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2023年5月の記事一覧
明日が来るまで遊んで待つ
夜風が何とかしてくれると思って部屋の窓を開けた。
あれこれ考えるのが嫌になって、この窓から外に出るんだ。
逃げるんじゃないんだよ。
すこし遊びに出るだけだから、そんなに心配しないで。
たまにやってることだから大丈夫。また帰ってこれるはずだよ。
イヤフォンを耳に入れる。Bluetoothは便利だ。
お気に入りでも誰かのプレイリストでもいいから、今日の声を探す。
ベースがブンブン震えてピアノがはじけ
寝起きも寝る前も、大差はない。
あたたかい陽射しが右の頬に当たり、欠伸をする。少し痛さを感じるくらいに口を大きく開け、「くぁー」とわざと音を出してする。猫が欠伸をするときは、そんなふうに野生味たっぷりの表情をするものだから、自分もネコになると決めた日からそうすることにした。
6時55分。
車内のデジタル時計に目をやってからシートに寄り掛かり、それから首の辺りの伸びをした。気が付いたらこんな時間になっている。
すこし眠っていた
ポケットにしまった記憶
海岸沿いに見晴らしの良い休憩所がある。
車が20台くらい止められる駐車スペースとトイレ。それと、そこからちょっと歩いていける屋根のついた休憩ベンチ。その一帯を区切るように囲む柵が、青く広がる海の迫力を一層盛り上げている。
天気は、やや曇り。
運転中にかかってきた電話に折り返すために、そこに駐車した。
若者が4台並べて駐車して、車外にでて楽しそうに談笑している。会話の内容までは聞こえないが、最近上
見るためには瞳を閉じる。
退屈をつまみに昼寝をする。こんな贅沢が許されるのは平和だからだろう。
こうやって眠気がするときが丁度いいのだが、今日、新しい趣味を見つけた。
目を軽く瞑る。軽くだ。普段かけてる眼鏡もおでこに乗せてしまおう。閉じた視界は暗い感じはしない。ただ閉じた瞳の前にうっすらと光と熱を感じる程度に、静かに心を保つ。
そうしていくと、呼吸と一緒に光の道筋というか過去に瞳が写したのかもしれない残像のようなものが浮か