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健全なる精神は健全なる身体に宿る、は科学的に正しいかも

タイトルの言葉は、スポーツ系のトピックで以前よく使われていました。
コトバンクで調べると、「体が健康であれば、精神もそれに伴って健康である」、ということだそうです。(あまり調べる必要なかった気が・・・)

さて、なぜこのような出だしかというと、なんとこれを科学的に証明した研究成果がNatureで最近発表されました。

ようは、
マウスの実験で心拍数を強制的に早くすると、不安をつかさどる機能も活性化した、

ということです。

逆は我々も経験的に明らかですね。何か不安を感じると心臓の鼓動が早くなります。不安以外でも緊張したり過渡に期待すると身体現象が変わるのは常識的に明らかです。

今回は、その逆の現象を確認した、という興味深い実験成果です。

上記記事内の図

上図は比較的わかりやすいかと思います。赤が身体の鼓動を制御し、青が脳内神経で不安の度合いを制御する箇所です。

制御とは、具体的には光遺伝子技術を利用しています。つまり光をあてることで特定の神経を活性化することが出来ます。もはやこれは定番の実験手法と言ってもいいと思いますし、過去何度も触れました。(念のため過去例)

次に、その制御対象である物質は何かというと、いわゆる脳内ホルモンです。

不安を和らげる脳内物質としてよく知られているのは、「セロトニン」という物質です。
もしかしたら日常生活で、テンションがあがったときなどに「ドーパミン」という言葉を使われているかもしれませんが、これもセロトニンが制御に関わっているとされています。

下記記事でも紹介されてますが、「幸せホルモン」と呼ばれることもあります。なかなか幸せ(恵まれた)なホルモンですね。

で、セロトニンは抑うつ剤としてお使われますが、近年の研究で逆に不安をあおる神経もあることが発表されています。

出所:上記記事内の図

セロトニン=多幸感、というプラスの面だけではないことがようやく最近の研究で分かったということです。

実は、セロトニンにちかい機能として「愛のホルモン」とも呼ばれることのあるのが、「オキシトシン」という物質です。

下記の記事は、恋愛を科学者がホルモンの分泌に絡めて説明して、セロトニンとの相関も含めてとても興味深かったです。

で、なんとこの多愛感(著者の造語です☺)を象徴するオキシトシンも、実はその定説が覆るかもしれない研究成果が2023年になって発表されています。

ようは、
オキシトシンを遺伝子編集技術で取り除いても、家族での愛情行為とみられる行為は変わらず行われた、
という話です。

これだけをして定説が覆る、というのは何とも判断がつきかねますが、いずれにしても、ホルモンが人間が単一の言葉で表現するほど単純なものではない、ということは何となくわかってきているようです。

知れば知るほど奥が深い体内の神秘、我々人類が人工的に発明した「言語」には限界があることを示す1つの例かもしれません。

ただ、こういった新しい発見を知るときには、間違いなく幸せホルモンが分泌されていると感じます☺

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