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お山の町でのフェスティバル。

6月の初め、活動を再開した所属オケから、ある噂が聞こえてきた。「どうも7月半ばから、本拠地を山の町に移して、しばらくずっとそこで活動になるらしい」と。

そんなことになったら、海辺の街に住んでいる僕は移動だけでもえらいこっちゃである。そこから事務局との情報戦を展開し、どうやら特別手当は出るけど宿の提供はないらしいとの結論。

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蓋を開けてみるとフェスティバルは前評判以上にタフなカレンダー、なんと20日の間に本番が10回あるという。指揮者は6人が入れ替わり、毎回ちゃんとメインとなるベートーヴェン、シューベルト、ドボルザークの交響曲が全10曲。更にとあるアメリカの作曲家がやたら量産した色々な楽器のための協奏曲10曲を弾きに、世界レベルの独奏者が10人。ダメ押しにメンデルスゾーンとベートーヴェンの序曲を合わせて5曲。メインのシンフォニーは去年までに弾いたオケのレパートリーがほとんどとは言え、いくらなんでも突貫工事すぎる。

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どうやらオケの本音としては、第一回の立ち上げ回である今年、「とにかくデカいことをやった!」という実績が作りたかったのだろう。それによって、来年度以降の行政からの予算配分に影響があったりするのだ。質より量、の考えである。しかし、あまりにも演奏家への負荷が大きすぎたのではないか?

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様々な思惑や事情が錯綜していたフェスティバルも昨日で終了、ようやく一息つけている。僕としては妻とバカンスがてら山の町に滞在する期間を設けて山の自然を楽しんだりもできたが、モヤモヤした感触は残っている。音楽家の地位向上などには今まで関わってこなかったが、やはり避けては通れない道なのだろうか・・・。

ちなみに、これだけ短期間に集中して大量の音符を弾いても、肩こりも腱鞘炎も手のしびれも全く無かったのは、楽器弾きとしては嬉しいことであった。どうやら身体に無理の無い弾き方が実践できているようだ。

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