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Kusabue/現代俳句 +AI
2022年1月9日 19:00
「 花の春 」~現代俳句集〜奈良になお歴史降りつむ雪だるまあしあとのかなたの影も雪野ゆくじんせいのみな名優よ雪舞いだすいち年が目にありありと冬至風呂飛びたってむすうのかげよ浜千鳥その後ののちのちまでよ聖夜の鐘きよしこの夜コレッジョの絵の光屋根屋根に鐘の音ひとびとに聖夜ジングルベルジングルベルと冬館飛ぶほどにおもいいのちの綿虫よ◇さっそくに空を晴ら
2021年12月17日 17:17
「 雪降る街 」~現代俳句集〜晴れぞらよ白落ちてくるふゆの滝陽よ風に吹かれどおしのふゆの菊また一人あしたへ去っておでん酒ガス燈よそのむかしから夜々の雪ホットティーホットコーヒー婚話きょうまでをわすれ果てても冬桜未来にも過去にも僧よ奈良しぐれかがやいてどれもしんじつ冬の星ただの灯か信仰の灯かクリスマスかお上げてスカイツリーの街に雪◇いっしゅんで冬あ
2021年11月22日 17:00
「 朝日夕日 」~現代俳句集〜あしもとにとどく日ざしよ冬木立サーカスの旗はためいて冬が来る冬かもめ花咲くように飛びたつか近海のむかしなつかしくじら跳ぶさいげつをただよう鴨か水のうえきた山からみなみ山へとふゆの虹ぱちぱちとたき火のこえよ葛城山焚き火していましばらくは星の空マスクしてひとりひとりの交差点今日までの旅今日からのかえり花あるはずの地球のにおい
2021年11月4日 12:00
「 風のおと 」~現代俳句集〜釈迦の弟子るいるいとして鐘の秋旅どこにたどりついても露けさよたびびともすすきの穂わた草千里みずからをなつかしみつつ今年酒松山よどの句碑からもあきのこえ赤とんぼ時代とどまることしらず菊の香よふる里よりもなつかしく我のひとよ和のひとびとよ月見酒菊いちりん今へとつづく香りこそ京都タワー月日ぐるりと秋の暮れゆうぐれてどの道からも
2021年10月14日 13:00
「 露の玉 」~現代俳句集〜ことごとくいっぽん立ちよ竹の春コスモスもあるきたそうに散歩道金木犀香もゆうぐれてゆくばかりまぶしさの都市あかるさの名月よ黙として真向かうものに今日の月古じんらのおもいのこしの名月よ望の夜いちねんいちのしずけさよ十六夜があかるくなってからよ宴いちねんを忘れはじめの十六夜よ図書館のさいげつ黄葉してゆくか屋じょうに出て見晴らしの
2021年9月22日 10:00
「 秋風鈴 」~現代俳句集〜コーヒーに紅茶にふかみゆく秋か人がゆく火星ひとつぶほしづき夜甲州のそらずっしりとぶどう狩り熱気球つぎつぎとそらさわやかよ関東よたくさんの灯といなびかり日がのぼり日がのぼりして柿の秋家あおぐ秋のコートのふるさとか出会いとはわかれのことよ秋遍路ネクタイよ鏡にほのとあきのいろそれぞれの絵にものがたり美術展◇レストラン深みゆく
2021年8月29日 16:00
「 夕風 」~現代俳句集〜いつの世もまえへまえへと阿波踊つどう日がやがてかならず大西瓜飛騨のバス霧にあらわれ霧にきえふたりの灯ふたりをともし夜学校オリンピックそののちをただ蜩よ顔照らす花火きえてはまたひらくぐちの屋台わらいの屋台ぬくめ酒きつつきよ山々は日々あたらしく再会よだまっていてもほしづき夜灯の家よあかるくくらく地虫鳴く何もかもつかのま月と向きあ
2021年8月9日 10:35
「 朝顔 」~現代俳句集〜絵はがきよ窓のかなたの蝉しぐれ村じゅうが夜のやみのなか夏布団釣り堀よ昨日をわすれ今日わすれかっこうよ千回鳴いて日がしずむ一夜あけいちりんざしの薔薇に影たかだかと見えるかぎりの山開きひろびろと見えるかぎりの海開き家のかげいえのましたに夏さかんにわへみなうしろすがたのかき氷すれ違う声さまざまよボート漕ぐ目つむれば閑のせかいよ蝉の
2021年7月18日 02:30
「 この星 」~現代俳句集〜家二軒ひびきあうかにふうりんよむこうにはあおぞらだけよ扇風機わざそしてこころ次々にぎり寿司ときが来ていっせいに赤トマト畑父の日よ大黒ばしらという御菓子探査機たちはしる火星は涼しいかうちゅうにもある物語ふうりんよじぶんの名となえてもみよ街に虹わすれられわすれこの世は大夕焼月というこころの涼のおおきさよ邪馬台国ほたる今宵も舞い
2021年6月21日 03:00
「 空港 」~現代俳句集〜青葉木菟消えて神社のちんもくよゆうべんは銀ちんもくは金冷し酒吹かれれば風にもなれる涼しさよパソコンよ昼はコーヒー夜は麦酒身ひとつに満天の星キャンプの火夏の月待たれているということか向日葵がひまわりらしく立つ地球その声をやしなう山よほととぎす寺のなか別のせかいのふうりんよ夏菊よちいさいことのうくつしく喜をかたり悲をかたりして蛍
2021年5月31日 08:00
「朝焼け」~現代俳句集〜待ったひと待たせたひとに噴水かなにもかも地球に借りて草ぶえよのぼる土手もう夏芝の踏みごたえたけのこのなかの宇宙の静かさよほしぞらも旅館のうちよ河鹿鳴くそこらじゅう水鏡してかきつばた美意識の現われとして花しょうぶ街灯はへいわのあかしまつりの夜かわらないおもいがひとつ衣更え巻き波よサーファー斜め四十五度サーファーに妻と子がいて暮の
2021年5月12日 18:50
「 帆はすべて 」~現代俳句集〜ほんとうの桜が観えてふぶくなか十万歩きょう良いおとのへんろ杖赤く咲いてなんのきざしの沈丁花春惜しむ路地奥に住むひととして春雷よひとりひとりがひとりの夜観潮船うずのあたりがあかるいぞ春雨よきのうは待たせ今日は待ちそもそもがいのちがけの世燕の巣その主張花でしめしてたんぽぽよ鼻うたが変わりつづけて春終わるふるさとを出た沈黙よ
2021年3月19日 17:17
「 春山河 」~現代俳句集~その奥に池咲くさくら散るさくらひこう機を遠景にして野にあそぶ大宇宙ちいさく見ればたんぽぽよさんがつよ橋あるくおと川のおとまっしろな蝶にも影のしずかさよ手品師がハト出すように春めくか雛まつりあるくはやさで川ながれさいげつに押し黙るのも雛の日かこの町よ春そのままにコーヒー店呼びかけるイヤホンマイク春の空北を見ればどこまでも北鳥
2020年12月17日 17:35
「 明らかに鶴 」~現代語俳句集~平和通りいまは静かに木の葉降れ恋二人セーターに陽があたるまであるときは嶺々あるときは冬光よコート着て都会は都会富士は富士さいごにはゆう焼けてこそ十一月奈良じゅうに耳をすまして冬の空木枯らしのあちらこちらで疫病かだれも行くマスクの白を盾として能登がただ散っているだけ冬怒涛あかるさよはるかに滅ぶふゆの星◇おおさかのこ