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Lonesome Traveler

68
孤独な旅人
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#写真

清澄山道ループ橋

清澄山道ループ橋

スペインのサグラダ・ファミリアは2026年に完成予定なのだそうだ。
一方、千葉県の片田舎でのんびりと造られていたサグラダ・ファミリア(と言われていた)は、実に30年の年月をかけて、やっと完成した。

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ザイザル

ザイザル

眠い。一日中、眠い。

花粉症の薬、ザイザルのせいだ。

眠くなりにくいとうたってはいるのだが、やはり眠いな。

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パープルラインの匂い

パープルラインの匂い

 バンコクの北に、ノンタブリー県はある。
 2016年8月に開業したパープルラインは、バンコクとノンタブリーを結ぶ路線であり、タイで初めて日本製車両を導入した高架鉄道でもある。
 列車や駅舎は、清潔で整然としているのだが、そこからは、何というか、東南アジア特有の匂いが全く感じられない。
 ズバリと言ってしまえば、無味無臭で面白味があまり無いのだ。
 駅の入り口付近では、危険物の持ち込みをチェックす

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僧衣献上祭り

僧衣献上祭り

成田市にある、タイの寺院へ行ってきた。
プミポン国王が亡くなったので、皆、黒い服を着ている。
スピーカーから、僧侶の読経が流れだすと、タイ人たちは、肉やもち米を口に頬張ったまま、手を合わせて拝みだす。

どういう仕組みになっているのかわからないが、敷地内にたくさん屋台が出ていて、食べ物をすべてただで配っている。

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宗谷本線

宗谷本線

 列車は、時折するどい汽笛を発する。線路上に、野生動物を近づけさせないためであろうか。
 そのようにして宗谷本線の鈍行は、北海道の原野の只中を、ひたすらに北上していく。
 車窓からの景色は、青々と茂った緑が、雲間から降り注ぐ夏の陽光を照り返して、瑞々しい色彩を放っている。
 アイヌの、豊かな自然(カムイ)は、北へと行くほどに、目に見えて白樺の木が多くなっていくのが印象的だ。

 白樺は涼しい気候の

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外川駅

外川駅

 司馬遼太郎は生前、日本の街並みを、「座敷にゴミ箱の中身をぶちまけたような景観」と評した。
 その言葉には100パーセント同意するし、また実際その通りなのだが、その中でも目を凝らせば、心を落ち着かせてくれる景色や場所も、あることはある。

 銚子電鉄の終点駅である外川駅は、そんな数少ない場所のうちの一つだろう。
 木造平屋建ての駅舎は、何度も改装しながら、開業当時の面影を留めている。留めようと懸命

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銚子電鉄の新型車両3000形

銚子電鉄の新型車両3000形

 新しいレンズのテストを兼ねて、銚子電鉄の新型車両を撮ってきた。

 3000形は、銚子の海をイメージした鮮やかなカラーリングだ。
 この新型車両の導入にともない、1000形は引退してしまったが、2000形はまだまだ元気に頑張っている。

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いかめしが食べたくて

いかめしが食べたくて

 イカの足は10本あると世間一般にはおもわれているが、正確にいうと、あれは足ではなくて腕なのだそうだ。

 北海道の水風呂は、なんだか冷たいような気がする。
 俺は、ホテルのユニットバスが嫌いなので、そんなときは、グーグルで近くの銭湯を探して、浸かりに行く。できればサウナがついているとよろしい。
 北海道新幹線で、函館に行ったのだ。
 夜中、ある銭湯で、水風呂に入っていた。皮膚がビリビリくるほどの

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流鉄流山線

流鉄流山線

 レトロな車両が、陽光の中を走り抜けると、あたりの景観はとたんに鮮やかに彩られ、地域住民の生活に濃密に密着した単線鉄道は、心地よい走行音を街にひびかせる。
 線路沿いの梅の花の下では、小さな女の子が列車に手を振り、運転手は気軽に手を振りかえしながら、ワンマンカーは進んでいく。

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トムヤムクン(ต้มยำกุ้ง)について

トムヤムクン(ต้มยำกุ้ง)について

 トムヤムクンは、日本では世界三大スープの一つとされているが、残念ながらそれは誇張である。
 もともとは、日本にトムヤムクンを持ち込んだ業者が、売りだすためのキャッチコピーとして言いだしたのだそうだ。
 トム(ต้ม)は「煮込む」、ヤム(ยำ)は「混ぜる」という意味であり、クン(ก้ง)は、材料の海老のことだ。
 海老以外にも、鳥のトムヤムや、イカのトムヤムなど、種類は沢山ある。
 
 タイで、初

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胸元のハンカチーフの意味

胸元のハンカチーフの意味

 真夏の、うだるような暑さの中、シャツの上にジャケットを羽織っている男性を見かけても、不思議に思ってはいけない。
 紳士用ジャケットとは、女性にとってのバッグのような物なのでもある。
 ジャケットの裏地側は、内ポケットがたくさんついている。そこには、財布や携帯電話、手帳にペン、文庫本と、いろいろな小物を入れておける作りになっている。ちょっとした外出時なら、ジャケットを羽織って、そこに小物を入れれば

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電飾に彩られて

電飾に彩られて

 数々の苦難を乗り越えて、いまも懸命に営業を続けている銚子電鉄が、路線にある各駅の命名権を売りだしたのは記憶に新しい。

髪毛黒生駅|kouichikougo|note(ノート)https://note.mu/kouichikougo/n/n9116475da99a
 
 そんな僕らの銚子電鉄が、またやってくれた。
 今回は、イルミネーション車両である。
 ただ、なんというか、このイルミネーション

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ネーデルランドな山陰

ネーデルランドな山陰

 オランダは、国土の多くが海面すれすれかそれ以下であり、そこに住む人々や街は、堤防によって海から守られている。
 はるか昔から、「ネーデルランド(低い土地)」と呼ばれていたのだそうだ。

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若桜鉄道

若桜鉄道

 小雨が、ぽつぽつと降り出してきた。
 その中を列車は、ワイパーをときおり動かしながら、一面の梨畑を進んでいく。

 若桜と書いて「わかさ」と読む。若桜鉄道の路線は、営業距離が19.2kmであり、郡家駅でJR因美線と接続していて、そこから、終点の若桜駅までの9駅を、列車が2時間に1本程度運行する。

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