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詩、エッセイ

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心の変化、日常の変化
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記事一覧

「渦を巻く風」
隙間から風が通って、
取り留めもなく音楽が
流れた。
居場所を確保した猫は
スッと去って行く。
遠くで鳴く蝉の声。
猫の鳴き声と共鳴し合って、不思議な音楽になる。
渦巻きの形をした風が
あちこちに浮いている。
天まで届いたら猫を
乗せて帰っておいで。

「流れゆく季節」

「流れゆく季節」

濃くなった緑。

ウグイスのさえずりの声。

いつかの美しい夜桜。

季節は過ぎ行く時間の流れ。

ポツンと立ち尽くしても
時は止まらない。

愛おしい時間をまといながら、
季節を楽しむ。

「魅力の青色」

「魅力の青色」

「魅力の青色」

空の青色。

遥か遠く宇宙まで続く青色。

引き込まれていく青色。

冷静の青色。

知性の青色。

思考の青色。

自己表現は薄い青色。

直感は濃い青色。

涼しさを想像する青色。

様々な青色に想いを馳せてみる。

「雲の形の不思議」

「雲の形の不思議」

雲をよく眺める。

空が高い秋口のうろこ雲が好きだ。

不思議な形があるとずっと
眺めてしまう。

マッコウクジラの形の雲を
1キロ先まで追いかけたことが
あった。

バラバラになるまでのショータイム。

龍の形をみると、
何だかありがたい気持ちになる。

ある時は、ミッキーマウスの形。

高層ビルよりも大きい
ミッキーマウスが
高層ビルを占拠していた。

さあ、今度はどんな雲に
出会うかな…。

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「グラデーションの影」

「グラデーションの影」

影の濃淡。

モノクロームのグラデーション。

現実か、はたまた夢なのか。

そっと、この中に入ってみたい。

揺れて揺られて、

溶け込んで消えてしまいそう。

★きゃらをさんの企画
「写真で魅せる世界」に参加します。

https://note.com/kyarawo/n/nffa57ca18b41

「アメンボの水たまり」

「アメンボの水たまり」

小さな窪みにできた水たまり。

水面を動く小さな小さな生き物。

アメンボはどこから
やって来たのだろうか。

水たまりには、
シオカラトンボも産卵していた。

日が照ると蒸発してしまう
小さな水たまり。

わずかな時間を惜しむように
生き物たちは次の世代に
バトンを渡す。

この水たまりが
永遠でありますように。

★きゃらをさんの企画
「写真で魅せる世界」に参加します。

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「茜色」

「茜色」

ドラマチックな空模様

同じ日のわずかな時間差

刻々と変化する空

茜色がみるみる間に広がっていく

しばし佇んで

止まった時間を楽しむ

★夏至の前夜の空

★きゃらをさんの企画
「写真で魅せる世界」に参加します。

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「星に願いを」

「星に願いを」

今日は七夕。

星に願いを飛ばしてみようね。

去年の七夕の夜に星になった母。

きっと、父に会いたくて、
七夕の日を選んだんだね。

きっと夜空で明るく輝いてるね。

母と散歩した道は
広い空が広がっているね。

ずっと大切な心象風景。

お笑い好きで笑顔が似合ってたよ。

笑顔をありがとうね。

★きゃらをさんの企画
「写真で魅せる世界」に参加します。

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サクサクするのに、
トコトコとした動き。

スリスリするのに、
キチキチとした歩み。

ギーギーするのに、
スルスルとした滑り。

ジンジンするのに、
フワフワとした痛み。

風が湿っぽい。
冷んやりと少し重い風が
ほおを撫でて行く。
季節の逆戻り。
草花は葉をかすかに揺らし、
昆虫たちの動きも
少しだけ鈍くなる。
この緊張がしばしの活力に
なるかもしれない。

「過ぎし日よ、ありがとう」

「過ぎし日よ、ありがとう」

岐路に立たされた時に書いた詩。
自分に残ってるものは何かと考えた時に、
子どもの頃に感じた感性があると
気付いた。

「過ぎし日よ、ありがとう」

暖かな陽射しに包まれ

野原に横になる

日光を浴びた草の匂い

目を閉じるとよみがえる

湖面に映った青い空は

限りなく澄み渡っている

静かな風がさざ波を誘う

鳶が大きく何度も旋回する

時が止まり、あの日に帰る

道端の紫色のスミレはかすかに

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「変わろうとするもの」

「変わろうとするもの」

岐路に立たされた頃に書いた詩。
変化を待っている自分がいます。

「変わろうとするもの」

変わろうとするもの、それは何。

芽生え出づるもの、それは何。

過去を引きずり、未来を追いかける。

唐突に現れる心の揺らぎ。

ゆがむ足跡に、切なくも歩調を合わせる。

着々と進む、着々と。

ある日の突然の出来事のために。

崩れ去るものはもろく、

手の中からスルスルと抜けて行った。

わずかな時間

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