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上司のための「質問力」活用〜「営業指導」基礎②〜

大学時代のゼミの同期会で再開した佐藤と高橋。某銀行で支店長を務める佐藤がふとしたことで部下育成について高橋のアドバイスを受けることに。
今回は、前回宿題を佐藤が持ってくるところから始まります。

最後までお読みいただけると得られそうな情報は?
✔︎ 営業のプロセスで分かること
✔︎ 時間の使い方で分かること
✔︎ 本日の「質問」

1、宿題。

佐藤(以下S):お疲れ。調べて来たよ。

高橋(以下T):おぉ。調べるの大変だった?

S:まぁね。スケジューラーから面談内容拾って来た。手作業。

T:そっか。案件管理表みたいのないの?

S:あるんだけど、スタート時期がバラバラでかえって手間でさ。

T:ふーん。見込み案件が発生したらリストにどんどん追加していくヤツ?

S:そうそう。あれだと、今回みたいに過去1ヶ月分を、ってなると面倒で。スケジューラーから拾った方が早いかなって。

T:手間かけたね。

S:いや、まぁ、色々と発見もあったし。

T:へぇ。なに?

S:この時間何やってんのかな、とか、同じお客様と何度も面談してるな、とか。

T:あぁ。そういや、時間の使い方もお願いしてたね。

S:そう!せっかくだから自分の時間の割合もスケジューラーで調べてみたんだよね。驚いたよ。

T:思ってたのと違ったろ?

S:なんで分かるの?そうなんだよねぇ。

T:まぁ、それはまた後にして、まず、ステップそれぞれ、月間でどれくらいあったか教えてよ。

S:うん。えっと、こんな感じだった。あ、3年目の渉外くんね。

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T:おー、わかりやすい。ありがとう。アポ取りが「?」って何?

S:いや、この間は定義分かったつもりだったんだけど、これって、何本電話したか、っていうこと?

T:いや、佐藤がアポ取りって言ってたからそのまま言っただけ。でも、それならそれでいい気がするな。

S:そっか。実はさ、どれくらい電話かけているかは分からなかったんだよね

T:それで「?」ね。了解。どれくらい電話かけてるかは、地味に大事だからぜひ調べておいたほうがいいよ。③と④が一緒になっているのは?

S:うん、それは、③④って全部同じ面談でやってたからまとめちゃえって。

T:了解。で、8件が契約と。これが成果ということであってる?

S:あってる。

T:そうすると、成約率は8÷40で20%ね。あとさ、③④より⑤が多いのってなんか変じゃない?

S:え?あ、これはね、⑤の商品の提案を2回、3回やることがあるからね。

T:そっか。何回もおなじお客様に会ってるって言ってたやつね。

S:そう、それ。

T:その場合の成約率って分かる?

S:え?20%で同じじゃないかな?

T:多分低いと思うよ。というか、成約しないんじゃないかな。

S:そうかな。だって何回も聞いてくれているんだよ。

T:何回も聞いてるのになんで契約してくれないんだろ?

S:うっ。

T:あと、アプローチ月に40ってことは、週に10人も商談を始めるお客様がいるってこと?

S:うーん。。。スケジューラーには「アプローチ」って書いてあったけどなぁ。

T:週に10件も案件管理表追加される?

S:。。。そこまでないような。。。

T:それと、これ、全部足すと、118になるけど、20営業日として1日5.9回も面談してるの?

S:。。。なんかおかしいねぇ。。。

T:そうみたいだね。

S:なに、かな?

T:なにかね?

S:うーーん。

T:。。。

S:嘘は入れてないと思う。

T:うん。嘘は入れてない。

S:となると。。。

T:。。。

S:俺たちが思っているアプローチと違う?

T:多分そうだね。それぞれのステップの定義が違う、というのが一番近いだろうね。

S:参ったな。

T:なにが?

S:だって、これじゃぁ、話にならないじゃない?せっかく時間とってもらったのに。

T:僕のことはいいよ。それに、すごく大事なことが分かったじゃない。

S:なに?

T:言葉の定義、だよ。おなじ「アプローチ」という言葉で会話していても、その定義がお互いでまるで違うと。

S:まったくだ。おなじ単語なのに、それを使っている双方の頭の中ではまったく違うことに変換してたんだね。

T:今気づいてよかっただろ?

S:まぁ、前向きに言えばそうなるかな。

T:ありふれた言葉ほど定義はきちんとしないといけない。

S:まったくだよ。

T:じゃぁ、それぞれのプロセスの中身をしっかり定義するのが次の宿題だね。

S:はぁ?

2、時間の使い方の「見える化」

T:じゃぁ、次、時間の使い方、教えて。

S:宿題って。。

T:なに?

S:いや、わかったよ。時間ね。こんな感じ。

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T:わかりやすい。

S:ざっくりだよ。

T:さっき、自分が思ってたのと違ってた、って言ってたけど、どのへん?

S:部下の指導にこんなに時間使ってないかぁ、と。

T:なるほど。指導がしたかったんだもんね。それが少ない。他には?

S:あとは事務仕事。多い多いとは思ってたけど。これほどとは。

T:半分だね。確かに。まぁ、銀行だからねぇ。支店長だし。他には?

S:あとさ、お恥ずかしいがなにしてたっけ?という時間がある。

T:あるよねー。他には?

S:うーん、そんなもんかな。これも気付き系?

T:お、鋭いね(笑)。自分の感覚と、実際は違ったりすることが多いので、必ず実際に検証してみる、ということは大事です、ってやつね。なにより、そのギャップに気づくことが大事というやつ。

S:やっぱりね。

T:あとね、こんなデータがあるんだよ。

S:へぇ。面白いね。みんな「部下マネジメント」に時間かけたい、というところは一緒だね。

T:業種によっても違うだろうから単純には比べられない点には注意だけど、「部下マネジメント」に15%割いているのはこうしてみると、平均、かな。

S:だねぇ。「部下マネジメント」タイプは30%超えてるよ。まだまだだな。

T:まぁ、こんなふうに見える化してみると、世間一般とも比べることもできるし、過去の自分とも比べることができる。そうなるとできることは?

S:改善すべきところがわかるね。改善すべき方向も。

T:そう。時間の使い方は自分で何とかできる話だから、定期的に見える化してセルフチェックしてもいいかもね。

S:わかった。続けてみるよ。これって、部下の時間配分も気になるなぁ。

T:でしょ。でも、まずは自分から。それより宿題の方、よろしく。

S:定義ねぇ。まあ、この機会にちゃんと考えるか。


3、今日の質問(2つ)

1つ目。「沈黙は金」

T:なにかね?
S:うーーん。
T:。。。
S:嘘は入れてないと思う。

そう。質問をしたら、黙る
質問の最大の目的は自分のあたまで自分ごととして考えてもらうこと、です。
沈黙に耐えきれず喋り始める人がいますが、せっかく考えているのを邪魔するだけです。
沈黙は質問が効果を発揮している証拠です。きちんと待ってあげましょう。
くれぐれも邪魔しないで。

2つ目。「相手の考えを深掘りする」

T:さっき、自分が思ってたのと違ってた、って言ってたけど、どのへん?
S:部下の指導にこんなに時間使ってないかぁ、と。
T:なるほど。指導がしたかったんだもんね。それが少ない。他には?
S:あとは事務仕事。多い多いとは思ってたけど。これほどとは。
T:半分だね。確かに。まぁ、銀行だからねぇ。他には?
S:あとさ、お恥ずかしいがなにしてたっけ?という時間がある。
T:あるよねー。他には?
S:うーん、そんなもんかな。

質問に対して最初に出てくる回答は、まだ浅い考えからのものである可能性が高いです。もっと深く考えて欲しい場合には、「他には?」とさらに深掘りを促してみましょう。
トヨタの「なぜを5回」ですね(今、さらに進化しているそうですが)。
この時の注意点としては、最初の方に答えてくれた答えも大事に覚えておくか、メモしておくことです。意外と忘れます(経験者談)。
それと、「他には?」だけ連打しないようにしてください。雰囲気悪くなります。


最後までお読みいただきありがとうございました。

読んでいただいたお時間の分だけでも参考になったところがあれば嬉しいです。

こちらは前回の続きとなります。前回とそこまでに至る経緯を投稿したものがこちらになります。ご興味あればご覧ください。他にも上司のための「質問力」に関して投稿していますので宜しければぜひ。






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