小学生だったわたし〈低学年編〉
授業中に空想するのが好きだったわたし。
授業開始の鐘の音聞きながら
さあて、今日は、なにを想像してすごそうかなあ?
って。
低学年の時、
その日わたしは、
「定規で消しゴムを切る」
のに腐心していた。
もちろん、授業中である。
当時、ティーンエイジャーの間で流行していたファッション、
「首が大きく開いたTシャツからタンクトップを覗かせる」
に憧れていたわたしは、じぶんの着ているTシャツの首部分をぐわっと広げて、中に来ていたタンクならぬお子さまの下着を上手い具合に覗かせていて、ご満悦に浸っていた。
あさの先生は、そんなわたしを見つけて、
「東雲さん、今授業中ですよ!あと、洋服変になっていますよ!」
って怒られたの覚えてる。
あと、全校集会で、校長先生の話つまらないなーって思いながら、その時冬だったんだけど、体育座りしながら、前にいたやりみずくんのセーターの背中の毛玉を取るのに夢中になっていた。
集会が終わって、みんなが教室へ戻って、
着席したとき、あさの先生に、
「今日、集会で1番ダメだった子、東雲ユニコ!」
って言われたんだけれど、
わたしは最初
「??」
「なんで?」
って思った。
あさの先生に理由を聞かされるまで。
だけれど、そんなわたしだったけれど、
3年生の時の読書感想文で、わたしの書いた作文が選ばれて、コンクールに出したら賞をもらったんだよね。
壇上に名前呼ばれて上がって、校長先生から賞状もらったの覚えてる。
『長いしっぽのポテトおじさん』って言う本。
でも、それ、あさの先生との二人三脚だったって言うか、一緒に作文直ししたんだよね。
その日、作文直しに呼ばれたのは、放課後で、ちょうど次の日からお休みに入る時で、校舎の床にワックスかけた日で、まだ乾いていなかったんだけれど、そっと足を置きながら教室へと歩いていた。そしたら、他の先生が向こうからやってきて、
「こらっ!なにやってるんだ?みんな帰ったんだぞ?ワックスがだめになっちゃうじゃないか!」
って怒られて、わたしは半分泣きそうになったんだけれど、そこから先は、あさの先生が来てくれたか、自分で理由言ったのかは忘れてしまった。
怒るけれど、優しかったあさの先生。
最近の年賀状は定期的に破棄しているけれど、小学校から高校までのもらった書簡はだいたいとってある。
この間、昔の年賀状の整理していたら、あさの先生のお葉書が出てきた。
あさの先生が書いてくれた言葉読んだら涙とまらなくなっちゃって困った。
あさの先生は
いよいよ六年生ですね。
楽しい思い出をたくさん作って、
思い出のふくろをもっともっと
大きくしましょう。
今年もいろいろな事に活躍して下さい。
ユニコさんらしくのびのびと。
って、
ああ、わたしのこと、担任じゃなくなっても、ちゃんと見ててくれてたんだなあって。
あさの先生は、子供が大好きだったんだけれど、なかなか自分の子供ができなかったみたいなんだ。
不妊治療して、やっと子供ができたんだよ。
たぶん、当時の不妊治療だったから、なんと、三つ子ちゃん!
でも、先生喜んだろうなあって思う。
いま、こんな大変な世の中になってしまったけれど、先生は元気かなあ?
いつかまた先生に会える日が来るといいなあ。
先生に直接会ってお礼をいいたいよ。
あさの先生、わたしの先生になってくれて
ありがとう
って。
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