【図解】敵はリズムにあり!英語が聞けない・伝わらない理由。日本語はさざ波リズム、英語は津波リズム!?
こんにちは、ゆうです。今日は日本語と英語のリズムの違いのお話です。日本語は「さざ波リズム」、英語は「津波リズム」という違いを知れば英語がぐいぐい話せたり聞けるようになります。
主に下のようなメリットを得られます。
・洋楽をもっと楽しめるようになる
・海外ドラマや映画の字幕に耳が追いつくようになる
・英会話で聞き返されることが減る
「敵を知り己を知る」とは言い古された言葉ですが、英語を知り日本語を知ることで、苦手意識の霧が晴れます。
恐怖や不安の正体は「知らない」こと。この1点に尽きるので、今日でそんな苦手意識から卒業してしまいましょう。
(本記事は過去ブログ「語学の裏設定」の、2019.5.10の記事をリライトしたものです。)
1.リズムの違いを知ることが欠かせない理由
前回の英語入門記事では、これから英語を始めようという方はまず発音から始めることが大切で、特に「発音記号」と「フォニックス」から始めるのが王道だと書きました。
実は上の記事に、発音学習において大切なことが「もう2つ」あるので次回に譲るとしておいたのですが、その1つが「日本語と英語のリズムの違い」を知ることです。
なぜかと言うと、英会話は1単語だけのキャッチボールではなく、1つ1つの単語が集まった「文」のキャッチボールで行われるからです。
それゆえ、文章単位で英語らしく発音できることは欠かせないですし、そのためには、英語独特のリズムについての理解が必要です。
2.強弱の濃淡差がリズムになる
日本語と英語。それぞれに独特なリズムが生まれる根本的な原因はそもそも何でしょうか?
それは強弱の濃淡の付け方です。
日本語には日本語独特の強弱の濃淡の付け方があり、それが日本語のリズムを形成します。
同様に、英語には英語独特の強弱の付け方があり、それが英語のリズムを形成します。
ピアノに例えて的確に表す図があります。普段私の英語塾の体験授業で使用している図で、光栄なことに分かりやすいとの評判をいただいております。
この図の中で、オレンジの丸は強い音で、灰色の丸は弱い音を表しています。
さて、これがが連続体を形作ると下のような違いに発展します。これがリズムと言われているものの正体です。
全体像が掴めたところで、
・日本語と英語は、強弱の濃淡の付け方にどんな違いがあるか?
・それがどのようなリズムの違いとなって表れるか?
について次の章から答えていこうと思います。
3.強弱の濃淡の付け方の違い
・英語は音の強弱で表す
ピアノの図を見てまず気づくのは日本語には強い音しか無く、英語には強い音と弱い音の両方がある点です。
それぞれの言語をメーカーの違うピアノに例えてみます。
・日本語ピアノは、強弱をつけることができない
・英語ピアノは、強弱をつけることができる
ピアノはピアノでも、メーカーが違うと性能は違うと言えば納得しやすいでしょうか?
ところで、強弱のつけられないピアノがこの世に存在するかといえば「チェンバロ」という形で存在します。バッハなどのバロック音楽の時代では大活躍していました。だんだんピアノを作る技術が発達し、今日のような弱く弾けば弱い音が、強く弾けば強い音が出るピアノができたのです。
興味のある方向けにチェンバロで演奏されている曲の動画を用意してみました。
というわけで、日本語はチェンバロ言語で、英語はピアノ言語だと言うことができると思います。
・日本語は音の高低で表す
同じくピアノの図で、日本語は丸が2段にわたって配置されていますが、英語は1段しかありませんよね。つまり、高さが違うのです。これをピアノに例えると下のようになります。
・日本語ピアノは高低をつけることができる
・英語ピアノは高低をつけることがでない
つまり、
【日本語ピアノ】
ドレミファソラシド+ドレミファソラシド
と2音階あります。
【英語ピアノ】
ドレミファソラシド
と1音階しかありません。
子供の頃、おもちゃのピアノで遊んでいたことがあるかもしれません。ここまでの話を踏まえると、
・日本語は、2音階あるチェンバロ
・英語は、1音階しかないピアノ
だと結論付けることができます。
ダメ押しで、図でまとめてみます。
さて、アクセントの違いについての理解が深まったところで、いよいよリズムの違いについてメスを入れていきましょう。
4.リズムの差。日本語はさざ波で英語は津波リズム
皆さんの中には、「日本人の話す英語は平たく聞こえる」と耳にしたことがあるかもしれません。実はその通りで、音の高低で濃淡を付ける日本語よりも、音の強弱で濃淡をつける英語の方がハッキリ聞こえてしまうのです。
そのため、英語と比べてしまうと日本語が平たく聞こえてしまうのです。さざ波のように。
この裏の意味は、日本語を英語の濃淡の付け方で話してはダメ、そして英語を日本語の濃淡の付け方で話してはダメという点です。なぜなら、濃淡差の蓄積が、聞こえ度の違いを生み、リズムの違いを生むからです。
英語は強弱の濃淡をハッキリさせて話す言語なのです。津波のように、盛り上がっている部分とそうでない部分に差があるのです。英語はうねるのです。
ゆえに、それぞれの母音と子音がたとえ英語の音であっても、強弱の濃淡がついていなければ日本語のように聞こえてしまうというわけでこれが「発音記号」と「フォニックス」で終わってしまう発音学習の落とし穴です。
以上をまとめるとこのように言えると思います。
英語を話すときも聞く時も弱い音は弱く、強い音は強く出すように心がける。
そうは言っても「心がける」だけでは実践的な価値はないと思います。そこで、以上のことを念頭において「ある事」をすれば英語のリズムに乗れ、話すのも聞くのも簡単になる方法を最終章でご紹介します。
5.英語の波に乗る実践的な方法
皆さん、音楽を聞くときは体を上下に揺らしませんか?
ビートがあるのでついつい揺らしたくなりますよね、元気のいい人はヘドバンまでしたくなると思います。
まさにこれです。
英語は強弱のビートがハッキリした言語ですので、
・強のところで体を上に
・弱のところで体を下に
移動させることで、英語のリズムを取りやすくなります。
これは話すときにも聞く時にも有効なテクニックです。私はTOEFLやIELTSのリスニングをする時も、洋画のセリフでシャドウイング練習をする時にも使っており、気づいたら英語のリズムに乗れるようになっていました。
とても簡単で、今日からでも使えるテクニックですので是非使ってみてください。
今回の記事はここで一旦締めにしますが、どんな単語が強ビートに来て、またどんな単語が弱ビートに来やすいかについて次回は解説しようと思います。いわゆる、機能語と内容語と呼ばれている言葉群です。
今週中には記事にしますので、フォローをしていただけると見逃すことはなくなると思います。
いかがでしたか?
今まで宇宙語にしか聞こえなかった英語も、これで少しはとっつきやすくなったと思います。
私は今でこそ英語を教えている身ですが、最初はまったくと言っていいほど話せませんでしたし、発音記号やフォニックスの勉強をしてもいまいち成果があがりませんでした。
しかしリズムに注目し始めてから、聞こえなかった単語が聞こえるようになったり、聞き返されることがだいぶ減ったのです。今まで人間の目には見えなかった紫外線が見えるようになるような、さながら突然変異でした。
この記事を機に是非、英語学習でリズムを視野に入れてみてください。きっとリスニング能力とスピーキング能力が開花するはずです。
本記事が皆様の英語学習の糧になったことを祈って、
それではまた!
PS
発音学習の次に単語力を伸ばしてみるのもいいかもしれません。発音ができて、語彙力がついて、稼げるポテンシャルも上がれば一石三鳥です。
1言語1人格。語学だけで終わらない語学の学習を始めとして、留学・海外生活について投稿しています。フォローしていただくと、語学の勉強が楽しくなります。