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オオカミと戯れる午後 (Krentz Modulatorレビュー)
コントラバスにウルフトーンはつきものですね。世の中には「よく鳴る楽器はウルフも強い」という通説もありますが、どうなんでしょう。とにかく、新しくウルフ対策器具「Krentz Modulator」を導入してみたので、紹介記事を書いてみることにします。
Krentzとはドイツっぽい名前ですが、アメリカの会社。僕が住むヨーロッパにはチェロ用モジュレーターは代理店があるみたいですが、ベース用は直接彼らに注
告別式で演奏した時のこと
友人のVから、久しぶりに連絡が来た。Vは国外で仕事をしており、彼女がここトリエステに帰郷するタイミングでコーヒーを飲みながら近況報告をする、といった程度の付き合いなので、今回も「お、また帰って来てるのかな?」くらいの軽い気持ちでメッセージを開くと・・・。
彼女らしからぬ長文。内容は「久しぶり、邪魔してごめんね。あなたにこんなことをお願いしても良いものか分からないんだけど、昨夜ママが亡くなったの。
2023年東京ミーティングの顛末
先日Twitterに連投した内容に少し加筆して、noteにも残しておこうと思います。(個人の特定を避ける為、偽名や事実の曲解を少し含みます)
時差ボケだったのか前夜うまく眠れず、少し寝不足の状態で会場へ。場所の手配をしてくれた友人とカフェで軽めの昼食を取り、時間が来たので会場入り。思ってたより広くて、いい感じ。
集まった楽器は5台。そのうち裸ガット1台、5度調弦1台、f字孔の形が特徴的なギター
一周年を記念して遊ぶ。
おかげ様で、「こじらせコントラバス」を開始してから丸一年が経ちました。この間、YouTubeは予想より遥かに多くの方に見ていただくことができ、Twitterのフォロワーさんもちょうど良く増え、とても嬉しく思っています。
そこで!ちょっと調子に乗って、プレゼント企画なんぞをやってみることにしました。今まで僕の方から積極的に視聴者やフォロワーの皆さんに働きかけてきたことはないので、新しい挑戦です。ま
なんとなく知っていたことを深める愉しみ。後藤雅史さんとタンゴの話を。
ある程度の期間弦楽オーケストラで弾いていれば、ピアソラの作品はまず必ず演奏する機会が回ってくると思います。普段はチェロの後ろにくっついていくコントラバスが独自の活躍を見せるので、目立ちます。そんなとき僕はもともとロック出身なので、生粋のクラシック奏者には出せない勢いのようなものを表現できて、仲間内では「あいつはタンゴをやらせてもハマる」という評価を得てきた実感がありました。
しかし、実際にはほと
どうしてロングトーンの練習が大事なのか?
この度、久しぶりに当YouTubeチャンネル「こじらせコントラバス」の本筋である自分の考えを披露する動画を公開しました。今回のテーマは「ロングトーンの定義と目的、および実戦的な練習方法」。論文のタイトルかよ!?笑
という訳で、こちらには2020年に書いていたブログ記事を持ってくることにしました。少し手直しは入れますが、僕のこじらせっぷりは読み取って頂けるかと思います。
「どうしてロングトーンの
インタビュー「スズキケンタローさんのインプロビゼーション論」
僕のYouTubeでやっているインタビュー企画、話が盛り上がり過ぎて前・中・後編に分けざるを得なかった第2回が完結しました。今回はパリ在住のジャズミュージシャンでいらっしゃるスズキケンタローさん。
ケンタローさんはYouTubeで色々と活動なさっているのを僕が見つけて、特にダンスや写真など音楽以外のアートジャンルから音楽を即興することが多いように見えたので、それについてぜひ深掘りしたかったのです もっとみる
「クロスオーバー(ジャンルの垣根を越えること)」を考える。
昨日、ヤーノシュカ・アンサンブルという素晴らしいグループと所属オケで共演してきました。この方々、ブラチスラバ出身の音楽家兄弟なのですが、クラシックの名曲をアレンジして即興もして・・・と正に「クロスオーバー」。そういえば僕も2014年に考えをブログにまとめていたことを思い出し、noteに持ってくることにしました。今もあんまり考えは変わってません。
2014年に書いた記事↓
雨の日曜日です、トリエ
こじらせコントラバスのインタビュー!
「コントラバスとの付き合い方の多様化をプロモーションする」というのが僕がやっている「こじらせコントラバス」の活動目的のひとつなのですが、それにはやはり色々な形でコントラバスをこじらせている人の話を聞かせてもらうのが一番だと思うのです。そこで、インタビュー企画。ステイホームで当たり前になったビデオ通話を利用します。これで世界中どこにいる人でも話を聞くことができます。便利すぎる!
さて、初回はやっぱ
屋外でコントラバスを弾くことについて。
イタリアでは夏の間、どこの町や村でも屋外でのコンサートや劇の上演などのイベントが頻繁に行われます。これらは基本的に「雨が降らないこと」を前提として、無邪気に企画されます。今の時期はこうして外で弾く仕事がほとんどなので、これを機に思ったことをまとめておきます。
1.コントラバスには屋外演奏が似合わない!コントラバスの音は、ヴァイオリンやチェロのように「良く通る音」ではなく「あたりに充満する音」だと
お山の町でのフェスティバル。
6月の初め、活動を再開した所属オケから、ある噂が聞こえてきた。「どうも7月半ばから、本拠地を山の町に移して、しばらくずっとそこで活動になるらしい」と。
そんなことになったら、海辺の街に住んでいる僕は移動だけでもえらいこっちゃである。そこから事務局との情報戦を展開し、どうやら特別手当は出るけど宿の提供はないらしいとの結論。
蓋を開けてみるとフェスティバルは前評判以上にタフなカレンダー、なんと20
「貧乏暇なし」状態には、自ら望んで陥ることが多い。北イタリア旅行記。
イタリアではオーケストラ活動が本格的に再開し、嬉しい限り。しかし大事な本番も多くなってくるので、ロックダウンで優先順位が落ちていた楽器の健康チェックが気になってきた。特に弓。僕はクレモナに工房を構えるイタリア人作家の弓を愛用しているのだが、オーケストラでの使用が増加し消耗も進み、そろそろ巻き線やねじを交換する必要を感じていた。できるなら生まれ故郷で綺麗な身体にしてあげたい・・・という訳でクレモナ行
もっとみるユーチューブのビデオ、最初のサイクル終了!
約3週間前から始めたYouTubeチャンネル「こじらせコントラバス」に、第4回ビデオ「いろいろな弓の持ち方・考え方の基本」を投稿しました。
第1回と第2回では主に音程と左手の話、第3回と第4回ではおもに弓の持ち方と右手についてつらつらとお話してきました。これでとりあえず僕の言いたいことの一番の根幹である「弾く練習から、聴く練習へ!」のモットーをご紹介するという意味合いでは、一区切りです。
世間
歌詞アリの曲を歌詞ナシで弾くこと。
ちょうど一年前に録った、山崎まさよしさんの名曲「One More Time, One More Chance」をコントラバスで弾いたものです。
僕はこうして歌モノをコントラバスで弾くのが好きなのですが、そして実はそれはボッテジーニの時代から続く伝統なのですが、毎回「人間の声」という楽器には結局のところ敵わないのではないか、という不安と戦う時間でもあります。
何がすごいって、人間の声なら「喋るよ もっとみる