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【中高生のみんなへ】受験英語を勉強している自分に誇りを持ってください。

こんにちは、語学の裏設定のゆうです。

今日は受験英語の忘れられている価値についてお話しようと思います。

今、中学生だったり高校生だったりするみんなは、
学校で英語を勉強していてあまり良い気分ではないと思います。

なぜなら、

受験英語は会話につながらないから意味がない
という大人たちの主張が世の多数派になっていて、
そんな批判の的になっている受験英語を必死に勉強しなくてはならないのですから。

本当にそうですか?

エイカイワより、受験英語の方が価値が低いのでしょうか?


これからお話することのポイントを3つにまとめますね。

・受験英語 = 英語 + 教養
・エイカイワ = 受験英語 - 教養 
・受験英語は思考力を高めてくれて、エイカイワは脳を腑抜けにする

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まず、カタカナで書いた「エイカイワ」の意味を手短に説明させてくださいね。

受験に出てくるお硬い英語だろうが、砕けた英語だろうが、発話によるコミュニケーションをしている限りそれは英会話と呼ばれます。そういった、一般現象と対比して、

「誰でも分かるような簡単な言葉で・ネイティブがよく使う言い回しで、シンプルに会話しよう」

という種類の英語を勧める態度のことを
この記事ではエイカイワと呼ぼうと言うわけです。


今受験英語を学んでいる皆さんに、
1つ覚えておいて欲しいことがあります。


それは、受験英語は思考力を磨いてくれることです。


考えてみて下さい。

高校を卒業してから
高校生時代以上に勉強を続けている
大学生が、大人が、
皆さんの周りにどれだけいますか?

中には本すら読まなくなた大人もいることでしょう?


そういった大人たちにとって、
思考力の高度な運用を必要とする受験英語なんて、
難しくて太刀打ちできないのです。


この世は大人の事情によって動いています。
エイカイワがこんなにも覇権を得ているのは、
「頭を柔らかくしよう」という主張を通り越して、
頭がふにゃふにゃになった大人たちの都合です。


そういう前提を頭に入れてこの続きを読んでみて下さい。
今勉強している受験英語が、
恥ずかしすぎて払い落としたい埃から、
胸の中に刻んでおきたい誇りに変わることでしょう。

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・受験英語とエイカイワの違いは思考力

細かい説明は後回しにして、
受験英語の例文と
エイカイワの教科書の例文を比べてみましょう。


【受験英語:慶應義塾大学の入試問題より】
Frank talks between young people and people who are older than their parents are often prevented from going smoothly by the thing that is called generation gap.
(若い人々と、彼らの親より年上の人々との間で行われる率直な会話は、ジェネレーションギャップと呼ばれるものによって、しばしば円滑な進行を妨げられる)


【エイカイワ】

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いや、そもそも慶應義塾大学の英語と語学学校の教科書の比較ができるのか?

という質問が来るかもしれない。

それに、
中高生だって、
語学学校レベルのことは勉強するじゃないか!
だからその比較は間違っている。

という反論も来るかもしれない。


そういうことは重々承知で、
あえてその比較をしました。
なぜなら私が言いたいことは、

受験英語は最終的に、思考力を必要とするレベルの英文の学習に到達するが、エイカイワは基本的に、思考力を必要としない英文止まりであるということだからです。


上の2つの比較は、
受験英語とエイカイワの最終目的地の比較だったのです。


エイカイワでは、上の教科書レベルのような思考体力を必要としない英語ができていたらそれで「合格」になるし、その域の英語を流暢に話すことが最終ゴールとされる風潮すらあります。


当然です。
勉強することを放棄した大人たちの英語ですもの。

そんな大人たちが社会を構成し回しているので、
お金を持っているのは大人たちで、
イコール、英語の教材を買ってくれる層です。
ゆえに英語教育業界は彼らのレベルに合わせた広告を打ち出し、
勉強不足の大人たちに響くように、
エイカイワ=善というメッセージが込められた広告が、
社会の至るところで見られるようになります。

子供は大人を見て育つと言いますが、
大人がエイカイワ、エイカイワと唱えているので、
思考力を鍛えなければならない年代の子たちも、
エイカイワ、エイカイワと唱えるようになるわけです。

学生のみなさま。
勉強を放棄した大人の都合の良い甘い言葉に耳を貸さずに、
受験英語に取り組んでまず思考力を鍛えましょう。


「英会話」なんて後からでもできます。
順番を間違えてはいけません。
思考力が先です。

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以前こんな言葉を聞いたことがあります。

人前で口を開く時、
その人が物を知っている人間なのか、無知な人間なのか、
そのどちらかを露呈する。


露呈(ろてい)なんて難しい言葉を使わずに言い換えれば、

人前で話す時、どちらかの印象を人に与えます。
・自分はバカであるか
・自分はバカじゃないか


となるわけですが、
受験英語をやらずにエイカイワだけをやれば、
思考体力が無い会話しかできない人間になってしまいます。


誰もバカだと思われたくないでしょう。


エイカイワをするための口の運動をする前に、
思考を磨くための脳の運動をするのが先、
というのが道理ではないでしょうか?


・受験英語は、英語+教養


受験英語は思考体力を要する良文の宝庫です。
思考力を鍛えるためのジムのようなものです。

受験英語ではいわゆる「名著」と呼ばれる本の一部を扱うこともあります。
価値観が変わるかも知れない、
人生を変えるかも知れない、
そんな本の原典を一部でも垣間見る機会が受験英語の授業にはあります。


勉強を放棄した大人が好みそうな、
中身がスカスカのビジネス書とは違い、
数世紀もの間風化すること無く残った名著の原典に触れ合えるのです。


そう言えば父の通っていた高校の英語のテストの問題が、
家の物置を整理していたら出てきたことがありました。

問題はたったの1問「次の文章を翻訳しなさい。」

そしてそこにあったのは...
ショーペンハウアーの『悲観の哲学』の一節でした。
日本語で読んでも、内容が濃すぎて頭に負荷がかかる文章を、
当時の高校2年生達は英語の授業で読解していたわけです。

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そのような文章を読めば付くのは語彙力や文法力だけではありません。
教養も身につきます。
英会話をする上で大切なのは、
どう表現するよりもまず何を話すかです。
つまり、話の質です。

話の質はその人の教養に比例します。
英会話にも繋がる英語も勉強できて、
会話に必要な教養も同時に勉強できる。


それが受験英語なのです。


ここまで読んできた皆様なら、
受験英語を捨ててでもエイカイワをしたいという人はいませんよね?


だから学生の皆様。
エイカイワなんてのは後付けでもできます。

思考力が一番伸びる10代の今だからこそ、
一流の英文に触れて、
たくさん脳みそで汗をかいて、
思考力を鍛えて下さい。
教養を身につけて下さい。


受験英語は日本を築き上げてきた偉人たちが、
皆さんに遺してくれた大切な財産なので、
誇りを持って勉強して下さい。


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