福岡 浩二

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福岡 浩二

宇宙・生命・知能に関わる話題が大好き。 <運営コミュニティ> https://enjoyscience.doorkeeper.jp/ https://sustainableq.doorkeeper.jp/ https://after-chatgpt.doorkeeper.jp/

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最近の記事

熱を力に変えるバッテリーレスな未来

日本各地で猛暑が続いています。ニュースでよく「危険な暑さ」という表現を目にしますが、一応目安はあるようです。 この暑さ指数が31以上になると危険な暑さとなるようです。自然災害よりも桁違いに死者が多いことから、とにかく無理はしないように心がけたいと思います。 そんな暑さをうまくエネルギーに変えようというすごいデバイスが発表されました。こちらの記事です。 <元論文> https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.2024

    • ドレイク方程式に久しぶりの改善案が提示される

      異星人に興味がある方には、「ドレイク方程式」は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか? 我々人類と交信可能な文明を有する確率を計算する式で、考案者の名前をとっています。 そのドレイク方程式が半世紀ぶりに修正案が提出、という興味深い記事が掲載されています。 Wikiより計算式を載せておきます。 𝑁=𝑅∗×𝑓𝑝×𝑛𝑒×𝑓𝑙×𝑓𝑖×𝑓𝑐×𝐿 各パラメータは下記のとおりです。 𝑅∗:人類がいる銀河系の中で1年間に誕生する星(恒星)の数 𝑓𝑝:ひとつの恒星が惑星系を持つ割合(

      • 型破りの生存戦略:カッコウの托卵とワムシの感染遺伝子活用

        カッコウは有名な鳥ですが、ペットで飼うだけではわからない奇妙な習性があります。 「托卵(たくらん)」とよばれ、なんと自分の産んだ卵を他の鳥に紛れ込ませて育児を代行してもらいます。(育児放棄というべきか・・・) それがいかに狡猾なのかを紹介した記事を1つ紹介します。 ただ、我々含むすべての生物も、ある意味生存を他の生物に頼っています。その代表的なものは体内にいる細菌です。過去の関連記事を取り上げておきます。 単に共生しているだけでなく、もっと高度に体内にいる他の生物を活用

        • より自然の脳に近づくマルチモーダルAI

          以前に、今の生成AIの基礎になっているLLM(大規模言語モデル)が、記憶領域で脳に似ている、という投稿をしました。 今はさらにその路線が進み、最近こんな研究が発表されています。 ようは、 脳の言語領域を観察すると、LLMと同じようなふるまいを見せた、 というはなしです。 脳の言語能力を担う場所はほぼ特定されています。詳細に興味ある方は下記のWiki情報を。 ここに、(被験者合意のもと)電極を付けて常にその電気信号の動きを測ります。 一方でLLMの基本動作を相当端折っ

        熱を力に変えるバッテリーレスな未来

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          月に大規模な地下空洞を発見!

          人によってはBig Newsかもしれません。こんなニュースが流れました。 元論文はこちら。 月に大規模な空洞があることがレーダーによる探査で判明しました。 発見された地域は「静かの海」と呼ばれます。 アポロ計画での11号着陸地点に近い場所です。もっといえば、周囲のクレーターは人類で初めて月面着陸を果たした宇宙飛行士「アームストロング」「オルドリン」「コリンズ」の名前がつけられています。 ※厳密にはコリンズだけ上空で待機しており、過去にそのエピソードは紹介したので再掲し

          月に大規模な地下空洞を発見!

          脳波の深層学習でスケーリング則を発見

          以前に紹介したARAYAという企業の取り組みで大きな進展がありました。過去記事を載せておきます。 ようは、 最新のAI理論と意識研究(グローバルワークスペースと統合情報理論)を駆使することで人工的に意識を発現する研究に取り組んでいる、 というはなしです。 今回の最新発表はこちらです。 生成AIは、深層学習を基盤とし、Transformerモデルを応用したLLM(大規模言語モデル)のスケーリング則によってその脅威が注目されました。詳細は過去記事に委ねますが、要は「多かろう

          脳波の深層学習でスケーリング則を発見

          地球最古の生命に関する衝撃的な発見

          以前に、地球生命共通の祖先LUCA(Last Universal Common Ancestor)について書きました。 過去記事では、宇宙飛来説を支持する流れでしたが、LUCAの誕生時期と生息地域の可能性を絞る衝撃的な発表がありました。 Science誌に掲載されたこちらの記事です。Nature誌にも掲載されました。 今回発表されたLUCAの特徴は以下の通りです。調査方法は、現代の微生物700種に及ぶ多様なゲノムを比較し共通点を見出し、その歴史的な系統を解析していきまし

          地球最古の生命に関する衝撃的な発見

          カバは空を飛んでいた!?

          なんとも嘘くさいタイトルになりましたが・・・事実です。 こちらを紹介します。 ようは、 カバが速く走るとき、実際に一瞬地面から浮いていることがわかりました、 というはなしです。 この研究はイギリスの研究者たちによって行われ、カバの足跡のパターンと歩幅を詳しく調べたものです。 カバが完全に浮くのは、最高速度で速歩しているときで、その瞬間は0.3秒間続きます。これを「飛んでいる」と定義しています。(定義なので突っ込みなしで☺) 今回のような研究は、カバのような大型で危険な

          カバは空を飛んでいた!?

          宇宙産業のDTC:Starlink、Omnispace、そして元祖Amazon

          DTC(Direct To Consumer)は、消費者向け製品を取り扱う産業では重要なキーワードです。 宇宙産業も徐々にその波が押し寄せているという話です。まずはこちらの記事。 Starlinkとは、衛星経由でインターネットサービスを提供するSpaceXの事業です。その地上側アンテナがついにA3サイズでかつ月額50ドルという価格まで低下した、というはなしです。 これでアンテナの持ち運びが楽になったので、離島や山の中でもネット環境には苦労しない、でしょう。(まだ重さは6

          宇宙産業のDTC:Starlink、Omnispace、そして元祖Amazon

          生物分類の進化:2024年の新たな発見とその影響

          以前に、生命の起源についてエネルギー革命というテーマで書きました。 ようは、 古細菌が細菌と共生することで、高品質なエネルギーを生む真核生物が誕生した、 というはなしです。 その前提としてこんな図を挿入しました。 各枝に、例えば我々人類が属する哺乳類などサブカテゴリがぶら下がり、距離は遺伝配列の近さを表現しています。 ところが、この細菌・古細菌・真核生物という区分が認められたのはつい最近(だじゃれです・・・)のようです。こちらの記事で知りました。 18世紀ごろから、

          生物分類の進化:2024年の新たな発見とその影響

          洞窟が語る交雑の歴史:現生人類、ネアンデルタール人、デニソワ人

          現生人類は大体20-25万年前に誕生したと推定されています。 ただ、独立した進化の道を歩んだわけではありません。 21世紀に発達した古代ゲノム解析で、我々現生人類にはネアンデルタール人やデニソワ人とDNA含まれている、つまり交雑していたことも明らかになりました。過去記事を載せておきます。 最新の研究結果で、人類と同類種の接触について触れた記事をみつけたので紹介します。 現生人類2,000人とネアンデルタール人3人、デニソワ人1人のゲノムを使用して、過去25万年間のヒト

          洞窟が語る交雑の歴史:現生人類、ネアンデルタール人、デニソワ人

          欧州が戻ってきた:アリアン6初飛行に成功

          日本の基幹ロケットH3がついに本番運用を始めました。 米国では相変わらずSpaceXが際立っており、普及機のFalcon9は週2ペースでうちあげられています。 さらに、次世代宇宙船Starshipの5回目となるテストが8月に行われます。 今回は第一段エンジンが発射台(前回は海上)に戻ってくることを目標としています。 それに追いつくべく、SpaceXの初期ステージより打ち上げ頻度記録を超えたのが、Rocket Labです。 じつは欧州でも、最近大きなマイルストーンを迎え

          欧州が戻ってきた:アリアン6初飛行に成功

          Invisible Mask:ウェアラブルの未来

          日本全国で暑い日が続きますね・・・。室内にいる方はエアコンが手放せない日々が続いているでしょう。 近年、室外でも空調服が流行っており、私の身近な人も愛用しています。結構ファッション性も優れたものが出てきているので、まだ接点のない方は覗いてみてください。Amazonサイトを載せておきます。 室外でも、衛生的でない場所ではマスクの着用も必要になってきます。夏のマスクはなかなか・・・ですね。 といった背景で、以前からあったらいいな、と思っていた製品が発売されました。こちらの記

          Invisible Mask:ウェアラブルの未来

          人工タンパク質が輝きを増す

          生命科学でここ数年の大きなトピックといえば、Google DeepMind社のAI(Alphafoldシリーズ)による3次元タンパク質構造予測です。以前にもふれたので関連投稿を載せておきます。 DeepMind以外でも、Meta(旧Facebook)社が同じように3次元タンパク質情報をデータベース化する活動を進めています。 その出身者が立ち上げた会社で素晴らしい進展がありました。 ようは、 最大規模のAIモデルの一つであるタンパク質言語モデルを発表し、新たな蛍光分子の作

          人工タンパク質が輝きを増す

          Rocket Labの快進撃:ロケット打ち上げ頻度でSpaceXを超える

          以前に、H3ロケットの初積荷「だいち4号」について紹介しました。 このレーダー型人工衛星は、実作業は民間(三菱重工業)も入ってますが、国家プロジェクトとして進められています。 ただ、地球近傍では世の中民間シフトの動きが起こっており、レーダー型衛星2社もそれぞれ順調に打ち上げが進められています。 そのうちの1社Synspectiveから、こんな発表がありました。 まだ打ち上げ台数は(配信時点で)1ケタ台ですので、かなり思い切った判断だと思います。 そして、ロケットと聞く

          Rocket Labの快進撃:ロケット打ち上げ頻度でSpaceXを超える

          動物のインターネット:新しい神話へ

          以前に、量子インターネットの話をしました。 ようは、 量子伝送技術で新しい発明が起こって強度・安全性が高まったインターネットの実装に近づいた、 というはなしです。 で、今回は「動物のインターネット」計画について紹介します。 こちらの記事がきっかけです。 ようは、 動物に発振器をつけて生息を可視化することで新たな発見があった、 というはなしです。 この計画は、イカロス(International Cooperation for Animal Research Usin

          動物のインターネット:新しい神話へ