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客席からの眺め

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お箏の演奏会は楽しい! お箏の演奏会に行くといろんな曲、いろんな情景に出会うことが出来ます。 どんな物を聴いて、何を感じたのか。素人が聴きに行った演奏会の感想を、綴ります。
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#和楽器

「音のカタログVol.11」

「音のカタログVol.11」

邦楽器を使った曲を作る、西洋音楽の作曲家さん達のグループ、〈邦楽2010〉によるコンサートです。
前回は2021年10月に第10回が開催され、お邪魔しました。
いろんな曲が次から次へと登場し、とても楽しかったことを思い出し、今回も足を運びました。

作曲家の方は、普段は、ご注文があって初めて、曲を作るのでしょうか。
依頼者の意向や、制約の中で作曲されることが多いのかなあと思います。

この「音

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「明日佳ソロ琴ライブ「明日、佳人になれ #2」」

「明日佳ソロ琴ライブ「明日、佳人になれ #2」」

明日佳さんの、待望のソロ琴ライブ。
とても良かった!面白かった!楽しかった!
美しい和室で、PAもエフェクターも無し。
目の前で演奏される箏音をダイレクトに浴びるという、とても贅沢な時間でした。
明日佳さんのまっすぐな演奏は、とても清々しくて、心が洗われるようでした。

ポイントは3つ
1.箏の生音
2.アナログ
3.お客様

プログラムは、
前半は明日佳さんオリジナル曲で「世界を駆ける、お琴

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「第9回 山本亜美 箏 二十五絃箏リサイタル ~手繰る、みちしるべ~」

「第9回 山本亜美 箏 二十五絃箏リサイタル ~手繰る、みちしるべ~」

昨年行きそびれてしまった山本亜美さんのリサイタル。
ようやく行くことが出来ました。
今年のテーマは「手繰る、みちしるべ」
様々なご縁が繋がり実現したという、貴重なプログラムを披露してくださいました。

まずは何と言っても、「太助箏」
江戸時代の名工、菊岡太助が作った箏が、100年以上の時を超えて、舞台に登場しました。
美術館のコレクションになってもおかしくない、骨董品のような楽器です。
それが、

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「お茶の間サイズの現代音楽史♪ 作曲家山本和智 自作を語る」

「お茶の間サイズの現代音楽史♪ 作曲家山本和智 自作を語る」

山本和智さん作曲のウワサの「糸電話」が演奏される、と聞いて馳せ参じました。
公益財団法人うらやす財団主催「現代音楽レクチャーシリーズ お茶の間サイズの現代音楽史」(全6回)の最終回。

楽しそうなシリーズですが、その存在を知ったのが最終回、というのが悔やまれます。
それでも、とても聞きたかった「糸電話」ならぬ、「3人の箏奏者と室内オーケストラのための『散乱系』」を体感出来て、とても楽しかったです

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「The 箏 KOTO spin-off」

「The 箏 KOTO spin-off」

深海さとみさん、福永千恵子さん、吉村七重さん
大御所お三方による「The 箏 KOTO」の4回目の公演です。

サブタイトルはspin-off。
これまでは大曲が多かったのですが、皆さまの声にお応えして、「聴きやすい曲」にしてみたとのことです。
確かに、他の演奏会でも耳にしたことのある「聴きやすい曲」のラインナップです。
ですが、全然違います。

トップバッターは福永千恵子さん「鳥のように」

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「佐藤亜美 二十五絃箏リサイタル」

「佐藤亜美 二十五絃箏リサイタル」

2日前はオール長澤勝俊作品でしたが、今回はオール伊福部昭作品です。
長澤作品が「湿った日本の風土」だとしたら、この度の伊福部作品は「乾いた西アジアの風」。
演奏スタイルも、大合奏とは対照的に、お一人だけでの演奏です。
一音一音丁寧に紡ぎ出される音を聴いているうちに、いつの間にか伊福部ワールドに引きずり込まれていました。

プログラムは3曲ながら、いずれも大曲ばかり。
「胡哦(こが)」
「胡人のう

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「日本音楽集団第240回定期演奏会 長澤勝俊生誕100年~長沢勝俊の軌跡~」

「日本音楽集団第240回定期演奏会 長澤勝俊生誕100年~長沢勝俊の軌跡~」

長澤勝俊作曲「まゆだまのうた(尺八と箏のためのまゆだまのうた)」。
箏の波の活動を始める前に、箏とフルートの演奏で聴きました。
美しい旋律と演奏に魅了されて、いまでも忘れられない1曲です。

その後いろんな曲を聴いて、この曲素敵だな、と思うと長澤勝俊さんの曲ということが何度もありました。
日本音楽集団は、長沢勝俊さんが創設にも参加されたプロの和楽器オーケストラです。
その定期演奏会で、オール長澤

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「現代邦楽名作選ー創作の軌跡ー」

「現代邦楽名作選ー創作の軌跡ー」

2時と5時、内容の異なる2回公演。
両方欲張りたいところでしたが、5時の会に足を運びました。

興味深いプログラムはもちろん、今をときめく演奏家の皆さま方、あの方も、その方も、この方も聴ける!と気分が大いに盛り上がります。
チケットを取る前から楽しみにしていましたが、当日は期待以上、ものすごく面白かったです。

未知の世界である現代曲は、解説を先に読むか、あとで読むか悩みます。
今回は、まっさ

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「当道音楽会 第140回定期演奏会 ー未来へつなぐ伝統の音ー」

「当道音楽会 第140回定期演奏会 ー未来へつなぐ伝統の音ー」

当道音楽会は明治38年に設立された、箏・三絃・胡弓を伝承している団体です。
伝統文化の維持・継承をはかる団体であることに公益性を認められ、公益社団法人の認定を受けられています。
この度、第140回定期演奏会が、超豪華ゲストを招いて開催されるとのことで、足を運びました。

第1部は、ゲストの競演
「笹の露」
富山清琴さんの三絃と、菊原光治さんの箏、善養寺惠介さんの尺八です。
清琴さんと光治さんの掛

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「風薫る箏コンサートin古民家カフェ」

「風薫る箏コンサートin古民家カフェ」

連休最終日。
残念ながら、風は薫らず、まあまあな雨模様でした。
しかし、雨音も演出の一部になるような、素敵なひとときになりました。

東京藝術大学を卒業した同期生で結成された、箏アンサンブル十色(といろ)。
このメンバーの内3名によるカフェライブです。
場所は、北千住駅すぐ近くの古民家カフェ、路地裏寺子屋rojicoya。

第一部「うさぎの落とし物」
中條亜耶さんのかわいらしい日本画に、箏奏

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「小池典子 箏・三絃・胡弓 リサイタル」

「小池典子 箏・三絃・胡弓 リサイタル」

数多くの舞台で素晴らしい演奏を披露してくださる小池典子さん。
記念すべきリサイタルと伺い、万難排して馳せ参じました。

長磯箏での「梅が枝」
柳川三味線での「ゆき」
胡弓での「荒城の月」
三絃での「尾上の松」
いずれも小池さんでなければ叶わないプログラムです。

合間に、野川美穂子さんによる楽器の解説がありました。
長磯箏は、京都を中心に使われた装飾性に富んだお箏です。
普段見かけるお箏より、

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「日本歌曲協会「春のステージ2023」アンサンブルの多様性を求めて」

「日本歌曲協会「春のステージ2023」アンサンブルの多様性を求めて」

年に2回、春と秋に開催される、日本歌曲協会の「邦楽器とともに」
ピアノ伴奏で歌われることの多い声楽家の方が、このステージでは邦楽器とともに、日本語の歌を歌います。
今回は「アンサンブルの多様性を求めて」というテーマで、様々な楽器が奏でられました。

美しい「幽かなるもの~一枚の絵より~」ソプラノと箏・十七絃・ヴァイオリン
力強い「朱夏抒情」ソプラノと箏・三絃・尺八
楽しい「都々逸どいどい」メゾソ

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「邦楽四重奏団 in 青葉」

「邦楽四重奏団 in 青葉」

「邦楽四重奏団」は、箏・三絃・十七絃・尺八の和楽器のカルテット
メンバーは平田紀子さん、寺井結子さん、中島裕康さん、黒田鈴尊さん
皆さまそれぞれが第一線で活躍されている、超実力派です。
演奏の素晴らしさはお墨付きなので、いつでも安心して聴きに行けます。

今回は、能舞台が設置されているホールでの公演ということで馳せ参じました。
千葉県立青葉の森公園の中にある芸術文化ホールです。
普段は普通のホー

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「高畠一郎 箏三絃十七絃リサイタル」

「高畠一郎 箏三絃十七絃リサイタル」

10月16日には箏のリサイタルを開催された高畠一郎さん。
伺ったのは11月3日の箏・三絃・十七絃のリサイタルです。

演奏曲はいずれも、原曲は昔ながらのお箏の曲。
これらが、高畠さんの手のかかると、古典だけど古典じゃない、とても、音が楽しい「音楽」会でした。

「嵯峨の秋幻想」高畠一郎編作曲2018
原曲は明治に菊末勾当により作曲された箏2面の曲「嵯峨の秋」です。
「嵯峨の秋」は平家物語「小督の

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