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AI(愛)の操作と偏見への取り組み

なかなか考えさせられるニュースが目に留まりました。

ようは、
従来愛情に影響があると考えられていたホルモンを遺伝子編集で分泌しないようブロックしても、大きく変わりなく愛情や社会性を維持していた、
という話です。

嬉しいことである一方、従来の仮説が崩れたので大きな考え方の枠組みが再構築する必要があります。

対象のホルモンは、「オキシトシン」と呼ばれます。

女性の妊娠や出産、授乳時に分泌量が変動することが分かったので、「愛情ホルモン」とも呼ばれています。
脳の視床下部(ししょうかぶ)という場所で合成され、下垂体後葉(かすいたいこうよう)に運ばれて放出されます。
もし仮にホルモン株式会社が設立されたら、前者が社長で後者が部長のイメージです。

近年の研究では、上記イベント以外でも分泌に影響があることが分かってきました。何と「リモートワーク」も影響しているようです。

ようは、
人のコミュニケーション方法が希薄であるほど分泌量が少なくなる、
という話です。分かりやすい例では、物理的に会って話すより、SNSで会話するほうが少ないということです。

何となく、「分断」と言われた現代社会を科学的に証明した気持ちになって切ないですね。。。

もうひとつ余談ですが、このホルモンは愛情だけでなく食欲をコントロールするという研究成果も2022年に理研が発表しています。

肥満や摂食障害の研究に重要な役割を果たしそうですね。

といったように、このホルモンは人間の基本的な欲求に大きな影響があることが分かります。

今回の実験は、その愛情に関係するホルモンを遺伝子編集技術で制御出来てしまうところに怖さがあり、勿論人間では許可されていません。

ただし、まさに先ほど挙げたSNSがさながら分泌効果の役割となって、別のAIが人間の感情を揺さぶるリスクが指摘されています。

AIによる差別・偏見」の問題です。

投稿時点では特にChatGPTが大流行していることもあり、よりAIと対話する機会が増えています。なんと公開6日目で世界の100万名が登録して利用しています。

以前から、各組織や地域では差別的な発言への向き合い方に気を付けるよう取り組まれてきてはいます。

その中で世界的に大きな影響を与えそうなのがEUのAI規制法案です。

要約して説明しているEU委員会の公式サイトが下記となります。

下図のように、AIリスクをランク付けしてその開発元や利用側に対処させるようです。

出所:上記EU委員会サイト内の図

このような規制動向をまとめたこちらの総務省による報告書が分かりやすく、直接関係しない方でも一読をお勧めです。

すごいシンプルにいえば、EUで過去に個人情報保護法を規制したGDPRが施行され罰金も科されることで話題になりましたが、そのAI版です。

見方を変えると、それだけ今のAIは人権を傷つけるほどの脅威として見られているということです。

こればかりは科学技術ではなく法律という人間の発明品に依存するしかありません。

今年は生成AIがさらに話題を生むことは避けられないと思います。
そして同時に守りにもあたるこういった規制動向も忘れずに、「幸せ」を追求していきたいと思います。

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