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さかなのおと

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タナゴを中心とした淡水魚観察の記録
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記事一覧

自治と連帯(赤潮に記憶とともに)

遅くなりましたが、新年のご挨拶を申し上げます。
今年もよろしくお願いいたします。

新年が潤いある一年となりますように。

元日、帰省先の滋賀で、地元局のテレビを見てたところ、

45年前の、琵琶湖の淡水赤潮と粉石鹸運動の話が出てきました。
その後で、琵琶湖の富栄養化防止条例に長い前文があるのを紹介されたのですが、
知りませんでした。

今から見ても、先進的で格調ある文章です。
今年の抱負に代えて

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鈴鹿川河口にて(21.03.07)

午前中、川魚の仲間たちとの、河口ガサガサ。
カジカ、クルマエビ、ボラ、イシガレイ(たぶん)……そんなあたりの、稚魚がタマリに見つけられました。
どんな魚も、稚魚ってカワイイ。イシガレイに至っては、内臓が全部見えるくらいに透明で、言い方良くないけれどおもちゃみたい。

名も知らぬ道端の草花に、名前を問う話

名も知らぬ道端の草花に、名前を問う話

今頃だけど、
BIOMEのプロジェクトに参加し始めました。
https://biome.co.jp/app-biome/

動植物の写真を撮りアップしたら、データベース検索して種を確定することができる……そして自分の写真自体も、分布図作りのデータベースに加えられていく、というもの。
某市の里山公園の運営で、役立てられるのでないか、と紹介があり、月末の打ち合わせで検討することになってまして、まずはみ

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孤立した環境……はあるのかどうか?

いま、仮に、土を掘ってため池を作ったとしよう。
そのため池に、最初に現れる動物はなんだろうか?
ヤゴ?アメンボ?……そういう昆虫が、飛んできて(風に流されてきて、かもしれない)いつくのだろうか。彼らには羽がある。
が、その水の中に魚が現れるのは、いつのことだろう?
そしてどこから来るのだろう?
この素朴な疑問への、ひとつの答えが出た。

水草についた魚の卵、それを水草とともに食べた鳥が、消化しきれ

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砂浜アートのイベントを、新たに企画してます(6月)。告知チラシ用に載せるための試作を、仲間内でやってみました。 ワタシの試作品『ウミガメ赤ちゃん、海目指す』……ウミガメのおもちゃに紙粘土押し付けた型を使い、波打ちぎわの砂を成型。 #サンドアート

「学習資料」虹いろ エネルギー(小学生・環境活動団体向けレクチャー資料) 前半

(はしがき)これは、小学生向けに1年間通した環境活動企画されているとある団体から、淡水魚保護をしている団体(亀山市の魚と子どものネットワーク)に依頼があり、行ったレクチャーの資料と原稿です。
太陽からの光が、地球に差し込み、どのように生き物たちのエネルギーになるか、を、光の色に注目して説明したものです。
所要時間、1時間を見込んでいます。(当日は、間に簡易分光器を工作する時間も設けていました……が

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今日聴講したパネルディスカッションで、登壇のひとりが、「今の学校の先生世代は、川で遊ばなかったから、危険だとばかりいう」と決めつけた件。
違うと思うんだ。「私ら第2次ベビーブーマが、なぜ川から遠ざかったか」を近く書こう。好き嫌いや軟弱さでなく社会環境・経済的な因子が数個浮かぶ。

われ無心に蟹と戯る

信号機やネオンサインを見ると色温度を考えてしまい、
ネットが張ってあるのを見かけると、デジカメで写真を撮ってモアレの現れるのを面白がり、という、ガキの頃からの「光るもの」好き。

挙げ句の果てに、この前、干潟に住むカニの裏面の色を色見本とくき合わせながら、配色の妙を語り、生き物観察の仲間からトコトン浮いてしまった(とはいうけれど、淡い色ながらも結構カラフルなんです)。そのカニさんマジマジ見るうちに

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さかなのーと番外編 湖の記憶

さかなのーと番外編 湖の記憶

大津市の古くからある市街地あたりは、湖岸に山の端が迫ってくる。有名な琵琶湖疏水に沿って歩くと、湖岸から1kmも行けば、斜度20度はある急坂になってしまう。
その山の端の一角にある長等公園に、三橋節子美術館を訪ねた。

http://www.city.otsu.lg.jp/i/manabi/bunka/nagarasosaku/index.html

亡くなられてすでに40年ほどになるが、わたしの世

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鈴鹿川生き物探し(18年7月 パート1)

亀山、鈴鹿、四日市の三つの市を東西に流れる鈴鹿川。
その真ん中より山よりの場所で、生き物観察をしておりました。
亀山市街地近く、亀山橋やJR紀勢線の古くからある橋の辺り。
川原もゆったりして、さらさらふわりという感じで川砂も積もっている、
幅20mほどの流れは、大人のスネ程度までの水かさあり、それ以外に淀みになっている場所もある。そんな変化のある場所です。

まず目につくのは、季節柄、オイカワのオ

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魚を正面から見る彼は。

先ごろ、さかなクンの親御さんのことが、記事になっていた。
発達障がい(かも?)と、自分のお子さんや身近な子供さんを、用心深く観ている方には、様々な思いが浮かぶ文だったと想像します。
http://www.imishin.me/sakanakun/

ただ私は、そんな方たちに、別な意味で「大丈夫ですよ」とお伝えしたいのです。

唐突だけど、さかなクンの描く魚の絵には、不思議な特徴がある。よく言われて

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波はゆりかご

三重県四日市市にある、小さな砂浜「吉崎海岸」で、毎月第1日曜に清掃する活動があります。
その掃除のあと、海の勉強会があり、内陸県出身のわたしには、毎度物珍しく聞いています。

さて今回は、春先の波打ち際の生き物観察。特別な許可を講師に取っていただき、網を引いてみると、そこには、アユの稚魚が。

ほぼ透明な体、細長さ
あまりに、あのアユの雰囲気にかけ離れいますが、胴の模様には、確かに見覚えも。
この

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口上書(ご挨拶に代えて)

はじめまして。

サイエンスライターを自称する、はやしけいじです。

今後、水辺の生態系や、星空についての資料をつくり、こちらへ公開していこうと思います。
今夜は、私が水辺の生態系に今更ながら注目するようになったきっかけのお話です。
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つい30年ほど前、琵琶湖にボテジャコとまとめて呼ばれる魚がいた。
いた、というレベルでなく、私のような釣りの素人が、友達の釣りについて行って、竿を借りて

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