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こどもの病気

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こどもの母斑について

こどもの母斑について

生まれつきの皮膚の色や形の異常を母斑といいます。
今日は母斑についてお伝えします。

★母斑の種類
〇赤あざ(血管腫)
・イチゴ状血管腫
乳児の1%にみられます。大きさもさまざまで、赤色の扁平局面として出現し、急速に膨隆・増大することがあります。
学童期までに自然退縮する傾向にありますが、瘢痕を残すことがあります。
・サーモンパッチ(正中部母斑)
新生児から乳児に出現し、眉間、眼瞼内側、額に好発し

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こどものてんかんについて

こどものてんかんについて

けいれん性の病気です。
てんかんとは「大脳神経細胞の異常放電によって繰り返し起こす発作が起こる慢性の脳疾患」です。
18歳くらいまでのてんかんを小児てんかんと呼び、小児てんかんには色々な種類や症状がみられ、成長にともなって治っていくてんかん、難治になると予測されるてんかんなどがあります。

★原因
てんかんの原因はさまざまです。
小児てんかんは1歳までの発症が最も多く、ほとんどが症候性てんかんです

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こどもの貧血について

こどもの貧血について

貧血はからだの組織に酸素を運ぶ赤血球が減少した状態です。
多くの場合は鉄欠乏が原因です。こどもの貧血は家族が気付くことが多いです。
こどもでも貧血になるの?
どうしたらわかるの??
今日は貧血についてお伝えします。

★貧血の原因
・造血物質の欠乏(鉄などの血を作る物質の欠乏)
・骨髄機能不全(造血の低下)
・赤血球破壊の亢進(溶血性貧血)
・失血(からだの出血により血液の欠乏)

★症状
見た目

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こどものあせもについて

こどものあせもについて

こどものあせもは梅雨から夏にかけて乳幼児に好発します。
汗をかくことはこどもが気温に対応できるからだを作るために大事な機能です。
今日はあせもについてお伝えします。

★原因
発熱などの病気や多温多湿な環境でも多汗によっておこります。
汗が皮膚の外にながれるときに通る道のどこかにたまってしまい、周囲へ炎症を起こすことであせもになります。

★症状
おなかや腰からおしり、背中にみられます。
大きい幼

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こどものアトピー性皮膚炎について

こどものアトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎はかゆみがあり、増悪・寛解を繰り返す湿疹です。アトピー性皮膚炎のこどもの多くはアトピー素因をもつといわれています。
今日はアトピー性皮膚炎についてお伝えします。

★アトピー素因とは
・アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎の家族歴や既往歴をもっている
・IgE抗体を産生しやすい
この2つをあわせもつ体質をいいます。

★症状
乳児の場合
生後2~6か月ごろから口の周囲・頬

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こどものじんましんについて

こどものじんましんについて

じんましんはかゆみを伴うみみずばれ様の皮疹が突然出現し、数時間で消失します。じんましんにはどう対応したらいいでしょうか。
今日はじんましんについてお伝えします。

★原因
食物や薬剤が原因でアレルギーの関与により発症します。
また、物質的刺激(接触)寒冷・日光・運動・発汗などの非アレルギー性でも誘発されることがあります。

〇アレルギーの関与
・食べ物の場合
魚介類:さば、まぐろ、さんま、えび、か

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こどもの川崎病について

こどもの川崎病について

川崎病とは乳幼児に好発する原因不明の血管炎です。
冠動脈瘤などの心合併症をきたすため、小児の後天的心疾患の最大の原因をなります。
今日は川崎病についてお伝えします。

★症状
6つの主要症状のうち、経過中に5症状が呈する場合に診断されます。また4症状でも他の疾患が否定され、ハートエコーで冠動脈瘤を呈する場合に診断されます。
・高熱
・両側の眼球結膜の充血
・真っ赤な唇、いちごのようにつぶつぶの舌

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こどものヘルニアについて

こどものヘルニアについて

ヘルニアはこどももなるの?と思われる方もいらっしゃるかのではないでしょうか。
ヘルニア(脱腸)はおなかの臓器がお腹の外に飛び出した状態です。
今日はこどものヘルニアについてお伝えします。

こどもに多いヘルニアは鼠経ヘルニアと臍ヘルニアがあげられます。

鼠経ヘルニアとは
股のつけねの少し上のあたりから陰部にかけて膨隆する病気です。
こどもの場合は生まれつきの原因で発症するため、ほとんどが外鼠経ヘ

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こどものイレウスについて

こどものイレウスについて

イレウス(腸閉塞)は腸管の通過がなんらかの原因により障害された状態です。
(え?子どもでも起こるの??)と思われる方もいらっしゃるかもしれません。生後すぐに腸閉塞をきたす病気もあります。
今日はこどものイレウスについてお伝えします。

★イレウスの特徴
腸管の中がつながっていなかったり、狭くなっていたりすることで通過できない状態になる機械的閉塞と、腸管はしっかりできているのに、腸がうまく動かないた

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こどもの乳幼児突然死症候群について

こどもの乳幼児突然死症候群について

生後2週間から1歳までの乳児および幼児の突然予期せぬ死亡を乳幼児突然死症候群(SIDS)といいますが、原因が明らかになっていません。主に眠っているときに起こり、生後2週間から1歳までの年齢の全死亡の35~55%を占めています。
今日はこどもの乳幼児突然死症候群についてお伝えします。

★原因
関与している可能性がある因子として、乳児の睡眠覚醒が不良であることが言われていますが、原因が明確にわかって

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こどもの中耳炎について

こどもの中耳炎について

こどもの耳管が大人と比べて太くて短いです。
角度が水平に近い構造であり、鼻咽頭の細菌が中耳腔内に侵入しやすいです。そのため、風邪などの上気道感染から中耳炎を起こしやすく、乳幼児に罹患するこどもが多いです。
また、こどもの耳管の特徴や免疫機能・副鼻腔の発達が十分でないことで、こどもは繰り返し中耳炎をおこしやすいです。
今日はこどもの中耳炎についてお伝えします。

★急性中耳炎
かぜをひいた後に咽頭の

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こどもの結核について

こどもの結核について

結核は全身性の感染症で、呼吸器に病変を起こすことが多いです。
気道から感染し、全身の臓器に結核病変を起こしうることがあります。乳幼児では家庭内感染が多いです。
日本は2022年に結核が低蔓延国になりましたが、今日は結核についてお伝えします。

★感染経路
主に空気感染します。
結核菌の初感染では患者からの飛沫・空気感染によって肺に感染巣をつくり、所属リンパに結核性病変が起こります。(初期変化群)8

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こどものカンジダについて

こどものカンジダについて

カンジダ症尾は真菌(かび)による感染症です。
菌はヒトの口腔・腸管・膣などに常在していますが、通常は人体に害は及びません。特定の条件下で粘膜や浸潤部位の皮膚に過剰に増殖します。今日はカンジダについてお伝えします。

★カンジダが増殖する条件
多温多湿の気候
合成繊維のきつい下着
オムツや下着を頻回に交換しない
免疫系の機能低下(糖尿病、HIVまたは免疫抑制する薬の使用)
妊娠、肥満、抗菌薬の使用

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こどもの肺炎について

こどもの肺炎について

その名の通り、肺の炎症ですが、様々な原因により肺炎になります。一般的には病原微生物(細菌やウイルスなど)の感染によって生じる浸出炎です。
こどもは呼吸器官が未熟なので、急激に症状が悪化して肺炎になることもあります。じゃあどんな状態になるの??
今日はこどもの肺炎についてお伝えします。

★症状
おもな症状は発熱・咳・呼吸困難です。
聴診によって肺雑音、呼吸音の減弱が聞かれますが、
ウイルスやマイコ

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