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小川 功治朗
2021年11月1日 09:49
まだこの世に祭が一つしかなかった頃の話。三度の飯より祭が好きな男がいた。祭の前日、男は興奮で眠れなかった。明け方うとうとしてしまい、目が覚めた時には祭は終わっていた。後の祭、男は途方に暮れた。一年間楽しみにしていた祭が終わってしまったのだ。男は発想を変えることにした。祭は終わったのではなく、まだ始まってはいないのだと。そこから男は毎日お祭り騒ぎだった。だが、一年
2021年10月7日 07:52
魚屋が脱走 追いつめる警部と刑事刑事「もう網にかかった魚だ。」魚屋「来るんじゃねえ。雑魚が。」警部「ゴマメの歯ぎしりだな。」刑事「ここは僕が。大船に乗ったつもりでいて下さい。」魚屋「ちくしょう。」警部「あぶない。」飛び掛かる魚屋 警部が身代わりとなる刑事「警部。」警部「まさかサバ折りを仕掛けてくるとは。」魚屋「エビでタイを釣るってやつだ。魚屋をなめるな。」
2021年10月6日 06:31
警部「もうまな板の上の鯉だ、観念しろ。」刑事「どうして他の魚屋を捌いたんだ。」魚屋「にくかったんです。」刑事「憎かったのか。」魚屋「いえ、あいつ魚屋なのに肉を買ったことがどうしても許せなかったんです。」警部「魚屋よ。しばらくは生簀に入って反省するんだな。」魚屋「目からうろこでございます。」刑事「さすが腐っても鯛。」警部「よし水揚げしろ。」刑事「へい。」連行さ
2021年10月5日 06:35
刑事「大変です。魚屋の親父が殺されました。」警部「『ぎょ』とでも言って欲しいのか。で、凶器はなんだ?」刑事「はい。光り物です。」警部「ほう、鰯かね、鯵かね。」刑事「それが、鯖なんです。」警部「なに、鯖だって、それはやっかいだな。」刑事「どうしてです?」警部「犯行時間をサバを読まれてはかなわんからなあ。」刑事「しかし、目撃者の証言がありまして、どうやら隣町の魚屋が出入
2021年10月2日 08:38
監督は悩んでいた。泥沼の20連敗。これ以上の連敗は許されない。そこに一人の投手が現れた。投手「監督、ついに魔球が完成しました。」監督「待っていたぞ。早速、見せておくれ。」投手「魔球は3つあります。1つ目は200キロの剛速球です。」監督「それは凄い。」投手「ただ問題がありまして、この球を受けられる捕手がいません。」監督「仕方ない。2つ目は?」投手「次は爆発する魔球です。これま
2021年10月1日 08:16
「嘘つきは泥棒のはじまり」そう母から教えられた男は、大人になっていた。「じゃあ、泥棒に行ってきます」男は出かけようとした時、母に呼び止められた。「どうして泥棒をするんだい?」母は泣きながら訪ねた。「だって、嘘つきは泥棒のはじまりだって言ったじゃないか」と返す男に「そりゃ言ったけど、嘘つきが泥棒になってしまうなら、この世は泥棒だらけになってしまうよ」と言った。