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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co… もっと読む
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2021年11月の記事一覧

『ファッション!!』1巻 はるな檸檬

『ファッション!!』1巻 はるな檸檬

怖い怖い怖い怖い…!!軽い気持ちで読み始めたこのマンガ、1巻の最後のページで読まなきゃよかったかも、と思いつつどうなるのか知りたいので2巻も読んでしまうだろう、と思った。「ヒューマンホラー」だそうだが、なんでこんなに怖いの?これは実話なの?と思いググってはるな檸檬さんのインタビューを探し、夢中で読んだ。

芸能界や仕事で売れるためなら、嘘でも何でも汚い手を使う人がいるというような話を聞くことがある

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『きのう何たべた?』19巻 よしながふみ

『きのう何たべた?』19巻 よしながふみ

登場人物がどんどん年をとっていき(私も)、単行本が出る度に親戚に会うような気持ちになる本作。

先日、宅飲みで友達がさらっと『きのう何食べた?』レシピから明太子のディップとツナサラダ、ミネストローネ(これは結構彼女アレンジだと思う)を作ってくれた。ケンジ達がカロリーを気にしながら食べたディップはフワフワで確かにヤバいおいしさだったし、サラダも砂糖がアクセントになってとてもおいしく、よしながふみさん

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『台所のメアリー・ポピンズ』P.L.トラヴァース

『台所のメアリー・ポピンズ』P.L.トラヴァース

シェパーズ・パイはどんなものかわかるようになったし、何なら自分で作れるようになった。でもランカシャー・ホットポットやヨークシャー・プディング、ハニー・ブレッドは未だによくわからない。

メアリー・ポピンズが東風にのって、桜町通り17番地のバンクス家にやってくる。バンクス夫妻は家を空けなければならなくなってしまったので、5人の子どもたちは一週間メアリー・ポピンズと不思議なゲストとともに自分たちで食事

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『旅ごはん』小川糸

『旅ごはん』小川糸

「世界にはまだ食べたことのないおいしいものがたくさんあって、行ったことのない場所がたくさんあるんだった!」と当たり前のことを思い出した。

ラトビアの黒パン、フィレンツェでのアーティチョークのオムレツ、ヨーロッパの列車で匂いを気にしながら食べた納豆とアボカドのオニギラーズ、崎陽軒のシウマイ弁当、インドの三角錐ドーサ…といった旅先での食べ物にまつわるエッセイ。

思えば自分にも「あそこのそばは美味し

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『草木鳥鳥文様』梨木香歩/ユカワアツコ/長島有里枝

『草木鳥鳥文様』梨木香歩/ユカワアツコ/長島有里枝

「贅沢なものを味わった」という感想。梨木香歩さんが鳥と木についてのエッセイをつづり、ユカワアツコさんが古道具の箪笥の抽斗にその鳥と木を描く。そして長島有里枝さんがその抽斗を、カフェであろうところ、家であろうところで写真を撮る。

梨木さんの鳥と木についての豊富な知識と美しい文章、小道具のひなびた味わいに描かれるユカワさんの美しい絵、そして抽斗の鳥が映える長島さんのスタイリング。私は鳥のことをあまり

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『くまちゃん』角田光代

『くまちゃん』角田光代

「あの人が言っていたことはこういうことだったのか」と、その人と会わなくなってからわかることもある。公園の花見で知り合った新卒社会人の女の子と学生のような「くまちゃん」の恋。その後のくまちゃんの恋、その後の…と続くオムニバス小説。

それぞれの登場人物とエピソードがあまりにもしっくりしていて、没入して読んでしまった。一つ一つの章も見事だし、それらの繋がりもこれまた見事。今年読んだ本でいちばん「いい」

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『百姓貴族』7巻 荒川弘

『百姓貴族』7巻 荒川弘

『鋼の錬金術師』の荒川弘さんによる、北海道で酪農や農業を営む実家の話。スケールのでっかい話に何となく楽しい気持ちになるので、いつも新刊が出るのを楽しみにしている。
今回勉強になったのは、アブラムシのメスはクローン増殖ができること。ある殺虫剤を使っても一匹メスが残れば単性生殖で、その殺虫剤に耐性をもつアブラムシが増えてしまうという話だった。そのため殺虫剤メーカーはアブラムシとイタチごっこをしているら

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