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SF作品「三体」は現代科学ミステリーの玉手箱

前回、UFOについて書きました。

UFOだけでなく地球外生物は今でもSFの鉄板ネタです。最近では、Netflixが有名なSF作品「三体」の配信を開始して話題になっています。

三体という用語は、元々「三体問題」として何世紀も前から数学者を悩ましてきた難問です。過去にも触れました。

三体の作品についてですが、Netflix版を見ましたが登場人物と構成は大幅に変えています。要は、おいしいところを簡単に賞味いただけます。

科学ミステリーが好きな方は、濃厚な小説版をお勧めします。

理由は、現代の宇宙物理・生命科学・神経科学の謎を網羅的に展示しているからです。

なかでも一番の大きな謎は宇宙の仕組みですが、ここにはマルチバースな宇宙にしています。過去投稿を載せておきます。

ただ、マルチバース理論と異なり、各宇宙の間で通信可能な設定にしているので(但し銀河分のエネルギーが必要)、そこは完全フィクションです。

科学以外でも、人類の倫理や挿入される寓話自体の素晴らしさなど、珠玉な作品を集めたベスト盤の色合いです。

ネタバレをしないように気を付けますが、登場するコンピュータもなかなか豪華です。種別だけ列挙しておきます。
・手動型(但しスケールが大きい)
・量子論の原理を使ったもの
・人類の脳の原理を使ったもの

脳については、計算させるだけでなく、途中で洗脳の話題も飛び出します。催眠術ではなく、脳が認知する最小原理のところで指示どおりに思い込ませることが出来ます。

例えば、小説では、
「水は毒である」
と処置を施し(その過程は書きません)、実際に水を飲むと毒を飲んだかのような異常をきたします。まさに「病は気なり」のごとく。

そして、それにも科学のブレークスルーを仮定し、「大脳領域で起こっている量子現象を解明」したことで、その意思を上書きします。

現代科学ではなかなか受け入れにくい状況設定ですが、部分的に量子現象が働いていることは唱えられています。興味ある方のために、過去記事を載せておきます。

ただ、量子現象だと仮定しても、それをソフトウェアコードを書き換えるようなところはさすがに難しそうです。

これについては、別の側面として、生成AI(大規模言語モデル)が近づけるかもしれません。

例えば、上記では、海馬という記憶機能での量子現象を取り上げています。その記憶領域で行っている手続きは、LLMではデファクト化しつつある「Transformer」と似ているかもしれない、という興味深い指摘があります。

もし、このLLMが完全に脳のニューロン発火パターンを1対1対応できれば、そしてその発火パターンを人工的に再現できれば・・・あながちフィクションと馬鹿にできません。

寄生虫では、実際に宿主を洗脳して(おそらくは)意思に反する行動をさせる現象も見つかっています。

「ハリガネムシ」です。過去にも取り上げたので載せておきます。

上記記事にもあるとおり、遺伝子レベルでの特異性も見つかっており、今後の研究によっては何か発見があるかもしれません。

ここまでにしておきますが、それだけでは氷山の一角ですらないくらい、「三体」は科学の宝庫です。

未読の方はぜひぜひ☺

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