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奇妙な味の短編

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奇妙な味の短編を集めてしまった。
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#眠れない夜に

二人二体

二人二体

少女は自分を成長させるように人形も育て始めた。

母に見捨てれた日に与えられた人形は手のひらに乗るほど小さかった。

少女のほうは何時なんどきもその人形を手離すことはなかった。

握りつぶさぬように、手離さないように、起きているときも寝ているときも人形は少女の小さな手に繋がれていた。

誰も気づかない速度で徐々にだが確実に人形は育ち始めた。

少女の手から吸い出された思いは人形の中に充満していって

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教えなくてよかった

昨日の夜電話くれた?

深夜に知らない番号からメッセージ入っていたからさ。

あまりに小さくぼそぼそ言ってたんで聞き取れなくて、もしかしたらそうかなと思ったけど。

えっ、前から掛け続けていたの?

五年も前からずっと?

手当たり次第にずっと?

080から090から続く番号をずっと?

へぇ、君らしいね。


#眠れない夜に

刺さって

今日にも月が落ちてくるよと、自分は太陽だと名乗る人物から告げられても信用できるわけがないんだけども確かに月は突き刺さってきて、人間であることをやめざるを得なくなって、でも太陽は笑っていて、月は慰めてくれて、自分はどこにもいなくて、それが悲しくて悲しくて、こんなに惨めに書かざるを得なくなって、太陽はそれを笑って、月も笑うようになって二人は帰っていって、地球はそのままでだから僕もそのままで、だからそれ

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