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こどものイレウスについて

イレウス(腸閉塞)は腸管の通過がなんらかの原因により障害された状態です。
(え?子どもでも起こるの??)と思われる方もいらっしゃるかもしれません。生後すぐに腸閉塞をきたす病気もあります。
今日はこどものイレウスについてお伝えします。

★イレウスの特徴
腸管の中がつながっていなかったり、狭くなっていたりすることで通過できない状態になる機械的閉塞と、腸管はしっかりできているのに、腸がうまく動かないために閉塞が起こってしまう機能的閉塞
があります。

★症状
お腹がはれる・嘔吐を繰り返す・腹痛・ガスや便がでない・ぐったりするなどの症状が出現し、下血を伴うこともあります。
また、脱水症状をきたす場合は点滴などの適切な治療が必要になります。

★イレウスの種類
・壊死性腸炎
低出生体重児に特徴的でミルクを開始してしばらくしてから発生します。
・肥厚性幽門狭窄症
生後1か月前後に発生します
・腸重積
生後半年から2歳ごろまでの間で季節の変わり目に多く発生します
・腸回転異常、中腸軸捻転
新生児以降に発生することが2割です。
年長児の反復性嘔吐の原因になることがあります
・メッケル憩室
胎生児の腸管が残っていることで腸閉塞のほか、消化管出血の原因になります
・腸管重複症
腸重積の原因になることがあります

★症状
こどもの腸閉塞の主な症状は嘔吐です。
ただし、嘔吐をきたす他の病気との区別が必要です。

★治療
腸閉塞によって腸管が血行障害を起こしているか否かにより、治療が異なります。
・血行障害を起こしている場合
重篤で強い腹痛をきたすため、緊急手術が必要になってきます。
・血行障害を伴わない場合
脱水を補正する目的で輸液療法を行います。また、腸管蠕動を止める薬を投与する、鼻から小腸までチューブを挿入留置して、小腸内の減圧を行う治療をまずは行っていきます。

こどもは病気でなくとも嘔吐しやすかったりします。
頻回な嘔吐の場合などは受診が必要です。
嘔吐に関しては過去の投稿も併せてご一読ください。

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