福岡 浩二

宇宙・生命・知能に関わる話題が大好き。 <運営コミュニティ> https://enjo…

福岡 浩二

宇宙・生命・知能に関わる話題が大好き。 <運営コミュニティ> https://enjoyscience.doorkeeper.jp/ https://sustainableq.doorkeeper.jp/ https://after-chatgpt.doorkeeper.jp/

マガジン

  • 宇宙に関する謎・ニュース

    最新のニュースや論文を題材に、宇宙のホットな情報をまとめています。

  • 生命に関する謎・ニュース

    生命科学に関する面白いニュースや最新動向などをまとめています。

  • 知能に関する謎・ニュース

    人類の知能や人工知能の謎や最新ニュースをまとめています。

最近の記事

宇宙のロマン再び!大阪万博で展示される火星隕石と生命の謎

大阪万博までいよいよ1年を切りました。 そろそろ展示物の内容が気になるところですが、宇宙ファンとしてはうれしいメニューが発表されました。 数万年前に火星から飛来した隕石をなんと触ることができるとのことです。 重さは13キロで大きさは大体ラグビーボールサイズ。もちろんすでに分析は完了しています。 前回1970年の大阪万博では、アポロ12号が持ち帰った「月の石」が展示されたので、そのつながりも意識したのかもしれません。ちなみに、噂ではまた今回も展示できないか交渉中らしいで

    • AIと科学の新時代:その可能性と潜むリスク

      前回、高度な推論能力を持つOpenAI o1について紹介しました。 特に強みを持つのは、自然科学や数学などの分野で、これから色々と試してみたいと思います。 それに関連して、まさにこの科学者の役割をもつLLMサービスについて注目していました。その名もAI Scientist。過去に紹介したので基本的な内容は委ねます。 ちょうどこれから試してみたいと思っていた矢先に、「えっ?」と声をあげてしまう記事を見かけました。 想定外のコード修正、というのが引っ掛かりました。 どう

      • 自分自身をメタ認知するOpenAI o1登場

        OpenAIが9/12に最新のAIモデルを発表しました。 https://openai.com/index/introducing-openai-o1-preview/ 既に有料会員は使えるようになっており、私も少し(週に30プロンプトという制約・・・)試してみました。 名称が前例に倣ってないのが気になりましたが、公式サイトによると従来と異なるためこのモデルを「OpenAI o1」と名付けることにしたそうです。 触ってみるとすぐに気づいたのは、回答までに「考えています

        • 怠けるロボットをまじめに研究

          「怠けるロボット」(Lazy Robotics)と聞くと、矛盾した響きを感じます。このユニークな言葉を提唱している教授の考え方が記事になっていました。 ようは、 ロボットに不要なタスクをさせないようにする技術が重要、 というはなしです。 ロボットは物理的な身体をもつAIとも見れますが、(人間にとっては)余計なものまで計算してしまう「フレーム問題」が知られていました。 まさにこの怠けるロボット工学は無駄なことをやらせない技法というわけですね。理にかなっています。 この言

        宇宙のロマン再び!大阪万博で展示される火星隕石と生命の謎

        マガジン

        • 生命に関する謎・ニュース
          153本
        • 宇宙に関する謎・ニュース
          211本
        • 知能に関する謎・ニュース
          156本

        記事

          カイパーベルトの先にある新世界:我々は特殊な環境ではなかった

          地球で最も離れた人工的な構造物は、宇宙探査機ボイジャーです。今回オリンピック閉会式に話題になったことを取り上げました。 ボイジャーは既に太陽系外に突入しており、最近だと久しぶりに姿勢を制御したニュースも見かけました。 50歳にあたる2027年までは運用を続けるそうです。過酷な労働環境で一番の働き者といえるかもしれません。 さて、そのボイジャーが脱出した「太陽系」ですが、実はその外縁部で新たな発見がありました。1つ記事を紹介します。 ようは、 太陽系外縁部で新たな天体が

          カイパーベルトの先にある新世界:我々は特殊な環境ではなかった

          お尻で呼吸!?驚きの実験がイグ・ノーベル賞を受賞

          毎年恒例となるノーベル賞のパロディ「イグ・ノーベル賞」が今年も発表されました。 このブログでも過去2度取り上げたので貼っておきます。 ということで、今年も無事(?)日本人の研究も選ばれて、これで18年連続となります。おそらくここまで来たら「日本人枠」があるのでしょう☺ 今回受賞したのは、 「ブタなどの動物にお尻から呼吸する能力があることを発見した」 功績です。 個人的には過去2作よりもツボにはまりました。 肺呼吸をする動物が呼吸機能障害が起こった時に、高濃度の酸素を

          お尻で呼吸!?驚きの実験がイグ・ノーベル賞を受賞

          史上初の民間による宇宙空間船外活動が実現!

          史上初の民間人による宇宙空間での船外活動が実現しました。 実現したのは民間のSpaceXで、(同じくイーロン・マスクが大株主の)XでLIVE配信をしていました。 2時間2分あたりから船外活動がスタートしています。歓声もあがっているのでなかなか臨場感を感じることができます☺ このミッションは「ポラリス」と呼ばれ、下記の4名が宇宙船の乗船員で、そのうち2名が実際に船外活動を行いました。高度は大体700kmのあたりにいます。(さすがに地上からは見えません) 上記画像を見て、

          史上初の民間による宇宙空間船外活動が実現!

          モアイ像とイースター島の再発見:環境破壊説を塗り替えた真実

          イースター島のモアイは、誰もが知る謎の古代遺跡ですね。数百もの巨大な人面岩は世界中の人に知られています。 昔は地球外生物を表現したものというトンデモ説も出回っていましたが、今は先祖をあがめるオブジェ説が有効です。余談ですが、目が入ったレアなモアイ像は2体しかなく、そのうち1つは日本の宮城県に寄贈されています。なかなかハートフルなので紹介記事を載せておきます。 従来から、あの巨岩をどのように運んだのかも謎の1つで、そのトンデモ説(宇宙人の力を借りた)を助長させていましたが、

          モアイ像とイースター島の再発見:環境破壊説を塗り替えた真実

          1000年後のロサンゼルスオリンピック

          日本にとっては金メダルラッシュだったパリオリンピック、そしてパラリンピックが終わりました。後者については下記サイトで紹介しています。 次回の4年後2028年は、ロサンゼルスでの開催となります。 オリンピック閉会式にサプライズで登場したトム・クルーズの登場シーンは、ファンならずとも心ときめいたいのではないかと思います。Youtubeで公開されていたので貼っておきます。 しかしどうみても62歳には見えません。普段どういったトレーニングをしているのかが知りたいです。 やや余談

          1000年後のロサンゼルスオリンピック

          医療の未来へ:世界初の全眼球移植への挑戦

          目の角膜移植は以前から行われており、iPS細胞で作製する研究も進んでいます。1つ臨床ケースを紹介しておきます。 角膜とは、眼球最前部の透明な無血管組織で、いわゆる“黒目”の部分を被っています。この透明なシートが防波堤となって細菌などの侵入を防いでくれます。つまり、これがないと視力悪化リスクが高くなるわけです。 角膜移植自体は、他者またはiPSによる培養いずれも事例が増えてきましたが、それ以外の領域には踏み込めていません。 そんななか2023年、全眼球を移植した手術が初め

          医療の未来へ:世界初の全眼球移植への挑戦

          宇宙の極限現象を再現:ブラックホールのジェットメカニズム解明へ

          宇宙物理学のなかで、一般向けに人気の天体といえば、やはり「ブラックホール」でしょう。 まだ謎の多い暗黒の天体ですが、意味合いとしては「ある程度近づくと光でさえも抜け出ることのできなくなる」ものです。 このブラックホールにもまだ謎が多く、代表的なのは「ジェットのメカニズム」です。以前にも、それをクラウドファンディングで日本の国立研究所が資金を募った話をしましたので貼っておきます。 上記タイトル画像にもあるとおり、なんでも飲み込むはずのブラックホールから逆に何かを放出してい

          宇宙の極限現象を再現:ブラックホールのジェットメカニズム解明へ

          我々の銀河中心にあるブラックホールの形成メカニズムが解明

          我々の銀河の中心にはブラックホールがあることがわかっています。単に理論的な予測ではなく、2022年にその画像化に成功しました。過去投稿を載せておきますので詳細に関心のある方はそちらから。 最近この付近に、今までミッシングリンクとされてきた中型のブラックホールらしきものが見つかりました。こちらも関連投稿を載せておきます。 この中心にあるブラックホールはSgr A*(いて座エースター)と呼ばれていた領域です。太陽質量比にして約400万倍もの重さです。ここまでくると感覚がマヒし

          我々の銀河中心にあるブラックホールの形成メカニズムが解明

          体内のミクロ医師—ナノロボットが拓く治療の未来

          以前に、シンギュラリティの伝道師レイ・カーツワイルの最新作(The Singularity Is Nearer)を紹介しました。 最新作は、前作を最新の情報で解像度を高めたという雰囲気です。それほど2005年の作品が未来を正確に予測していたとも言えますね。 その中でカーツワイルが注目していたのが、体内を動くナノサイズのロボットです。それを活用することで、患部へのピンポイント治療が可能になり、寿命延長に貢献します。 ただこれは未来の願望ではなくすでにいくつか実験レベルでは

          体内のミクロ医師—ナノロボットが拓く治療の未来

          老化はある意味脳を活発にしている!?

          あっという間に8月が終わり、9月は世界アルツハイマー月間です。 なぜ9月かといえば、1994年9月21日に国際的なアルツハイマー会議が行われたことを記念し、その日を「世界アルツハイマーデー」と制定しました。そしてその月をこのように呼ぶ習わしとなりました。 アルツハイマーについては、アミロイドカスケード仮説がよく知られており、これに照準を合わせた薬が開発されています。日本では中外製薬のレカネマブが有名ですね。 今年になって、このアミロイドを除去する新しい治療法も発表されま

          老化はある意味脳を活発にしている!?

          次世代太陽電池が切り拓く、地球と宇宙の新しいエネルギー革命

          以前紹介したペロブスカイト太陽電池についてうれしい進展です。 確認のため、この次世代太陽電池の特長は、 ・安い ・薄い(曲げやすい) ・大量生産できる につきます。(昔の牛丼屋の響きが・・・) 最近、自然エネルギー財団がこの電池についてまとまった報告書を公開しています。総合的な知識を得たい方はぜひ一読ください。 そして朗報ですが、GX(Green Transformation、いわゆる気候変動対策系)投資の流れで、政府の2025年概算予算要求に組み込まれています。 効

          次世代太陽電池が切り拓く、地球と宇宙の新しいエネルギー革命

          未来の医療革命:歯と健康を取り戻す再生治療の最前線

          iPS細胞で1型糖尿病の治験を始めることが発表されました。iPSの活用においてこれはインパクトがある朗報です☺ 1型糖尿病は、自己を守る機能が障害を起こす免疫の病気です。具体的には、体内にあるリンパ球が誤作動を起こし、血糖値を調節するインスリンを作る工場を破壊してしまいます。 今回は、その工場をiPS細胞で構築するという治療です。上記記事によれば14万人の患者がいるそうで、ぜひとも実用化を急いでほしいです。 そして「再生治療」つながりでもう1つうれしい話題を紹介し

          未来の医療革命:歯と健康を取り戻す再生治療の最前線