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脳構造マクロモデルで読み解く人間行動選択#15 デュフロ&バナジ―(3)“poor economics”を覆えす教育
認知科学の最新の研究や知見を基に、現在の複雑な貧困問題を理解して解決していく道筋を示し、2019年のノーベル経済学賞を受賞した開発経済学者のアビジット・バナジ―とエステール・デュフロ。
彼らの2011年の著作『poor economics - A Radical Rethinking of the way to Fight Global poverty』(邦題:貧乏人の経済学 – もういちど貧困
脳構造マクロモデルで読み解く人間行動選択#14 デュフロ&バナジ―(2)“poor economics”を詳細に理解する
認知科学の最新の知見を基に、ランダム化対照試行という手法を用いて、貧困の問題に取り組み、2019年のノーベル経済学賞を受賞した行動経済学・開発経済学者のアビジット・バナジ―とエステール・デュフロ。
今シリーズでは、彼らの2011年の初の著作『poor economics - A Radical Rethinking of the way to Fight Global poverty』(邦題:貧
脳構造マクロモデルで読み解く人間行動選択#13 デュフロ&バナジ―(1)“poor economics”を見つめる
「細かいことを見逃さず、行動を選択する理由を理解する」 ―世界各地で貧困問題に対して、実際に施策を行った地域と行っていない地域の比較を行うランダム化対照試行を用いて、きめ細やかに効果を検証する営みを繰り返し積み重ね、効果のある施策の実践を拡げている、2019年のノーベル経済学賞を受賞した開発経済学者のアビジット・バナジ―とエステール・デュフロ。
彼らの研究活動の根幹には、脳構造の振る舞いから導か
脳構造マクロモデルで読み解く人間行動選択#12 エマニュエル・トッド(3)世界の幼少期の終わり
数千年という長い期間を掛けた識字率の向上という「世界の幼少期」の終わり。不連続で激しい変化の先を見通すために何が必要なのだろうか。
ソビエト連邦の崩壊、アメリカシステムの衰退、イギリスのEU離脱を予見し、現代の世界最高の知性の一人と称される、フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド。
トッドは人口統計データの空間的な分布と歴史的な推移を俯瞰することで、近現代のイデオロギー・システムとして立
脳構造マクロモデルで読み解く人間行動選択#11 エマニュエル・トッド(2)「世界の幼少期~家族構造と成長」
ーー「家族構造」における「女性の権威」が高い地域ほど、近現代における成長力が高いーー
人口統計データをベースに、近現代の政治現象と経済現象を、家族構造から見通すことが出来ることを示した、フランスの歴史人口学者で、現代最高の知性の一人と称される、エマニュエル・トッド。
前回の#10では、1983年のトッドの著作『第三惑星』を軸に、家族構造に埋め込まれた「自由ー権威」「平等ー不平等」の価値観(の違
浮けるハナシなど無い!
笑わないと!
笑っとこ!
笑える、日々が、いいよね。
脳構造マクロモデルで読み解く人間行動選択#10 エマニュエル・トッド(1)「家族構造とイデオロギー・システム」
ーー「家族構造」に埋め込まれている「自由と権威」、「平等と不平等」の価値観が、人間の意識と無意識に働きかけて、近代のイデオロギーシステムや成長を生み出してきたーー
フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドは、「近現代の世界の多様性と文化的成長」を生み出した構造が「家族構造」にあることを、人口統計に基づく様々なFACTの時系列データから、独自のマクロ的視点で見出した。
本稿では、1951年生ま
レビュー 出現する参加型社会その参
機械論的世界観に対し、語られる生物的世界観。
なぜ、そこまで、既存のものを否定しようとするのか。
僕も、昔から、偉そうな人やモノは大嫌いだし、未だに好きになれない。
だから、マウントしてくる橘川さんも、我慢出来ない笑。
方法論として、アウフヘーベンに拘っている感があり、身体的感覚知が大事だという。
身体感覚は間違いなく大事だし、概ね疎かにされてきた。けど、知という必要があるのか。
実践
レビュー 出現する参加型社会その似
今、課題図書として、エマニュエル・トッドを初めて読んでおります。
今世紀最高の知性、という形容句すごいですけど、若い時に歴史的研究を踏まえ、フロイトが気付かなかった、潜在的意識には、親子関係だけでなく兄弟関係があると、言い切り、イデオロギーも、結果に過ぎず、周りに生まれた時からある家族の形態分類により、生じてくる環境の影響によるもの、ということを緻密に(それを若さのあたりと、歳を重ねたトッドが言
レビュー 出現する参加型社会
酔拳的に行きまっせ。酔ったら深呼吸しよう!
著者が疾走していると、教祖が煽ったら、あかんやろ。
教祖が暴走したら、それは宗教じゃない。
一世一代の博打的な。
出だしは歴史をなぞっているためか、乱暴に価値観が押し付けられてくる。
機械的世界観がこの世界をダメにした!みたいなフレーズが繰り返される。
そしてそこから立ち上ってくるのが、生命体的世界観。
全ての生命のシステムはほぼ非線形だ、と。
脳構造マクロモデルで読み解く人間の行動選択#9『モラル・トライブス』(2)
道徳的ジレンマのトロッコ問題を解く被験者の脳を、fMRIを使ってスキャンする共同研究で、心理学に留まらない知のフロントに躍り出たアメリカの気鋭の心理学者ジョシュア・グリーン。彼の2013年の著書『モラル・トライブス』読解の第2回は、第1回で詳細に読解した道徳脳の二重過程理論を基に、サブタイトル「共存の道徳哲学へ」に表されている、脳の「マニュアルモード」を適切に利用して「深遠な実用主義」としての「功
もっとみる脳構造マクロモデルで読み解く人間の行動選択#8『モラル・トライブス』(1)
本シリーズ3番目は、道徳判断に関わる脳の構造や情報処理がデュアルプロセス(二重過程)であることを示した上で、現在の社会課題の根源の一つである「自分の部族の直感的反応の限界」を超えて、これからの時代の道徳の在り方を探っている、アメリカの気鋭の心理学者・哲学者のジョシュア・グリーンの2013年の著書『モラル・トライブス』(日本語版2015年刊、上下巻)を取り上げる。
モラル・トライブス(1)
道徳脳
脳構造マクロモデルで読み解く人間の行動選択#7『社会はなぜ左と右に分かれるのか』(4/結)
<シリーズ2> ジョナサン・ハイト
『社会はなぜ左と右に分かれるのか?』
~The Righteous Mind~最終回
(4)もっと建設的に反対しようよジョナサン・ハイトの『The Righteous Mind』読解の最終回は、本書第三部に描かれている人間の集団性を読み解きながら、意見の違いを乗り越えていく方策の展望を探索しよう。
本シリーズで前回までに眺めてきた、人間の道徳の直観主義的本質「ま
脳構造マクロモデルで読み解く人間の行動選択#6『社会はなぜ左と右に分かれるのか』(3)
<シリーズ2> ジョナサン・ハイト
『社会はなぜ左と右に分かれるのか?』
~The Righteous Mind~
(3)“WEIRD”な価値観/道徳基盤を越えて米国Foreign Policy 誌の100 Top Global Thinkers 2012、英国Prospect 誌のWorld Thinkers 2013に選ばれた、アメリカの心理学者ジョナサン・ハイトの2012年の著書『The R