見出し画像

6日間で巡るポルトガル旅行モデルコース、の一例①リスボンとシントラ編

なぜ2月下旬のリーディング・ウィーク(中間試験の勉強や課題レポートの作成のために授業が休講となる1週間のこと)にポルトガルに行こうと決意したかというと、全部ヨルゴス・ランティモスとエマ・ストーンのせい、つまり映画『哀れなるものたち』を見てしまったせいであったことは、以前書いた以下の記事を参照してほしい。

とにかく、空中を飛び回る黄色いトラム、生牡蠣を追いかける白ワイン、そしてリスか!ってぐらいパステル・デ・ナタ(エッグタルト)を頬張りたかった。それに、ロンドンが寒かったのもあって、太陽を浴びたい欲求が強まっていたというのもあったと思う。
本当は9日間ぐらいで計画を立ててたんだけど、ちょうどジュディス(・バトラー)の講演会がその直前に入ってたので、それに出席してその翌日に渡葡って感じだったので、結果としては6日間の旅行となった。普段のペースからすると、「ロス・オブ・コンタクト」で累計2枚のレッドカードをもらった失格ギリギリの競歩といった体感で、もしリスボンとポルトの2都市を巡るのであれば、8日から10日程度が理想的と言える。
それにしても、ジュディスのカフカ論、特に『掟の前で(/掟の門前/道理の前で、何でもいいけど)』を巡る旅も魅惑的だったな。『ジェンダー・トラブル』でもその本のデリダの読解を取り上げていたと思うけど、その肉声を通した言葉にはやっぱり説得力があったな。やっぱりなんだかんだ身体性なんだよね、結局。まぁ、いいや、そんな話は。


6日間のモデルコース、の一例

こんな感じの旅程でした。この前編では最初の3日間、つまりリスボンとシントラについて書いて、後編でポルトについてを書いていきます。

リスボン

1日目
10時:リスボン空港到着
11時:ホテルチェックイン
12時:Cervejaria Ramiro(セルヴェジャリア ラミロ)で昼食
14時:リスボン市内散策
17時:Bairro Alto付近で飲み歩き(Leve Leve - Tapas Bar)
19時:Sputnik Craft Beer Bar Lisbonでクラフトビール

2日目
9時:The Bifanas of Afonsoで朝食
10時:サン・ジョルジェ城(São Jorge Castle)
11時:LX Factory(工場跡地を利用したアート系複合商業施設)
12時:Taniteでビール
13時:Pastéis de Belémでおやつタイム
13時半:ジェロニモス修道院(Jerónimos Monastery)
14時:発見のモニュメント(Monument to the Discoveries)
14時半:ベレンの塔(Belém Tower)
15時:MAC/CCB(現代美術館/ベレン文化センター)
16時半:アルジュべ政治歴史博物館(抵抗と自由の博物館)
18時:Pizzaria Tapas La Casaで夕食
20時:A Ginjinhaでサクッとさくらんぼリキュール
21時:LisPoa Craft Beerでクラフトビール

シントラ

3日目
10時:リスボン・ロシオ駅(Lisboa Rossio)からシントラ(Sintra)へ
11時:レガレイラ宮殿(Quinta da Regaleira)、宮殿内カフェで早めの昼食
14時:ペーナ宮殿(Pena Palace)
17時:Metamorphosisで夕食
20時:Bairro AltoのJam Clubで数杯
22時:A Ginjinhaでサクッとさくらんぼリキュール

ポルト

4日目
11時:リスボンのホテルチェックアウト
12時:リスボンからポルトへ移動
15時:ポルト着、ポルトのホテルチェックイン
16時:ポルト市内散策
17時:A Fábrica da Picariaでビール
18時:Muu Steakhouseで早めの夕食
20時:Bonaparte Downtownでギネス

5日目
10時:世界一美しい駅、サン・ベント駅(Porto São Bento)
11時:ポルト大聖堂(Porto Cathedral)
12時:ドン・ルイス1世橋(Dom Luís I Bridge)
13時:Ribeira Squareで昼食
14時:ポルト市内散策
16時:セラルヴェス現代美術館(Museu de Arte Contemporânea de Serralves)
18時:Letraria Portoでビール
20時:Farinhaで夕食
22時:Torto - Bar & Cocktailsでポートワイン

リスボン

6日目
11時:ホテルチェックアウト
12時:ポルトからリスボンへ移動
15時:リスボン着、空港に移動
18時半:リスボン空港発

1日目:リスボンで行くべきとこ

さて、まずはリスボン。私は土地勘がなかったので、地下鉄の最寄駅がMartim Moniz駅のホテルに陣取ったが、もう少し南下したBaixa de LisboaかBairro Altoあたりで探せばよかったと後悔している。というのも、大体行くべきとこ、やるべきこと、食べるべきものはその辺に集中しているし、次に紹介するSintra(シントラ)への日帰り旅行もLisboa Rossio(ロシオ駅)から出発するからである。
朝便だったこともあり、初日はお昼前にはホテルへチェックイン。そのままちょっとリスボンの街を散策して、12時のオープンに合わせてCervejaria Ramiro(セルヴェジャリア ラミロ)へ。友人からもリスボンで1番美味しいシーフードレストランとオススメされてたとこで、念願のフレッシュオイスターを白ワインで追いかけさせるやつをやってやった。にしてもここのガーリックトースト、絶品だったな。

リスボンを散策
空を飛ばない方の黄色いトラム
もう少しで飛びそうな黄色いトラム
コメルシオ広場

レストランの店員さんからBairro Altoに良いバールがたくさんあるということを聞き、街を散歩しながら向かう。Leve Leve - Tapas Barってとこのイワシのタパスをビールで流し込み勝利をもぎ取った。

夜、ふらっと立ち寄ったクラフトビール屋(Sputnik Craft Beer Bar Lisbon)さん
が最高だった。

2日目:リスボンで食べるべきもの、行くべきとこ

2日目。朝はThe Bifanas of Afonsoのポーク・サンドウィッチを食べながら、目指すはサン・ジョルジェ城(São Jorge Castle)。


あいにくの天気でしたが、こんな感じ。
サン・ジョルジェ城はマストかな。

バスに乗って、LX Factoryっていうアートセンター?へ。あんまり期待していなかったが、良い感じの本屋さんがあって非常に参考になった。近くの良さげなカフェレストランがあったのでそこでサクッとビール。それにしても、あのちょっと小さいグラスで飲むSuperBockは何であんなに美味しいのだろうか。

そこからまたバスに乗り、元祖エッグタルトの店、Pastéis de Belém(パスティス・デ・ベレン)へ。これが、これまで食べてきたエッグタルトが、実はエッグタルトではなかったのかもしれないと思うほどの衝撃だった。まぁ、これで『哀れなるものたち』を見て、リスボンでやりたかったことは全てやり尽くしたことになり、目標が達成されたことで残りはボーナスステージって感じになった。

そのあとは、ジェロニモス修道院、発見のモニュメント、ベレンの塔がそのPastéis de Belém(パスティス・デ・ベレン)の近くにあったのでサクッと観光した。もし、もう1日か2日あれば、ジェロニモス修道院もじっくり見たかったと思う。やっぱりリスボンだけで最低3日は欲しい。4日あればもう少しのんびりと観光できただろうと思う。
MAC/CCB(現代美術館/ベレン文化センター)がただ近いという理由で寄った割には良かった。マッソンの「鳥に襲われた女」っていう1943年の作品が非常によかった。見入った。まるでバタイユとオカモトを媒介しているような作品だった。
そのあと、リスボン市内に戻って、閉館ギリギリで入れたアルジュべ政治歴史博物館(抵抗と自由の博物館)も良かった。

1974年4月25日、テストに出るらしいです。

夕食はPizzaria Tapas La Casaでピザ。まぁ、美味しかったです、お腹も空いていたこともあり。あとオーナーさんが気さくな方で、「飲めるんだったら、これも、これも」と色々リキュールを奢ってもらいました。

最後、寝酒に、とA Ginjinhaでサクッとさくらんぼリキュールのショットを飲み干し、ホテル近くのLisPoa Craft Beerというクラフトビール屋さんで数杯。前日のSputnik Craft Beer Bar Lisbonよりもこっちの方が雰囲気も味も良かった。種類は少なかったけど。

3日目:シントラで行くべきとこ

結論からいうと、2日間でリスボン観光をそそくさと終え、日帰りでシントラに行ったことは英断であった。もし、シントラに行こうか迷っている方がいれば、どうにか1日空けてシントラに行くことをオススメする。むしろシントラおよびペーナ宮殿がポルトガル旅行のメインで、リスボンはその経由地に過ぎないと言っても過言ではない(いや、過言である)ぐらい、達成感と充実感がある。前日飲み過ぎで早起きできなかった自分を今は責めたいぐらいである。
リスボンの中央駅みたいな位置付けのロシオ駅(Lisboa Rossio)から電車で40分ぐらい、しかも片道5€しなかったと思います。まずはシントラに着いてすぐにレガレイラ宮殿内のカフェで早めのランチ。

通過儀礼のための井戸という非常に村上春樹チックな地下塔があるレガレイラ宮殿。まるで深淵もまたこちらをのぞいているように、意識が潜っていくと無意識に出会うように、そして超自我がダイブしてエス(イド?!イドではないか!!)と出会うように、深いイドの底にはリビドーが流れ込む。。。そんな地下塔がレガレイラ宮殿には、ありますっ!

宮殿自体も綺麗でした。

そして、ペーナ宮殿。圧巻であった。まずは道中。まぁ、要は「山の上の城」系の観光名所ですから、普通はバス・タクシーや自家用車を使って近くまで登って観光するみたいでしたが、こちとら冬のロンドンの寒さで凍てついてしまった身体が「久しぶりの日光浴を楽しみたい」と申し出てきてからのポルトガル旅行ですから、もちろんハイキングとトレッキング間ぐらいの難易度の山登りを楽しむわけですね。これも良かった。そして、疲れてきたな、と思ってたらこれですよ、これ。こんな景色が舞い込んでくるわけです。

ペーナ宮殿内へは入場チケットは30分おきの時間指定があるにもかかわらず長蛇の列なんですけど、正直時間がない人は入らなくてもいいと思います。別に宮殿の外観、つまり上の写真の範囲であれば外からでも見れますし、むしろ宮殿内に入ると驚くことに宮殿が見えないのです!なんでなんでしょうかね。一応、私は宮殿内に入りましたしその写真も撮りましたので、最後は自分の眼で判断してくだい。私は正直外でボーッと宮殿の外観を愛でる方が好きですし、近くにカフェもありますからそこでコーヒー飲みながらまったりしてました。

夕食はシントラ駅(Sintra Station)近くのレストラン、Metamorphosisというところ。Tascantiga、Incomum、Café Saudadeってところも評判良いみたいでしたが、地理的と時間的な制約でこのMetamorphosisというレストランにしました。割と美味しかったと思います。

リスボンに戻ってもまだ夜が若かったので、Bairro Alto気になってたバールレストラン、Jam Clubに突入。初日に覗いてみたところ、すごい混んでいて入れなかったし、その日も「カウンターしか空いてないけどいいかい?」的に激混みな飲み屋さん。ギター一本流しおじさんの生演奏もあり、調子に乗って飲み過ぎてしまった。ここは、本当に最高のお店だったなぁ。

まだ若いリスボンの夜とサン・ジョルジェ城(São Jorge Castle)

そして、定番、寝酒にA Ginjinhaでサクッとさくらんぼリキュールをクィッとやって就寝。と思ったら、この写真の30分後に全く記憶にない知らない画家のスケッチブックと絵葉書の写真が私のスマホに収められていたことはここだけの内緒。

A Ginjinhaでクィッと一杯できるようになるとリスボンマスターの道が開けるぞ

↓↓後編のポルトはこちらから↓↓


お読みいただきありがとうございました!この記事がいいな、ためになったな、と思った方がいたらこの下にある「スキ💖」ボタンを押していただければ幸いです。また、記事についてのコメントがある方や、時間の無駄だったな、とか、使い用がないなと思った方は、その横の「コメント💬」ボタンを押していただき、ご感想・ご批判をいただければと思います。定期的に記事を書いていきと思いますので、もしよろしければ下のプロフィール欄にあるボタンから「フォロー」していただければ最高に嬉しいです!最後に、記事のサポートもお待ちしております!ありがとうございました。

そのサポートは投資でもなく、消費でもない。浪費(蕩尽)である。なぜなら、それは将来への先送りのためでも、明日の労働のためでもなく、単なる喪失だからである。この一瞬たる連続的な交感に愛を込めて。I am proud of your being yourself. Respect!