福岡 浩二

宇宙・生命・知能に関わる話題が大好き。 <運営コミュニティ> https://enjo…

福岡 浩二

宇宙・生命・知能に関わる話題が大好き。 <運営コミュニティ> https://enjoyscience.doorkeeper.jp/ https://sustainableq.doorkeeper.jp/ https://after-chatgpt.doorkeeper.jp/

マガジン

  • 宇宙に関する謎・ニュース

    最新のニュースや論文を題材に、宇宙のホットな情報をまとめています。

  • 知能に関する謎・ニュース

    人類の知能や人工知能の謎や最新ニュースをまとめています。

  • 生命に関する謎・ニュース

    生命科学に関する面白いニュースや最新動向などをまとめています。

最近の記事

ディラック賞で日本人選出:時空のものさしは「量子もつれエントロピー」!?

そろそろ、科学の祭典ともいえるノーベル賞の時期が近づいてきました。 ということで、最近は賞関係の話題に関心が寄っています。 その中の1つ「ディラック賞」が先月発表され、日本人の高柳氏が選ばれました。今回はその内容を砕いて紹介します。 <受賞者> Horacio Casini, National Scientific and Technical Council (CONICET) and Bariloche Atomic Centre, Argentina Marina

    • 半年で100年の成果!AI革命が赤裸々にするナスカの地上絵

      科学技術がもたらした革命には、人文科学も含まれており、特に後者においては考古学の分野が目立ちます。関連投稿を貼っておきます。 そのなかでも有名な「ナスカの地上絵」で、AI革命の真っただ中です。こちらも過去記事を貼っておきます。 上記記事を書いた後に、さらに素晴らしい発見がありましたので今回は続報です。記事を紹介します。(元論文はこちら) 前回の確認ですが、地上絵は20世紀から発見が相次ぎ、100年間で430個ほど発見しました。その功績は航空機の発明です。これは分かり易い

      • ラスカー賞受賞:GLP-1薬が人類の歴史を変える

        前回に続き、ラスカー賞の解説です。 上記で触れた下記2番目の業績にフォーカスを当てます。 この肥満治療薬、通称「GLP-1(グルカゴン様ペプチド1)」は以前から注目され多くの賞を獲得しています。このBlogでも紹介したので記事を貼っておきます。 上記記事から分かり易い図を貼っておきます。 ようは、GLP-1はインスリンを誘発する役目をもっています。インスリンは血糖値を調節する役目を負っており、これが機能不全に陥ると「糖尿病」に罹るわけです。 元々は糖尿病治療薬として

        • 体内の警報装置:免疫システムを発動するメカニズム

          アメリカのノーベル医学・生理学賞といわれる「ラスカー賞」が発表されました。 下記が今回の受賞内容です。 1.ジジャン・チェン:体内で火災警報器のような働きをする重要な酵素の発見。 2.ジョエル・ハベナー、ロッテ・ビェレ・クヌーセン、スベトラーナ・モイソフ:肥満治療用​​の薬の発見と開発。 3.クワライシャ・アブドゥル・カリムとサリム・アブドゥル・カリム:HIVの予防と治療に貢献 1つ目の研究について説明した記事を見つけたので少し掘り下げてみます。 ざっくり言うと、

        ディラック賞で日本人選出:時空のものさしは「量子もつれエントロピー」!?

        マガジン

        • 宇宙に関する謎・ニュース
          213本
        • 知能に関する謎・ニュース
          158本
        • 生命に関する謎・ニュース
          154本

        記事

          SFを凌駕:太陽望遠鏡による未来天文学

          以前に、三体というSF作品を取り上げました。 色んなアイデアが詰まった玉手箱ですが、その序章であり物語すべての因果を飾るのは「太陽による電波増幅器」という空想でした。 ある科学者が異様に強い電波を観測します。まさかと思いつつ研究を続けた結果、太陽が電波を、一定以上の強度と特定の周波数で増幅反射することを突き止めます。もう少し掘り下げると、太陽が核融合エネルギーを放射するときに、連続的でなく離散的にその周波数が下がる境界面があることをつきとめます。そしてそのエネルギー境界面

          SFを凌駕:太陽望遠鏡による未来天文学

          深海の帰巣本能:洞窟に導かれる小さな生命たち

          生物の「知能」は、人類が最も総合力で高いといってよいと思います。 ただ、対象を無生物に広げると話が変わりつつあります。 OpenAIの最新モデルOpenAI o1が知能指数(IQ)120を記録したと、下記サイトが計測して発表しています。 人間の平均IQは大体100といわれており、120は人間のなかでも上位10%に入る知能レベルに相当します。 IQが知能を総合的に計測できるツールでよいかはともかく、人工知能という人の知能を目指したマシンの歴史において、1つの記録的なマイ

          深海の帰巣本能:洞窟に導かれる小さな生命たち

          日本は異端を誇る国?:2024年度イグ・ノーベル賞をまるっと眺めてみる

          2024年度のイグ・ノーベル賞について、以前触れました。 他の受賞内容も面白そうだったので、今回はそれをまるっと紹介したいと思います。今年はニコニコ動画で字幕付きで放映しているので、ぜひ興味ある方は受賞動画もお勧めです。この賞全体の雰囲気が楽しめると思います。 <第34回イグ・ノーベル賞一覧> 平和賞: 生きたハトをミサイルの中に収容して、ミサイルの飛行経路を誘導する実験。この研究は、動物の行動を利用して、軍事技術を開発する可能性を示唆しました。 植物学賞: 植物が隣

          日本は異端を誇る国?:2024年度イグ・ノーベル賞をまるっと眺めてみる

          宇宙のロマン再び!大阪万博で展示される火星隕石と生命の謎

          大阪万博までいよいよ1年を切りました。 そろそろ展示物の内容が気になるところですが、宇宙ファンとしてはうれしいメニューが発表されました。 数万年前に火星から飛来した隕石をなんと触ることができるとのことです。 重さは13キロで大きさは大体ラグビーボールサイズ。もちろんすでに分析は完了しています。 前回1970年の大阪万博では、アポロ12号が持ち帰った「月の石」が展示されたので、そのつながりも意識したのかもしれません。ちなみに、噂ではまた今回も展示できないか交渉中らしいで

          宇宙のロマン再び!大阪万博で展示される火星隕石と生命の謎

          AIと科学の新時代:その可能性と潜むリスク

          前回、高度な推論能力を持つOpenAI o1について紹介しました。 特に強みを持つのは、自然科学や数学などの分野で、これから色々と試してみたいと思います。 それに関連して、まさにこの科学者の役割をもつLLMサービスについて注目していました。その名もAI Scientist。過去に紹介したので基本的な内容は委ねます。 ちょうどこれから試してみたいと思っていた矢先に、「えっ?」と声をあげてしまう記事を見かけました。 想定外のコード修正、というのが引っ掛かりました。 どう

          AIと科学の新時代:その可能性と潜むリスク

          自分自身をメタ認知するOpenAI o1登場

          OpenAIが9/12に最新のAIモデルを発表しました。 https://openai.com/index/introducing-openai-o1-preview/ 既に有料会員は使えるようになっており、私も少し(週に30プロンプトという制約・・・)試してみました。 名称が前例に倣ってないのが気になりましたが、公式サイトによると従来と異なるためこのモデルを「OpenAI o1」と名付けることにしたそうです。 触ってみるとすぐに気づいたのは、回答までに「考えています

          自分自身をメタ認知するOpenAI o1登場

          怠けるロボットをまじめに研究

          「怠けるロボット」(Lazy Robotics)と聞くと、矛盾した響きを感じます。このユニークな言葉を提唱している教授の考え方が記事になっていました。 ようは、 ロボットに不要なタスクをさせないようにする技術が重要、 というはなしです。 ロボットは物理的な身体をもつAIとも見れますが、(人間にとっては)余計なものまで計算してしまう「フレーム問題」が知られていました。 まさにこの怠けるロボット工学は無駄なことをやらせない技法というわけですね。理にかなっています。 この言

          怠けるロボットをまじめに研究

          カイパーベルトの先にある新世界:我々は特殊な環境ではなかった

          地球で最も離れた人工的な構造物は、宇宙探査機ボイジャーです。今回オリンピック閉会式に話題になったことを取り上げました。 ボイジャーは既に太陽系外に突入しており、最近だと久しぶりに姿勢を制御したニュースも見かけました。 50歳にあたる2027年までは運用を続けるそうです。過酷な労働環境で一番の働き者といえるかもしれません。 さて、そのボイジャーが脱出した「太陽系」ですが、実はその外縁部で新たな発見がありました。1つ記事を紹介します。 ようは、 太陽系外縁部で新たな天体が

          カイパーベルトの先にある新世界:我々は特殊な環境ではなかった

          お尻で呼吸!?驚きの実験がイグ・ノーベル賞を受賞

          毎年恒例となるノーベル賞のパロディ「イグ・ノーベル賞」が今年も発表されました。 このブログでも過去2度取り上げたので貼っておきます。 ということで、今年も無事(?)日本人の研究も選ばれて、これで18年連続となります。おそらくここまで来たら「日本人枠」があるのでしょう☺ 今回受賞したのは、 「ブタなどの動物にお尻から呼吸する能力があることを発見した」 功績です。 個人的には過去2作よりもツボにはまりました。 肺呼吸をする動物が呼吸機能障害が起こった時に、高濃度の酸素を

          お尻で呼吸!?驚きの実験がイグ・ノーベル賞を受賞

          史上初の民間による宇宙空間船外活動が実現!

          史上初の民間人による宇宙空間での船外活動が実現しました。 実現したのは民間のSpaceXで、(同じくイーロン・マスクが大株主の)XでLIVE配信をしていました。 2時間2分あたりから船外活動がスタートしています。歓声もあがっているのでなかなか臨場感を感じることができます☺ このミッションは「ポラリス」と呼ばれ、下記の4名が宇宙船の乗船員で、そのうち2名が実際に船外活動を行いました。高度は大体700kmのあたりにいます。(さすがに地上からは見えません) 上記画像を見て、

          史上初の民間による宇宙空間船外活動が実現!

          モアイ像とイースター島の再発見:環境破壊説を塗り替えた真実

          イースター島のモアイは、誰もが知る謎の古代遺跡ですね。数百もの巨大な人面岩は世界中の人に知られています。 昔は地球外生物を表現したものというトンデモ説も出回っていましたが、今は先祖をあがめるオブジェ説が有効です。余談ですが、目が入ったレアなモアイ像は2体しかなく、そのうち1つは日本の宮城県に寄贈されています。なかなかハートフルなので紹介記事を載せておきます。 従来から、あの巨岩をどのように運んだのかも謎の1つで、そのトンデモ説(宇宙人の力を借りた)を助長させていましたが、

          モアイ像とイースター島の再発見:環境破壊説を塗り替えた真実

          1000年後のロサンゼルスオリンピック

          日本にとっては金メダルラッシュだったパリオリンピック、そしてパラリンピックが終わりました。後者については下記サイトで紹介しています。 次回の4年後2028年は、ロサンゼルスでの開催となります。 オリンピック閉会式にサプライズで登場したトム・クルーズの登場シーンは、ファンならずとも心ときめいたいのではないかと思います。Youtubeで公開されていたので貼っておきます。 しかしどうみても62歳には見えません。普段どういったトレーニングをしているのかが知りたいです。 やや余談

          1000年後のロサンゼルスオリンピック