魚を正面から見る彼は。
先ごろ、さかなクンの親御さんのことが、記事になっていた。
発達障がい(かも?)と、自分のお子さんや身近な子供さんを、用心深く観ている方には、様々な思いが浮かぶ文だったと想像します。
http://www.imishin.me/sakanakun/
ただ私は、そんな方たちに、別な意味で「大丈夫ですよ」とお伝えしたいのです。
唐突だけど、さかなクンの描く魚の絵には、不思議な特徴がある。よく言われているのでご存知の方が多いだろうか…。
おそらく世界でも数少ない(学術的な場所では、唯一といってよい)、真正面からの魚を描くのだ。
じゃ、なぜ、学界的には、魚を側面から描くのか……、
冗談めかして、知り合いの淡水魚の研究者にお聞きしたことがある。彼曰く『最初に編まれた博物学の図鑑が、左を頭にした側面で描いたからに過ぎないです』とのこと。
今や、研究者でもある『さかなクン』氏は、当然そのことを知っているだろうが、彼は同時に「魚を正面から描く」ことのメリットを知っているのだろう(これは、私の想像に過ぎないけれど)
彼が『発達障がい』と疑われるのは、たとえばこのような、『世の流れには、我関せず』なところもあるから、と思う。
少なくとも、自閉傾向を持つ私から見て、ご同類に見えるのは、まさに私自身「魚を真正面から描く」ような非常識を、意図することなくしてしまうと、身に覚えがあるからでもある……。
けれど、仮に気質的にたとえば自閉傾向があるにしても、彼を発達障がいとするには、私は否定的……というのか、『彼ほど社会適応できている人を、あえて判断することは、無用かつ有害な可能性大』と言いたい。
とここまでは、記事から見たら脇道ですね、失礼。
親御さんとしては、今振り返ると、全般に上手く環境などをととのえられた、と言えるだろう。
文章からうかがえる、おおらかさは、彼の育ちにとって大きなプラスと、お見受けする。
けれど、ここで勘違いしてはならないのは、育てている最中には、その結果が見えていたのでない、ということ。
きっと、記事で語られることのない、試行錯誤があったはずである……まさに、『人間だもの』のレベルで……。
だから、今リアルに、発達障がいの因子を持つお子さんを育てる方には、ご参考に、程度に読んでいただきたい。
もっと、生身でぶつかっていいですよ、と。
そのお子さんを頭ごなしに否定するのは、まずいでしょうけれど。
親がどう自分に接してくれたか、以上に、
親がどのように社会と接していたか、が、大きな学びになるものです。
(ご参考)
上の観点で、是非ご参考に。
堀田あけみ『発達障害だって大丈夫』……できれば今年出た増補新版で。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309248561/
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