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貧乏人の歳時記

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「ミニマリストの歳時記」と気取りたいところだけど、まあ、本当のところ四季の貧乏生活の記録です。季節は貧乏人にも巡って来るからね。
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記事一覧

出不精な春の味噌汁 Spring miso soup for feeling lazy

出不精な春の味噌汁 Spring miso soup for feeling lazy

貧乏人の歳時記
A minimalist's seasonal calendar

ストーリー
Recipe trivia

野菜というにはあまりにも野趣に富んでいるけど、味噌汁に使う野菜はアパートの中庭にあるプランターから草むしりついでに調達するのが日課だ。どんな季節でもこの3メートル範囲の収穫で困らない。しかも春は芽吹の季節なので豊作だ。
プランターのイタリアンパセリはすっかり巨大化して盛ん

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明日葉のジェノベーゼ風スパゲティーニ Genovese-style spaghetti with ashitaba angelica leaves

明日葉のジェノベーゼ風スパゲティーニ Genovese-style spaghetti with ashitaba angelica leaves

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー Recipe trivia

このパスタのレシピは、亡き友人の縁の一皿だ。長いはなしになるのだけど、ちょっとお付き合いください。

This pasta recipe is a dish related to my late friend. It's a bit of a long story, but p

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冬菜漬け Pickled winter vegetables

冬菜漬け Pickled winter vegetables

常備菜研究室 Preserved Food Laboratory

ストーリー Recipe trivia

冬菜は冬に育つ葉物野菜の総称。主に、白菜、高菜、青梗菜、水菜などアブラナ科の葉野菜を指す(アカザ科のほうれん草を含める用法もあるようだ)。中国語の冬菜(dōngcài)もほぼ同じ意味で使われる。積雪もある冬の厳しい気候に耐えながら、大きな葉を広げて糖分を始めとした栄養分をせっせと蓄え、春の

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ケール菜花のリゾット風(ベジタリアン対応可)  Kale flower buds risotto style (vegetarian available)

ケール菜花のリゾット風(ベジタリアン対応可) Kale flower buds risotto style (vegetarian available)

ストーリー Recipe trivia

僕は電子レンジを持っていない。
主義主張で持っていないわけでも嫌いだからというわけでもない。もちろん仕事では使う。今の飲食店や給食センターのオペレーションは電子レンジが大前提だから、そういうところに提供する僕のレシピにもしっかり組み込まれている。そういう意味では僕は電子レンジのエキスパートでもある。長い付き合いだ。ただ、自分の住まいには電子レンジはない。電

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蒲公英のサラダ Dandelion salad

蒲公英のサラダ Dandelion salad

ストーリー Recipe trivia

暖かくなると、地面にへばりついてひっそり越冬していた蒲公英の黄色い花が一斉に咲き始める。これは在来種の蒲公英の生き残り戦略で、出来るだけ風や霜に当たらないよう、ふみつけられても耐えられるよう「ロゼット」という形態で秋から冬にかけてエネルギーを温存し、春に他の雑草が伸びてくる前に盛大に花を咲かせて群生し繁殖を済ませてしまうという生態を持っている。
この時期に

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蛍烏賊とハコベのスパゲティーニ Firefly squid and chickweed spaghetti

蛍烏賊とハコベのスパゲティーニ Firefly squid and chickweed spaghetti

ストーリー Recipe trivia

仕事で使う場合は別だけど、実は個人的には緑の葉を買う頻度はそれほど多くない。この時期だと冬菜漬にするのに旬の冬菜を纏めて買うくらい。サラダ用や普段の青菜は大体アパートの中庭のプランターか近所の空き地で手に入るからだ。その中でも早春から初夏にかけていくらでも手に入るのがこの「ハコベ」。ほとんどの人には雑草にしか見えないだろうが、癖がなく柔らかくて生食でき、な

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筍ご飯 Bamboo shoots rice

筍ご飯 Bamboo shoots rice

野菜の旬は待ち遠しいものだ。国や地域の料理においてもっとも特徴的なものの一つは季節野菜だろう。季節の巡りは、成長、成熟、死、再生の繰り返しだ。我々の先祖はその繰り返しに一喜一憂しながら生を繋いできた。旬を食べるということは、再生した命の輝きを真っ先に分けてもらうということだ。だから地域ごとの季節の野菜を使った料理はとりわけご馳走なのだ。
竹が生活圏にある地域では、筍が他の山菜とともに春の訪れを告げ

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