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英語の先生がカナダでVRゲームを作ることになった話。

こんにちは、語学の裏設定のゆうです。

何のソフトを使って制作するかも分からない状態からスタートし、25時間が経過してとりあえず形になってきているのがこれ。

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弾丸の発射、弾を避けるなどの高度な視点移動、銃のリロードなどは、ゴーグルに付属する左右コントローラが必要ですが、

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昨日急に作りだし、
VRゴーグルなどの豪華な装備品は持っていないので、
弾の発射などはできません。
Noteを更新しているのと同じパソコンとマウスで製作しました。


・一体なぜVRゲームを作ることになったのか?

ずばり単刀直入に言うと、教え子の小学生のためです。

今月の頭に、自分で自由に研究テーマを決めて、1ヶ月以内に創作物を提出する課題が出て、普段からゲームが好きな彼はVRゲームの作り方について研究することにしました。いわゆる、夏休みの自由研究みたいなものですよね。


しかし難しすぎて秒で諦めた彼は、なんと課題締め切り4日前の昨日になるまで諦めモードでだらだらリサーチするだけ...そして彼はこう言います。

「もうVRゲームの作り方のプレゼンを提出するわ」


この時、私の中で何かのスイッチが入ります。

「あ、これは諦めぐせがつくパターンだ」

テーマが3Dゲームなのに、2Dのプレゼン形式で提出することもありえないですが、制作ソフトをダウンロードすることすらせずに、制作の仕方のプレゼンを作るのも夢のまた夢。

こういうときは、一方的に「やれ!」と命じても効果はありません。

子供は先生の板書より、先生の背中を見て育ちます。

まず教える立場の人がやってみせて、話はそれからです。彼と同じ予備知識ゼロの人間が残り4日でどこまでできるか?私は挑戦してみることにしました。

結論的な事を少し書くと、

黒板がどんだけ進化して電子黒板になっても、
結局人は背中を見て育つ。

となるわけですが、
そんな御託を並べる前に制作過程を並べていきたいと思います。

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・制作タイムライン

冒頭でお見せした形にたどり着くまでに、
各工程がどのくらい掛かったかを軽くまとめてみます。

・ソフトをインストールするまで (3時間)
・チュートリアル (2時間)
・部屋を作る (6時間)
・銃まわりの調整 (2時間半)
・敵Botまわりの調整 (3時間)


VRゲームを作成するときに最も使われるソフトはUnreal EngineとUnityの2冠なのですが、Unityの方が初心者向けということもありまずそのダウンロード・インストールをしてみます。

調べていくと、なんと無料でそこそこのゲームが作れてしまうらしいので期待値MAXでいざダウンロード。

しかし...

ソフトのサイズが9GBとなかなか大きい上に、各種プラグインが必要だったりと、慣れないプラグイン名、専門用語を1つ1つ理解しながらソフトのダウンロード・インストールをしていたらあっという間に3時間。付属のチューリアルで最低限の使い方を学んでいたら、2時間が溶けていきました。

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(↑チュートリアル画面。なかなか複雑だ。)

スタートラインに立つまで5時間。この数字を見て、全くのゼロからの人がスタートラインに立てるまで、だったの5時間でいいんだ!とポジティブに解釈し次に進みます。

(注:初心者向け!無料!という言葉には注意ですよ!)


・部屋を作る (6時間)

どんなゲームを作ろうか?とYoutubeを漁っていたところ、ステップ・バイ・ステップでゲーム作りをしてくれている動画があったので、その模倣をしてみることにしました。

Unity上でフリー素材を組み合わせるだけでVRゲームができるそうなので、Unityのダウンロード・インストールで失いかけた期待値が最大値に戻ります。

まず何も無い空間に四角を壁画します。

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チュートリアルが終わっても、上の画像のように、各種小さいウィンドウが何を意味してして、それぞれお互いどのように関連しあっているかわからないので、四角を1つ書くだけで1時間が飛びました。

それから敵が隠れる場所を作っていきます。

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このシーン作りは感動しました。

このように、ウネウネ~と上がる操作をした時の感動!!

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「ああ、立体ゲームを作っているのだな」

とようやく実感できたものです。
これまでの苦痛が少しだけですが報われた気がしました。

そのあと、照明を加えるとか一人称視点を移すカメラのこと、メッシュ?というテクスチャーのことなど色々分からなくて、ひたすら格闘していました。

わからないものは全部調べ上げる。
VRゲーム制作は、制作段階ですでに格闘ゲームです。

流石に長時間パソコンを見ていたので目が痛くなり、
熱いシャワーを目に当て目の疲れを回復させます...


・銃まわりの調整 (2時間半)

銃ファイルはフリー素材を使用しました。

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この工程も苦労しました。
というより、楽だったステップは何一つありませんでしたが...

まず残弾も表示させなければならないので、
数字を拳銃に貼っていきます。

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VRゴーグルを付けてプレイする時、
右手に持っているこの拳銃=自分の身体
という風に見えるので、
コントローラーに拳銃をはめ込まなければなりません。

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拳銃のグリップに取り付けられている黒いカップホルダーみたいなのが、コントローラーです。
この微調整が面倒くさい...

あとは、弾丸のモーションの調整です。

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弾道を赤く表示するなどの細かい作業が次々と...


・敵Botまわりの調整 (3時間)

銃が空中に浮いていたら怖いですよね。
銃を使う敵の設定をしていきます。

まず棒人間に動きという生命を与えてきます。

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こうして見ると、
銃を銃で撃っている不審者にしか見えないのは気のせいでしょうか?

それはさておき、
不審な人と違法な銃をドッキングしてまいります。
その結果がこちら!

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不審者2.0を通り越して超人が誕生しました。

初心者の意地で1時間くらい粘ったけど、銃が手に乗りません!
詰まりました。もう知らない。

頭から銃を撃っているので、
これぞ真の「頭打ち」ですよね!?


という余裕も少し見せながら、
しゃがんだ敵が立ち上がるモーションを追加し、
動くプレイヤーを追う設定をしてから、
テストプレイをします。

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えっと...
銃がひとりでに等速直線運動をして、
それを追いかけるように、
頭で撃った銃から、指から弾丸を撃つという、
日本語の文法が崩壊する謎の現象が起きていますが、


遠くから見たら異変にはあまり気づきませんよね?
だからOK!

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え?
気づいてしまいますか?

気づく速度よりも早く敵を倒して解決してください。


最後はこのようにマップ全体に敵を配置していき、

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タイムラインで敵の出現・敵の発砲タイミングをコントロールして完成です。

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達成感が半端ない...


おわりに:指示するな、やって示せ。

今まで一度もやったことがないVRゲーム作りですが、思い立ってから25時間でとりあえず形にはなりました。Youtubeのステップ・バイ・ステップの解説動画を参考にして、わからない言葉や機能を調べながら手を動かしていっただけですが。。

今週は前半でYoutubeデビューをし、後半ではVRゲーム制作デビューをしました。

どちらも全くの未経験の内容でした。

やったことがないから、やってみない
これは本当にもったいないことだと思います。

冒頭で

子供は先生の板書より、先生の背中を見て育ちます。

と書きましたが、
これは働き方全般に言えることだと思います。

分野は違えど、
まだ経験値が無くても、
上にいる人間が率先してやってみる。


そこから全ては始まります。

そして、
その過程をシェアすること。


そうすることで、
あなたに付いてきている人間は奮い立ちます。
未知の分野への挑戦とは人心掌握術でもあります。

結局この世は、やってみるか、やってみないかです。
それは現実世界でも、仮想現実でも同じなのでしょうね。

ゆえにこう言えます。

黒板がどんだけ進化して電子黒板になっても、
結局人は背中を見て育つ。


いい背中、見せましょう。



1言語1人格。語学だけで終わらない語学の学習を始めとして、留学・海外生活について投稿しています。フォローしていただくと、語学の勉強が楽しくなります。