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越境の章(1〜11話)振り返り【葬舞師と星の声を聴く楽師】

連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』の第1章〈越境〉の振り返り記事です。作品自体は長くてなかなか読めないという方に向けて書いています。サラッと見て頂けるだけでも嬉しいです!

本作には、同性愛の内容、過度ではないにせよ性的表現・暴力表現が含まれております。これらには差別・暴力を肯定し助長する意図は一切ございません。
また今後、該当話ごとにネット小説レーティング同盟の定義に対照させたR指定をつけることにしました。ご参照の上、苦手な方は鑑賞をお控え頂くようお願いいたします。(1〜11話は指定なしですので安心してお楽しみください)


【登場人物】

アシュディン
宗教舞踊ダアルを生業とする帝国伝統舞踏団ダアル・ファーマールの正統継承者の青年。不当に団を追放されて旅をしている。痩身の美形は「伝説の踊り手の血統を証明するもの」と噂されるほど。心根は真っ直ぐだが、向こう見ずで喧嘩っ早い一面もあり。

ハーヴィド
移動民族ロマ出身の流浪の楽師。11本の弦を指で掻き鳴らす木製撥弦楽器ヴィシラの弾き手。芸道にストイックで、長旅のため頑強な体つきをしている。樹をはじめとして自然をこよなく愛する男。
帝国伝統舞踏団ダアル・ファーマールとも何か関係が?

ザイン
ファーマール/ラウダナ国境付近の村落の少年。母を亡くしたことで、ラウダナ国に住む親戚の家に預けられることになり、アシュディン、ハーヴィドと共に旅を始めた。おっとりとした性格。

村役の男
ザインの故郷の村の代表。村の些事や、旅人や行商人の世話を任されている。

西の砲兵たち
西の方角に存在を囁かれている謎の国家の兵士たち。あちこちで兵器の演習をしている。

【各話の振り返りとリンク】

第1章 越境

1話「舞師の青年」
美しい容姿を持つ青年アシュディンは旅の途中で或る村落を訪れた。彼は伝統舞踊ダアルの舞師で、母を亡くした少年のために葬送の舞を披露する。少年は心を開き、村人たちは彼の舞に深い感銘を受ける。しかし偶然訪れていた楽師の男だけは、アシュディンの舞をこき下ろした。

2話「流浪の楽師」
アシュディンは村落に響く謎の音を辿って、寝泊まりする予定の宿舎へと向かった。そこではハーヴィドと名乗る楽師が古楽器を奏でており、アシュディンはその不思議な音色に心惹かれる。楽器に触れようとするもハーヴィドに拒まれ、また夕刻に舞ったダアルについても修練不足を厳しく指摘された。

3話「難航する交渉」
舞師アシュディンはダアルの修練に明け暮れ、母を亡くした少年ザインはその真似事を始めた。ある日、待ち望んでいた行商人らが村落を訪れたが、アシュディンは目当ての駱駝を買えず、楽師ハーヴィドもまた必要としていた木材を買えなかった。そんな中、村役の男がふたりの前に現れて「相談したいこと」があると言った。

4話「優しさよりも刺激を」
村役の男の相談とは、母を亡くした少年ザインをラウダナ国の都へと連れていってほしいというものだった。ザインに懐かれていたアシュディンと、旅に必要な駱駝を持つハーヴィドは、ふたりでその依頼を受けることになる。めいめいが違う目的で、目的地を同じにする3人の旅が始まった。

5話「砂嵐を越えて行け」
ラウダナ国へ向けて広大な土砂漠を抜けていく三人。歩きながら交わす会話の中で、アシュディンは帝国伝統舞踏団の一員だったことを、楽師ハーヴィドは移動民族の出身であることを明かした。何度か砂嵐に襲われ、その度にハーヴィドが身を挺して一行を守る。疲労に襲われながらも、三日月の夜までにオアシスへの到着を目指す。

6話「プレイ・イン・オアシス」
オアシスにたどり着いた一行、アシュディンとザインは湖で水遊びをして時を過ごした。それは単なる〈あそび〉にとどまらず〈禊〉でもあった。ザインの母を弔うための「三日月の儀」を目前にして、ハーヴィドは葬舞の演奏に参加すると言い出した。アシュディンの戸惑う心を置き去りにして、宵が訪れ、儀式の舞台が用意された。

7話「三日月に架け橋」
「三日月の儀」が始まった。スファーディ教の詩文に乗せて、舞師アシュディンと楽師ハーヴィドの息のあった演技が披露される。しかし過酷な舞に、終盤でアシュディンの脚に限界が来てしまう。倒れそうになるのを助けたのはハーヴィドの弾き奏でる音色だった。疑問を残しながら、儀式は無事に幕を閉じた。

8話「黄金樹を抱く男」
オアシスを発った3人はハーヴィドの発案により北のステップ地帯を進んでいた。その先にあるマホガニー樹林が目的地だ。マホガニーは先住民の神木であり、ハーヴィドの楽器・ヴィシラに用いられている木材だった。しかし3人を待ち受けていたのは、乱伐されて大地ごと枯れ果てた樹林の姿だった。哀しみに暮れるハーヴィドをザインが慰めたとき、突然の轟音が森を襲った。

9話「西の無神論者たち」
轟音の正体は大砲の砲撃だった。撃ったのは西の国の砲隊たち。ハーヴィドは森に仇をなす彼らを咎めようと勇み出た。一方、アシュディンはザインを逃すために森を駆け抜けた。スコールに襲われながらも、なんとかテントまで辿り着くが、ハーヴィドはなかなか帰ってこない。ようやく姿を現したハーヴィドのマントは血塗れで、彼はアシュディンの目前で喀血して倒れてしまう。

10話「生きて、生きた木と」
生死の境を彷徨うハーヴィドは最期の頼みと言ってアシュディンを抱きしめた。そこには生きたマホガニー樹林に出逢えなかった深い哀しみが秘められていた。必死で励ますアシュディンも遂には眠りに落ちてしまう。翌朝、少年ザインが目にしたのは、穏やかな呼吸で眠るハーヴィドと寄り添って寝るアシュディンの姿だった。

11話「もう舞ってるんだ!」
ハーヴィドの怪我は砲兵たちの暴行によるものであった。生命の危機からなんとか持ち直したハーヴィドに、アシュディンは自身の旅の目的と過去を打ち明ける。恋人や姉に裏切られたことが原因でダアルをやめるつもりだった、と。そんなアシュディンに対し、ハーヴィドは次の道が見つかるまで付き合うと言った。三人は気持ちを新たにして、いよいよラウダナ国都へと向かう。


明日の昼頃、三人はついに
ラウダナ国都に突入!
狂逸奇抜な人達が待ち受けています
どうぞお楽しみに!!


【読書ガイド】

前話までの振り返り・あらすじ・登場人物紹介・用語解説など、作品をより楽しむための情報を載せています。物語の進行に伴って加筆する形で記事を更新しており、毎話リンクを貼っています。

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