしたので内心は戸惑いの連続でしたが、何があっても大丈夫、何とかなる、何とかすると決意していました。

入社のタイミングで、清水さんが産休に入ったこともあり、採用からスタートしました。結果、同年末に入社した池田さんが最初のメンバーとなりました。

池田:その1年後に2人目のお子さんの育休から復帰した清水さんが本部内で異動、翌2023年2月に新卒で営業に従事していた木谷さんが社内異動し、最後にLHHプロジェクトでウェブデザインをリードされていた岩佐さんが4月に本部内で異動して今に至りますね。

岩佐:今のチームに全員合流したのは23年の4月ですよね。外資ならではのスピード感というような気がします。

池田:そうですね。スタートから1年6か月、2名体制だったことを考えると、LHHになるタイミングで2名から5名に増えて、それだけで2.5倍の人員体制になったため、 人が増えた分、できること、したいこと、やれることも各段に増え、これまで以上にスピード感も増しました。

※コ・ブランディング
「共創ブランディング」「共同ブランディング」とも呼ばれる。複数のブランドを組み合わせてブランディングしていくこと。
この記事では、SpringとLHHを組み合わせたブランディングのことを指します。

いざブランドチェンジ

2023年4月、人財育成、組織開発支援、再就職支援を提供するLHHと、転職・就活エージェント(企業紹介・採用支援)のサービスブランドであるSpring Professionalがブランド統合し、LHH Japanとして新たな一歩を踏み出しました。
詳しくはこちら

木谷:ブランドチェンジをすると初めて聞いたとき、私は2019年新卒入社時からSpring就活エージェントでコンサルタントをしていたこともあり、率直に、「こないだ(2017年アデコの人材紹介から)Springになったばっかりなのに」や「LHHはアメリカでは強いけど、日本では知らない、聞いたことない人も多いし、大丈夫なの!?」や、「Spring転職(就活)という名に愛着あるんだけど!」と思っていましたが、皆さんは、このブランドチェンジに対して、どのような想いを抱いていたのでしょうか?

岩佐:私はブランドチェンジのミッションも面接時に聞いていて、それを担当する前提でアデコに入社したため、特に驚きはなかったです。

清水:長年Springのマーケを担当していましたが、外資系の企業だからこそ、グローバルで決まったことは決定事項ですし、それを自分が担当しているメール等でどうお客様に伝えるか、に切り替えました。

古賀:面接プロセスで入社前に知らされていました。実際、入社3日目にグローバル会議へ参加する機会があり、そこで未来のブランド全体像が共有されました。マーケターとして、グローバル規模のブランド統合に立ち会う機会はさほど頻繁には無いと思います。純粋に、ワクワクしました。
最初のメッセージはごくシンプルにグローバルからゴールの姿を見せられ、「ゴールへの道は国ごとに違う。最適解を考えて。」というものでした。
もちろん、その後徐々に具体的に展開されていくのですが。この時の印象をポジティブに解釈するなら、創造性やリーダーシップの発揮を期待されているといったところでしょうか。その瞬間から、1年半にわたって続く、ブランドチェンジへの未知なる旅(ジャーニー)が始まったわけです。

池田:私は異業界から転職してきてすぐ、業界や自社サービスへの理解が浅かったころにブランドチェンジのプロジェクトが始まったので、正直、不安が大きかったです。
ただ、マーケティング職でキャリアを歩んでいても、ブランドチェンジやサイトのドメイン変更にはなかなか関われるものではありませんから、新しい経験ができるチャンスだと切り替えました。

木谷:みなさん、さすがのマーケター魂ですね!
池田さんはブランドマネージャーである古賀さんのもと、ブランドチェンジの準備としてのコ・ブランディングの実務部分を担当されました。
ラジオCMや駅の広告など、従来のSpring時代のマーケティングではやってこなかったことを始めた印象です。

池田:そうですね、ラジオCMや、朝の民放ラジオ番組のコーナー提供、OOHや駅広告、WEBCMの作成などに加えて、LHHのコンサルタント1人ひとりのメール署名の変更や、オンライン会議の背景の変更など、オフラインのことも併せて進めていました。
Webや広告の力は大きいですが、日々お客さんと接している、LHHのコンサルタントのみなさんの拡散力も大切ですから。

コ・ブランディングの意義

木谷:ここで敢えての質問ですが、この、コ・ブランディング、なぜやる必要があったのでしょうか?

古賀:一言でいうと、グローバル戦略におけるブランド強化の必然性です。弊社には顧客中心主義(カスタマーアットザハート)という理念があり、世界的なブランド統合はお客様に対しての価値提供ともいえます。グループの人材紹介事業は、各国の市場環境や転職マインドセット、カルチャーなどファンダメンタルズが大きく異なることもあり、展開するサービスや名称も異なります。例えば、日本と英国ではSpring、他国ではBadenoch Clark(バーデンノックラーク)やAjilon(アジロン)Parker Lynch(パーカーリンチ)などで人財紹介事業を行っていました。
このタイミングでグローバルブランドを統一することは、コロナ禍で仕事や働くことへの意識がダイナミックに変化し、質の高い包括的なサービスが世界各地で求められるようになっていたことに、経営層がいち早くコミットした決意の表れに思います。

しかしながら、LHHはリー・ヘクト・ハリソン*(Lee Hecht Harrison)という名称で、日本では従来再就職支援事業と企業向けコーチング事業に限定したサービスを提供してきたため、ブランドタッチポイントが限られていました。その前提条件において「“Spring転職エージェント”が今日から“LHH転職エージェント”になります」と伝えても、そもそものパーセプションや認知度が異なるため、日本市場ではSpringをLHHに統合するコミュニケーションはB2C向けに混乱を招かないように丁寧に展開する必要がありました。
2017年5月に誕生したSpring転職エージェントはこれまで積み重ねてきた時間と実績に基づく信頼があります。約28,000社以上とも言われる人材サービス会社がひしめく日本のレッドオーシャン市場において、この事実は非常に強いアセット=ブランド資産といえます。
そのため、Spring転職エージェントの資産を引き継ぎながらLHH転職エージェントとして認知を広め、ブランドを浸透させるためにどのように戦うかという戦略的な視点も重要でした。
結果的に、グローバルチームと議論を経て、日本では他国の倍以上である半年をかけて段階的なPRを行うことにしました。限られた予算を有効かつ最大限に活かすという意味では、単にOOHやトラディショナルなマスメディアに出稿するだけでなく、SNSを積極的に用いて良質なUGCを拡げる攻めのPRを事業部門と一緒に展開しました。このnoteも、LHHのことをもっと多くの方に知っていただく一環として昨年開設した経緯があります。

ブランド認知の観点では6か月という期間は長いという見方もありますが、これまでSpring転職エージェントは、口コミや紹介で支持を得てきた背景もあり「知る人ぞ知る」ブランドでしたので、この時間は必要十分条件でした。
少し裏側の話ですが、LHHはグローバルブランドですので、すべてのドキュメントやコミュニケーションは英語。ブランドのバリュープロポジションなどを英語から日本語に直訳してもなかなか腹落ちしないので、この6か月は日本独自でブランドステートメントを模索し
「Who we are(ブランドやサービスの在り方)
➡Why we change(変わることの決意表明)
➡When we change(いつ変わるかの明言)
➡What we do&How we do(何をどのように提供するか)」
を決めた経緯もあります。

カスタマージャーニーやデプスインタビューも日本独自に行い、ターゲットインサイト含め全面的に見直しました。社内の「カスタマー」像が漠然としているというか、俗人的に感じたので、ブランドが新しくなるこのタイミングで輪郭を明確にしておくことが重要でした。弊社グループでは、グローバルレベルでNPS(ネットプロモータースコア)調査も盛んですが、NPSに加え、定性・定量調査を通じてファネルの再定義を行い再現性のあるマーケティングやブランディングへ落とし込みました。

認知フェーズは2段階に分け、前半の3ケ月(22年10月~2月)は、Springのノイズを上げMVVを印象的に伝える手段として、コロナ禍で再び注目を集めていたラジオを選びました。J-waveでのラジオ広告と、別所哲也さんがナビゲーターをめる朝の人気番組「Morning Radio」のコーナースポンサー(Morning Insight)で「#キャリアもライフも上がるなら」というキーフレーズでショートコントCMを作ったり、同様のキーワードやフレーズを用いて東京、大阪、名古屋の3大首都圏のターミナル駅でOOHを展開したりしました。

ラジオは好評につき翌1月以降6月まで続けました。9カ月間、求職者様からの反響だけでなく、企業人事様からの反響も頂き、営業現場からも嬉しいフィードバックを頂けたことはマーケティング部として営業貢献を実感できて嬉しかったです。広告出稿していたということもあり、私も家族も毎朝J-waveを聴くことがルーティンに変わりました。今は平日だけでなく、週末も自然とRadikoでJ-waveを聴いています。マーケターは生活者でもあり、カスタマーでもあります。自分の体験や日々の生活の中で「?」を「!」に変えていくことの大切さを改めて思いました。

また、ラジオ広告についてもう一つ印象的だったのは23年1月から3月まで放送した「#スーパーチャーハン」のCMを作った時のことです。企画会議の中で幻の販促品と化した「スーパーチャーハンの素」ですが、X(旧Twitter)ではラジオCMを聞いて「 #スーパーチャーハン 食べたい」などの反響もあって、もし実現化されていたらLHHは町中華と連想されていたかもしれません(笑) 

サイトリニューアルプロジェクト

木谷:このブランディングプロモーションと並行して、SpringのWebサイトをLHHへ作り変えるPMが、岩佐さんでしたね。

サイトの外観ががらりと変わりました

岩佐:さっき、ブランドチェンジ自体には驚かなかったと言いましたが、実際の作業に入ってみたらびっくりすることが様々ありました(笑)

木谷:びっくり、とは…?(笑)

岩佐:移管するプロジェクト自体は11月~スタートしたんですが、このプロジェクトで最も苦心したのは、関係者間の調整でした。

プロジェクトには様々な部署から担当者が参加しており、それぞれ異なる意見や要望がありました。これらの意見を調整し、プロジェクト全体の方向性を統一することに苦労しました。

具体的には、サイトマップ作成、WBS策定、サイト内表記統一、各部署で使用しているツールの洗い出しなどを行い全体を把握することからスタートしました。

他にも、時間的な制約や予算的な制約もあったり、アデコグループのもう一つのブランド(AKKODiS:アコーディス)もLHHと同じ4月3日にブランドチェンジすることが決まったりなど。
しかし、チーム一丸となって取り組むことで、これらの課題に対応することができました。

清水:岩佐さん、タスクと必要予算と人員の洗い出しという、プロジェクトの計画から、実際に手を動かしてサイトをつくるところまでやっていましたね…

池田:制作の部分はベンダーさんにお任せする企業もある中、ブランドカラー、ビジュアル、使えるイラスト、何から何までほとんどを手作業で、本当にお疲れ様でした。

岩佐:いえいえ、確かに直すページ数が膨大すぎて空を見つめた時もありましたけど(笑)
他に注意した点としては、単純にブランドカラーを変えるだけでなく、色によって読みやすさが損なわれる箇所や視覚的なバランスが崩れる箇所を慎重に修正しました。

テキストと画像の配置、余白の調整、フォントサイズの調整なども行いました。他にも情報構造、レイアウト、アクセシビリティ、ブラウザ対応、既存コンテンツとの整合性などを調整することで、ユーザーにとって少しでも使いやすく、魅力的なWEBサイトを目指しました。

・・・・・・・・・・

まだまだ続くLHH Branding & Marketingチーム座談会、続きは後編でお届けします。

☆気になる後編の内容はこちら☆
①グローバルとの調整業務
②ピンチ!サイトトラフィックが激減!
③起死回生の新R25、NewsPicks企画
④波に乗れ!武将診断、LINEスタンプ
⑤これからブランドチェンジ、リブランドをする方に伝えたいこと
⑥LHH Branding & Marketingチームのこれから

☆関連記事☆

☆LHHについてもっと知りたい方へ☆


この記事が参加している募集