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葬舞師と星の声を聴く楽師【完結】

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新連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』のマガジンです。中世西アジア風の架空世界を舞台にしたBL小説。伝統的な舞師と楽師の過去の因縁、ある宮廷舞師の思惑、国同士の勢力争い。様々な運…
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#BL

葬舞師と星の声を聴く楽師 (1〜7話)【創作大賞2023応募】

葬舞師と星の声を聴く楽師 (1〜7話)【創作大賞2023応募】

長編小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』です。 #創作大賞2023 #オールカテゴリ部門 に応募いたします。本作品のジャンルはBL(ファンタジー)小説。全47話、文字数は18万字です。
本記事では、あらすじ、登場人物、第1話〜第7話までを掲載し、末尾に第8話のリンクを貼ります。それ以降はリンクが繋がるように整えてあります。



あらすじ舞台は中世西アジア風の架空世界。ファーマールという名の帝国、ラ

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葬舞師と星の声を聴く楽師 【読書ガイド】

葬舞師と星の声を聴く楽師 【読書ガイド】

『葬舞師と星の声を聴く楽師』マガジン

【前話の振り返り】ラスト3話はぜひ本文でお楽しみください!

【登場人物】アシュディン
宗教舞踊ダアルを生業とする帝国伝統舞踏団の正統継承者の青年。第12代正統を務めるはずだったが、不当に団を追放されて旅をしている。痩身の美形は「伝説の踊り手の血統を証明するもの」と噂されるほど。心根は真っ直ぐだが、向こう見ずで喧嘩っ早い一面もあり。

ハーヴィド
移動民族の

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扉絵完成『葬舞師と星の声を聴く楽師』

扉絵完成『葬舞師と星の声を聴く楽師』

この度、拙著・長編小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』に扉絵を描いていただきました!

本作は、中世西アジア風の架空世界を舞台に、帝国伝統舞踏団を不当に追放された天才舞師アシュディンと、その舞踏団に因縁を抱える放浪楽師ハーヴィドが出逢い、互いに切磋琢磨し、呪いとも言える過酷な運命に立ち向かっていくBLファンタジー小説です。
そんな作品の扉絵がコチラでございます↓↓↓

細村さん、たいへん素晴らしい絵を

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嬉しい!ファンアート!

嬉しい!ファンアート!

ふたたび、拙著『葬舞師と星の声を聴く楽師』にファンアートを寄せていただきました!!

↓コチラです↓
作画・笑い猫(細村 誠)さん

あ、あ、あ……アシュディーーーーン!
(本編33話の衛兵らの如く飛びつく作者)
本物です、本物ですよ!! アシュディンが本の中から飛び出してきました。溢れんばかりの自信と美と可愛らしさ。これぞ第12代正統舞師(にはならなかった)にして宮廷の人気者!
アシュディン、万

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初体験!ファンアート!

なんと拙著『葬舞師と星の声を聴く楽師』にファンアートを寄せていただきました!
人物を描いてもらったのは初めての経験で、見つけたとき「ふぁ!?」と声が出ました。

↓コチラです↓
作画・笑い猫(細村 誠)さん

主役の青年舞師アシュディンくんですね!
29話で舞った〈風向きを予見する舞楽〉にピッタリの雰囲気です。表情にはひたむきさの中に儚さも感じられ、絵師さんの繊細な技巧には驚かされるばかりです。

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1  舞師の青年 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

1 舞師の青年 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』です。
全体のあらすじ、登場人物紹介、用語解説、前話までの振り返りなどは↓の記事をご覧ください。

1 舞師の青年

「かわいそうに。もう丸三日も、ああして墓の前に座り込んでるんだ」
 壮年の男の言葉に旅人は眉をひそめた。その墓は村落の外れのうら寂しい荒地にあった。墓といっても、土を盛り、木の枝を立てただけの貧相なもので、枝は真っ直ぐでなく、短く、無様だった。

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5  砂嵐を越えて行け 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

5 砂嵐を越えて行け 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』です。
前話の振り返り、あらすじ、登場人物紹介、用語解説、などは【読書ガイド】でご覧ください↓

前話

5 砂嵐を越えて行け

 空の青が地平線に向かって白みを帯びていく。色はその果てで折り返し、黄土色に変わってこちら側に迫ってきていた。広大無辺の土砂漠。丘や隆起が緩やかな影を落とし、地面には所々にひび割れが見られた。どこまでいっても同じような光景だったが、

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6 プレイ・イン・オアシス 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

6 プレイ・イン・オアシス 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』です。
前話の振り返り、あらすじ、登場人物紹介、用語解説、などは 【読書ガイド】でご覧ください↓

前話

6 プレイ・イン・オアシス

「行くぞ! しっかり息を止めてろよ〜」
 アシュディンの言葉を合図に、ザインは大きく息を吸って口を目一杯膨らませた。つぐんだ唇がとても愛らしい。アシュディンはにやにやしながら少年の脇の下に手を入れると、ふたりは勢いをつけて水

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7 三日月に架け橋 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

7 三日月に架け橋 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』です。
前話の振り返り、あらすじ、登場人物紹介、用語解説、などは 【読書ガイド】でご覧ください↓

また今話はnote神話部にも参加しますので、記事末尾の解説までお読み頂けたら嬉しいです!



前話

7 三日月に架け橋

 何でもない土地を舞台へと一変させる。この点においてアシュディンは生来、比類なき才を有していた。湖を取り囲む植物の途切れた一隅。適度な湿

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8 黄金樹を抱く男 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

8 黄金樹を抱く男 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』です。
前話の振り返り、あらすじ、登場人物紹介、用語解説、などは 【読書ガイド】でご覧ください↓

前話

1〜7話

8 黄金樹を抱く男

 オアシスを発ち、丘をひとつ越えると、道の両脇が次第に緑を帯びていった。斑状に散らばる草原に泥沼、砂漠よりも雑然としたステップが広がる。陽射しはその手を緩めていた。ぐっと過ごしやすくなった地域を、アシュディンたちは北に向か

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9 西の無神論者たち 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

9 西の無神論者たち 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』です。
前話の振り返り、あらすじ、登場人物紹介、用語解説、などは 【読書ガイド】でご覧ください↓

前話

9 西の無神論者たち

 突然の轟音にアシュディンは身を硬直させ、ザインは驚いてその場で尻餅をついた。あまりの大音量と森の反響で、ふたりにはその音がどこで鳴ったのか全く分からなかった。
 突如、荒地の中央にいたハーヴィドが、森の一方へと駆け出した。
「おい

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10 生きて、生きた木と 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

10 生きて、生きた木と 【葬舞師と星の声を聴く楽師/連載小説】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』です。
前話の振り返り、あらすじ、登場人物紹介、用語解説、などは 【読書ガイド】でご覧ください↓

前話

10 生きて、生きた木と

 アシュディンはその巨体をテントの内まで引き摺り込んだ。肩で荒い呼吸を繰り返すハーヴィド。服をはだけさせると、左右の脇腹に痛々しく広がる内出血を認めた。片方の胸は歪にへこんでいる。
「肋骨がメタメタに折れてる。まさか、肺にまで…

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11 もう舞ってるんだ! 【越境の章・最終回/葬舞師と星の声を聴く楽師】

11 もう舞ってるんだ! 【越境の章・最終回/葬舞師と星の声を聴く楽師】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』です。
前話の振り返り、あらすじ、登場人物紹介、用語解説、などは 【読書ガイド】でご覧ください↓

前話

11 もう舞ってるんだ!

 象牙色の帯が床にとぐろを巻いている。マントを細く切り裂いて作ったそれは、アシュディンとザインの合作だった。
 アシュディンは帯を手にハーヴィドの後ろで膝立ちすると、右、左、右、左、と両脇を往復しながら、胴に丹念に巻いていった。

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越境の章(1〜11話)振り返り【葬舞師と星の声を聴く楽師】

越境の章(1〜11話)振り返り【葬舞師と星の声を聴く楽師】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』の第1章〈越境〉の振り返り記事です。作品自体は長くてなかなか読めないという方に向けて書いています。サラッと見て頂けるだけでも嬉しいです!

本作には、同性愛の内容、過度ではないにせよ性的表現・暴力表現が含まれております。これらには差別・暴力を肯定し助長する意図は一切ございません。
また今後、該当話ごとにネット小説レーティング同盟の定義に対照させたR指定をつけるこ

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